数学C 楕円 問題 8 解説

方針・初手
楕円上の点を $P(x_1,y_1)$ とおき、接線は楕円の標準的な接線公式を用いる。法線は接線の傾きの逆数から求める。
その後、$Q,S,R$ の座標を $x_1,y_1$ で表し、(2) は線分 $SQ$ の長さ、(3) は $\triangle OSR$ の面積をそれぞれ最適化する。
解法1
楕円
$$ \frac{x^2}{4}+\frac{y^2}{9}=1 $$
上の点 $P(x_1,y_1)$ は第1象限にあるから、$x_1>0,\ y_1>0$ であり、
$$ \frac{x_1^2}{4}+\frac{y_1^2}{9}=1 $$
を満たす。
楕円
$$ \frac{x^2}{4}+\frac{y^2}{9}=1 $$
の点 $P(x_1,y_1)$ における接線は
$$ \frac{x_1x}{4}+\frac{y_1y}{9}=1 $$
である。よって
$$ l_1:\frac{x_1x}{4}+\frac{y_1y}{9}=1 $$
である。
また、楕円を暗黙微分すると
$$ \frac{x}{2}+\frac{2y}{9}\frac{dy}{dx}=0 $$
より、点 $P(x_1,y_1)$ における接線の傾きは
$$ -\frac{9x_1}{4y_1} $$
である。したがって法線の傾きは
$$ \frac{4y_1}{9x_1} $$
であるから、
$$ l_2:y-y_1=\frac{4y_1}{9x_1}(x-x_1) $$
である。
次に、$Q,S,R$ の座標を求める。
接線 $l_1$ が $x$ 軸と交わる点を $Q$ とする。$y=0$ を代入すると
$$ \frac{x_1x}{4}=1 $$
より、
$$ Q\left(\frac{4}{x_1},0\right) $$
である。
法線 $l_2$ が $x$ 軸と交わる点を $S$ とする。$y=0$ を代入すると
$$ -y_1=\frac{4y_1}{9x_1}(x-x_1) $$
である。$y_1>0$ より両辺を $y_1$ で割って
$$ -1=\frac{4}{9x_1}(x-x_1) $$
となるから、
$$ x-x_1=-\frac{9x_1}{4} $$
である。よって
$$ x=-\frac{5x_1}{4} $$
となり、
$$ S\left(-\frac{5x_1}{4},0\right) $$
である。
法線 $l_2$ が $y$ 軸と交わる点を $R$ とする。$x=0$ を代入すると
$$ y-y_1=\frac{4y_1}{9x_1}(0-x_1) $$
より、
$$ y-y_1=-\frac{4y_1}{9} $$
である。したがって
$$ y=\frac{5y_1}{9} $$
となり、
$$ R\left(0,\frac{5y_1}{9}\right) $$
である。
(2) を考える。$Q$ と $S$ はともに $x$ 軸上の点であり、
$$ Q\left(\frac{4}{x_1},0\right),\qquad S\left(-\frac{5x_1}{4},0\right) $$
であるから、
$$ SQ=\frac{4}{x_1}+\frac{5x_1}{4} $$
である。ただし $0<x_1<2$ である。
関数
$$ f(x_1)=\frac{4}{x_1}+\frac{5x_1}{4} $$
を最小にすればよい。微分すると
$$ f'(x_1)=-\frac{4}{x_1^2}+\frac{5}{4} $$
であるから、$f'(x_1)=0$ より
$$ -\frac{4}{x_1^2}+\frac{5}{4}=0 $$
すなわち
$$ x_1^2=\frac{16}{5} $$
である。$x_1>0$ より
$$ x_1=\frac{4}{\sqrt5} $$
である。
また、
$$ \frac{x_1^2}{4}+\frac{y_1^2}{9}=1 $$
に代入すると
$$ \frac{1}{4}\cdot\frac{16}{5}+\frac{y_1^2}{9}=1 $$
より、
$$ \frac{4}{5}+\frac{y_1^2}{9}=1 $$
である。したがって
$$ \frac{y_1^2}{9}=\frac{1}{5} $$
となり、$y_1>0$ だから
$$ y_1=\frac{3}{\sqrt5} $$
である。
よって、線分 $SQ$ の長さが最小となる点は
$$ P\left(\frac{4}{\sqrt5},\frac{3}{\sqrt5}\right) $$
である。
このとき
$$ SQ=\frac{4}{4/\sqrt5}+\frac{5(4/\sqrt5)}{4} =\sqrt5+\frac{5}{\sqrt5} =2\sqrt5 $$
である。$\triangle PSQ$ は底辺 $SQ$ が $x$ 軸上にあり、高さは $P$ の $y$ 座標 $\dfrac{3}{\sqrt5}$ であるから、面積は
$$ \frac{1}{2}\cdot 2\sqrt5\cdot \frac{3}{\sqrt5}=3 $$
である。
次に (3) を考える。$O(0,0)$、
$$ S\left(-\frac{5x_1}{4},0\right),\qquad R\left(0,\frac{5y_1}{9}\right) $$
であるから、$\triangle OSR$ は座標軸に沿った直角三角形である。
したがって、その面積は
$$ \frac{1}{2}\cdot \frac{5x_1}{4}\cdot \frac{5y_1}{9} =\frac{25x_1y_1}{72} $$
である。
よって、$\triangle OSR$ の面積を最大にするには、楕円上の第1象限で $x_1y_1$ を最大にすればよい。
ここで
$$ x_1=2\cos\theta,\qquad y_1=3\sin\theta $$
とおく。ただし
$$ 0<\theta<\frac{\pi}{2} $$
である。このとき
$$ x_1y_1=6\sin\theta\cos\theta=3\sin2\theta $$
である。したがって $x_1y_1$ は
$$ \sin2\theta=1 $$
のとき最大となる。よって
$$ 2\theta=\frac{\pi}{2} $$
すなわち
$$ \theta=\frac{\pi}{4} $$
である。
このとき
$$ x_1=2\cos\frac{\pi}{4}=\sqrt2 $$
また
$$ y_1=3\sin\frac{\pi}{4}=\frac{3\sqrt2}{2} $$
である。したがって、$\triangle OSR$ の面積が最大となる点は
$$ P\left(\sqrt2,\frac{3\sqrt2}{2}\right) $$
である。
最大面積は
$$ \frac{25x_1y_1}{72} =\frac{25}{72}\cdot \sqrt2\cdot \frac{3\sqrt2}{2} =\frac{25}{72}\cdot 3 =\frac{25}{24} $$
である。
解説
接線は楕円の公式
$$ \frac{x_1x}{4}+\frac{y_1y}{9}=1 $$
を使えばすぐに求まる。法線は接線の傾きを求めて、その負の逆数を用いるのが自然である。
(2) では $Q,S$ がともに $x$ 軸上にあるため、$SQ$ は $x$ 座標の差だけで表せる。結果として
$$ SQ=\frac{4}{x_1}+\frac{5x_1}{4} $$
という1変数の最小化に帰着する。
(3) では $\triangle OSR$ が座標軸に沿った直角三角形になる点が重要である。面積は $x_1y_1$ に比例するため、楕円上で $x_1y_1$ を最大化すればよい。媒介変数表示
$$ x_1=2\cos\theta,\qquad y_1=3\sin\theta $$
を用いると、最大化は $\sin2\theta$ の最大値に帰着する。
答え
(1)
$$ l_1:\frac{x_1x}{4}+\frac{y_1y}{9}=1 $$
$$ l_2:y-y_1=\frac{4y_1}{9x_1}(x-x_1) $$
(2)
$$ P\left(\frac{4}{\sqrt5},\frac{3}{\sqrt5}\right) $$
このとき
$$ \triangle PSQ=3 $$
(3)
$$ P\left(\sqrt2,\frac{3\sqrt2}{2}\right) $$
このとき
$$ \triangle OSR=\frac{25}{24} $$
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