数学C 楕円 問題 14 解説

方針・初手
楕円上の点 $(x_1,y_1)$ における接線の方程式を用いる。点 $P(1,3)$ から引いた接線の接点を $Q,R$ とみれば、$Q,R$ は「接点の軌跡」として得られる直線上にある。
その直線と楕円の交点の中点を求めれば $M$ が求まる。また、$PQ=PR$ の条件は、$M$ を用いて「$PM$ と $QR$ が垂直」と言い換えられる。
解法1
楕円
$$ ax^2+\frac{y^2}{2a}=1 $$
上の点 $(x_1,y_1)$ における接線は
$$ axx_1+\frac{yy_1}{2a}=1 $$
である。
この接線が点 $P(1,3)$ を通るための条件は
$$ a x_1+\frac{3y_1}{2a}=1 $$
である。したがって、接点 $Q,R$ はともに直線
$$ ax+\frac{3}{2a}y=1 $$
上にある。
よって
$$ [\チ]=a,\qquad [ツ]=\frac{3}{2a} $$
である。
次に、この直線と楕円の交点 $Q,R$ の中点 $M$ を求める。直線を $y$ について解くと
$$ y=\frac{2a}{3}(1-ax) $$
である。これを楕円に代入すると
$$ ax^2+\frac{1}{2a}\left\{\frac{2a}{3}(1-ax)\right\}^2=1 $$
となる。整理して
$$ \left(a+\frac{2a^3}{9}\right)x^2-\frac{4a^2}{9}x+\frac{2a}{9}-1=0 $$
を得る。
この2つの解が $Q,R$ の $x$ 座標であるから、その和は
$$ \frac{\frac{4a^2}{9}}{a+\frac{2a^3}{9}} =\frac{4a}{2a^2+9} $$
である。したがって中点 $M$ の $x$ 座標は
$$ \frac{2a}{2a^2+9} $$
である。
また、$M$ は直線 $y=\frac{2a}{3}(1-ax)$ 上にあるから、
$$ y_M=\frac{2a}{3}\left(1-a\cdot \frac{2a}{2a^2+9}\right) =\frac{2a}{3}\cdot \frac{9}{2a^2+9} =\frac{6a}{2a^2+9} $$
である。よって
$$ M\left(\frac{2a}{2a^2+9},\frac{6a}{2a^2+9}\right) $$
である。
したがって
$$ \frac{6a}{2a^2+9}=3\cdot \frac{2a}{2a^2+9} $$
より、$M$ は直線
$$ y=3x $$
上にある。
よって
$$ [\テ]=\frac{2a}{2a^2+9},\qquad [\ト]=\frac{6a}{2a^2+9},\qquad [\ナ]=3 $$
である。
次に、$PQ=PR$ となる条件を求める。$M$ は $QR$ の中点であるから、$Q=M+\vec v,\ R=M-\vec v$ とおける。ただし、$\vec v$ は直線 $QR$ に平行なベクトルである。
このとき
$$ PQ^2-PR^2 =|P-M-\vec v|^2-|P-M+\vec v|^2 =-4(P-M)\cdot \vec v $$
である。したがって
$$ PQ=PR $$
となるための条件は
$$ (P-M)\cdot \vec v=0 $$
すなわち、$PM\perp QR$ である。
$P(1,3)$ も直線 $y=3x$ 上にあり、先ほど $M$ も $y=3x$ 上にあることが分かったので、直線 $PM$ の傾きは $3$ である。
一方、直線 $QR$ は
$$ ax+\frac{3}{2a}y=1 $$
であるから、その傾きは
$$ -\frac{a}{\frac{3}{2a}}=-\frac{2a^2}{3} $$
である。
$PM\perp QR$ より、傾きの積が $-1$ となればよいので
$$ 3\left(-\frac{2a^2}{3}\right)=-1 $$
すなわち
$$ -2a^2=-1 $$
である。$a>0$ より
$$ a=\frac{1}{\sqrt2} $$
である。
よって
$$ [\ニ]=\frac{1}{\sqrt2} $$
である。
次に、面積比 $\dfrac{S_1}{S_2}$ を求める。三角形 $\triangle PQR$ と $\triangle OQR$ は、共通の底辺 $QR$ をもつので、面積比はそれぞれの点 $P,O$ から直線 $QR$ までの距離の比に等しい。
直線 $QR$ は
$$ ax+\frac{3}{2a}y-1=0 $$
である。
原点 $O(0,0)$ からこの直線までの距離は
$$ \frac{1}{\sqrt{a^2+\frac{9}{4a^2}}} $$
である。
点 $P(1,3)$ からこの直線までの距離は
$$ \frac{\left|a+\frac{9}{2a}-1\right|} {\sqrt{a^2+\frac{9}{4a^2}}} $$
である。ここで $a>0$ に対して
$$ a+\frac{9}{2a}\geq 2\sqrt{\frac{9}{2}}=3\sqrt2>1 $$
であるから、絶対値の中は正である。よって
$$ \frac{S_1}{S_2} = a+\frac{9}{2a}-1 $$
である。
したがって
$$ [\ヌ]=a+\frac{9}{2a}-1 $$
である。
最後に、$a>0$ の範囲で
$$ f(a)=a+\frac{9}{2a}-1 $$
の最小値を求める。相加相乗平均より
$$ a+\frac{9}{2a}\geq 2\sqrt{a\cdot \frac{9}{2a}} =3\sqrt2 $$
であり、等号成立は
$$ a=\frac{9}{2a} $$
すなわち
$$ a^2=\frac{9}{2} $$
のときである。$a>0$ より
$$ a=\frac{3}{\sqrt2} $$
である。
したがって、$\dfrac{S_1}{S_2}$ は
$$ a=\frac{3}{\sqrt2} $$
のとき最小値
$$ 3\sqrt2-1 $$
をとる。
よって
$$ [\ネ]=\frac{3}{\sqrt2},\qquad [\ノ]=3\sqrt2-1 $$
である。
解説
この問題の要点は、点 $P$ から楕円に引いた2本の接線の接点 $Q,R$ が、接点条件
$$ a x_1+\frac{3y_1}{2a}=1 $$
を満たすことに気づく点である。これはいわゆる接触弦の方程式であり、楕円の接線公式から直接導ける。
また、$PQ=PR$ の条件を座標で直接計算しようとすると煩雑になる。$M$ が $QR$ の中点であることを利用し、
$$ PQ=PR \iff PM\perp QR $$
と見ると、傾きの計算だけで処理できる。
面積比についても、2つの三角形が共通の底辺 $QR$ をもつため、高さの比に帰着するのが自然である。直線と点の距離を用いれば、計算は大きく単純化される。
答え
$$ [\チ]=a,\qquad [\ツ]=\frac{3}{2a} $$
$$ [\テ]=\frac{2a}{2a^2+9},\qquad [\ト]=\frac{6a}{2a^2+9},\qquad [\ナ]=3 $$
$$ [\ニ]=\frac{1}{\sqrt2} $$
$$ [\ヌ]=a+\frac{9}{2a}-1 $$
$$ [\ネ]=\frac{3}{\sqrt2},\qquad [\ノ]=3\sqrt2-1 $$
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