数学C 極方程式 問題 8 解説

方針・初手
極方程式では $r\cos\theta=x,\ r\sin\theta=y,\ r=\sqrt{x^2+y^2}$ を用いて直交座標に直す。得られる曲線は楕円であるから、接線は楕円の方程式を微分して求める。面積は第1象限の上側の枝を $y$ の関数として表し、定積分で計算する。
解法1
(1)
極方程式
$$ r=\frac{3}{2+\sin\theta} $$
より、
$$ r(2+\sin\theta)=3 $$
である。ここで $r\sin\theta=y$ を用いると、
$$ 2r+y=3 $$
となる。さらに $r=\sqrt{x^2+y^2}$ より、
$$ 2\sqrt{x^2+y^2}+y=3 $$
である。
これを変形して
$$ 2\sqrt{x^2+y^2}=3-y $$
とし、両辺を平方すると、
$$ 4(x^2+y^2)=(3-y)^2 $$
である。整理して
$$ 4x^2+4y^2=9-6y+y^2 $$
より、
$$ 4x^2+3y^2+6y-9=0 $$
となる。平方完成すると、
$$ 4x^2+3(y+1)^2=12 $$
すなわち
$$ \frac{x^2}{3}+\frac{(y+1)^2}{4}=1 $$
である。
なお、この楕円では $-3\leqq y\leqq 1$ であるから $3-y>0$ であり、平方による余分な点は生じない。
したがって、曲線 $C$ は中心 $(0,-1)$、横方向の半径 $\sqrt3$、縦方向の半径 $2$ の楕円である。頂点は
$$ (0,1),\quad (0,-3),\quad (\sqrt3,-1),\quad (-\sqrt3,-1) $$
であり、$x$ 軸との交点は
$$ \left(\frac32,0\right),\quad \left(-\frac32,0\right) $$
である。
(2)
$x$ 軸の正の部分と曲線 $C$ が交わる点は、$y=0$ かつ $x>0$ の点である。楕円の方程式に $y=0$ を代入すると、
$$ \frac{x^2}{3}+\frac14=1 $$
より、
$$ \frac{x^2}{3}=\frac34 $$
である。したがって
$$ x=\frac32 $$
であり、
$$ P=\left(\frac32,0\right) $$
である。
楕円の方程式
$$ 4x^2+3(y+1)^2=12 $$
を $x$ で微分すると、
$$ 8x+6(y+1)\frac{dy}{dx}=0 $$
である。よって
$$ \frac{dy}{dx}=-\frac{4x}{3(y+1)} $$
となる。
点 $P\left(\frac32,0\right)$ における傾きは
$$ -\frac{4\cdot \frac32}{3(0+1)}=-2 $$
である。したがって接線の方程式は
$$ y=-2\left(x-\frac32\right) $$
すなわち
$$ y=-2x+3 $$
である。
(3)
第1象限の部分では楕円の上側の枝を用いる。楕円の方程式
$$ \frac{x^2}{3}+\frac{(y+1)^2}{4}=1 $$
より、
$$ (y+1)^2=4\left(1-\frac{x^2}{3}\right) $$
である。第1象限では $y\geqq 0$ であるから、
$$ y=-1+2\sqrt{1-\frac{x^2}{3}} $$
である。
第1象限で曲線 $C$ は $(0,1)$ から $\left(\frac32,0\right)$ までを通る。したがって求める面積を $S$ とすると、
$$ S=\int_0^{3/2}\left(-1+2\sqrt{1-\frac{x^2}{3}}\right),dx $$
である。
ここで
$$ x=\sqrt3\sin\phi $$
とおくと、
$$ dx=\sqrt3\cos\phi,d\phi $$
である。また、$x=0$ のとき $\phi=0$、$x=\frac32$ のとき
$$ \sin\phi=\frac{\sqrt3}{2} $$
より $\phi=\frac{\pi}{3}$ である。
よって
$$ \begin{aligned} S &=-\frac32+2\sqrt3\int_0^{\pi/3}\cos^2\phi,d\phi\\ &=-\frac32+2\sqrt3\left[\frac{\phi}{2}+\frac{\sin2\phi}{4}\right]_0^{\pi/3}\\ &=-\frac32+2\sqrt3\left(\frac{\pi}{6}+\frac{\sqrt3}{8}\right)\\ &=-\frac32+\frac{\sqrt3\pi}{3}+\frac34\\ &=\frac{\sqrt3\pi}{3}-\frac34 \end{aligned} $$
となる。
解説
極方程式を直交座標に直すときは、$r\sin\theta=y$ だけでなく $r=\sqrt{x^2+y^2}$ を使う点が重要である。今回は
$$ 2r+y=3 $$
という形になり、そこから楕円の標準形に直せる。
平方して楕円を得る過程では、一般には余分な点が混入する可能性がある。しかし、得られた楕円では $y\leqq 1$ であるから $3-y>0$ となり、元の式 $2\sqrt{x^2+y^2}=3-y$ に戻れる。
面積では、楕円全体の面積を使うのではなく、第1象限で $x$ 軸・$y$ 軸・曲線に囲まれる部分だけを扱う。したがって、上側の枝
$$ y=-1+2\sqrt{1-\frac{x^2}{3}} $$
を $x=0$ から $x=\frac32$ まで積分するのが自然である。
答え
(1)
$$ \frac{x^2}{3}+\frac{(y+1)^2}{4}=1 $$
曲線 $C$ は中心 $(0,-1)$、横方向の半径 $\sqrt3$、縦方向の半径 $2$ の楕円である。
(2)
$$ P=\left(\frac32,0\right) $$
点 $P$ における接線の方程式は
$$ y=-2x+3 $$
である。
(3)
求める面積は
$$ \frac{\sqrt3\pi}{3}-\frac34 $$
である。
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