トップ 北海道大学 1964年 文系 第5問

北海道大学 1964年 文系 第5問 解説

数学C/式と曲線数学2/図形と式数学1/方程式不等式テーマ/軌跡・領域テーマ/整式の証明
北海道大学 1964年 文系 第5問 解説

方針・初手

(1) 与えられた不等式に $m=0$ と $m=1$ をそれぞれ代入し、2つの不等式を導出する。得られた2つの領域の共通部分を求める問題として処理する。境界線の方程式を求め、それらの交点や漸近線との関係を調べることで、領域の形状を正確に把握する。

(2) 「$m$ のどんな値に対しても」という条件から、不等式を $m$ についての恒等式・絶対不等式の問題と捉える。不等式を $m$ について整理し、任意の $m$ に対して一次不等式 $Am + B \leqq 0$ が成り立つための条件 $A=0$ かつ $B \leqq 0$ を用いる。

解法1

(1)

不等式 (A) に $m=0$ を代入すると、 $$x^2 - y^2 \leqq 1$$

これを満たす領域は、双曲線 $x^2 - y^2 = 1$ を境界とし、原点 $(0, 0)$ を含む側の領域である。

不等式 (A) に $m=1$ を代入すると、 $$x^2 - y^2 + 1 \leqq 1 + x + y$$

整理して因数分解すると、 $$x^2 - y^2 - x - y \leqq 0$$

$$(x+y)(x-y) - (x+y) \leqq 0$$

$$(x+y)(x-y-1) \leqq 0$$

これを満たす領域は、2直線 $y = -x$ と $y = x - 1$ を境界とし、以下のいずれかの連立不等式を満たす領域である。 $$\begin{cases} x + y \geqq 0 \\ x - y - 1 \leqq 0 \end{cases} \quad \text{または} \quad \begin{cases} x + y \leqq 0 \\ x - y - 1 \geqq 0 \end{cases}$$

求める領域は、上記の2つの領域の共通部分である。 ここで、境界線の交点を調べる。 双曲線 $x^2 - y^2 = 1$ と直線 $y = x - 1$ の交点は、連立して解くと $$x^2 - (x - 1)^2 = 1$$

$$2x - 1 = 1$$

$$x = 1$$

このとき $y = 0$ となり、交点は $(1, 0)$ である。これは双曲線の頂点の1つに一致する。 また、双曲線 $x^2 - y^2 = 1$ と直線 $y = -x$ は、代入すると $0 = 1$ となり交点を持たない。これは $y = -x$ が双曲線の漸近線であることを示している。

以上より、求める領域は以下のように図示される(図は文章で説明する)。 $xy$ 平面において、双曲線 $x^2 - y^2 = 1$ の左側の頂点 $(-1, 0)$ の右側から右側の頂点 $(1, 0)$ の左側までの領域と、2直線 $y = -x$ および $y = x - 1$ がなす角のうち原点を含む側(上下の領域)が重なる部分である。境界線はすべて含む。

(2)

不等式 (A) を $m$ について整理する。 $$x^2 - y^2 + m \leqq 1 + m(x + y)$$

$$(1 - x - y)m + x^2 - y^2 - 1 \leqq 0$$

この不等式がすべての実数 $m$ に対して成り立つための条件は、 $$\begin{cases} 1 - x - y = 0 \\ x^2 - y^2 - 1 \leqq 0 \end{cases}$$ である。

第1式より、 $$y = 1 - x$$

これを第2式に代入して整理すると、 $$x^2 - (1 - x)^2 - 1 \leqq 0$$

$$x^2 - (x^2 - 2x + 1) - 1 \leqq 0$$

$$2x - 2 \leqq 0$$

$$x \leqq 1$$

したがって、$x, y$ の関係は直線 $x + y = 1$ のうち $x \leqq 1$ を満たす部分である。 これを図示すると、点 $(1, 0)$ を端点とし、点 $(0, 1)$ を通って左上へ伸びる半直線となる。境界の端点 $(1, 0)$ を含む。

解説

(1) は領域の図示問題であり、境界線の方程式を正確に捉え、それらの交点や接点、漸近線との関係を調べることが重要である。特に双曲線と直線の交点が双曲線の頂点に一致することや、もう1つの直線が漸近線になっていることに気づくことで、正確な図が描ける。

(2) は「任意の $m$ に対して成り立つ」という条件をどう処理するかが鍵となる。変数が複数あっても、$m$ についての恒等式・絶対不等式として見なす(定数分離に似た発想)ことで、見慣れた連立方程式・不等式に帰着させることができる典型的な処理である。

答え

(1) 点 $(x, y)$ の存在する範囲は、双曲線 $x^2 - y^2 = 1$ の原点を含む側の領域と、2直線 $y = -x$ と $y = x - 1$ によって分けられる領域のうち原点を含む側との共通部分である(境界線を含む)。

(2) $x, y$ の関係:$x + y = 1$ かつ $x \leqq 1$ 図示:点 $(1, 0)$ を端点とし、点 $(0, 1)$ を通る半直線(端点を含む)。

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。