北海道大学 1978年 文系 第2問 解説

方針・初手
- (1) は、条件をすべて $x$ についての不等式とみなし、$x$ が存在するための $y$ の条件へと帰着させる($x$ の消去)。
- (2) は、等式 $5y-x+2=0$ を用いて $x$ を消去し、$y$ についての不等式に帰着させる。そこから整数 $y$ の候補を絞り込む。
解法1
(1)
条件 $A$ および $5y-x+2 \geqq 0$ を整理すると、以下の連立不等式になる。
$$ \begin{cases} x \geqq 0 \\ x^2 \geqq 29y^2 \\ x \leqq 5y+2 \end{cases} $$
第1式と第2式より、$x \geqq \sqrt{29y^2}$ すなわち $x \geqq \sqrt{29}|y|$ である。 これと第3式を同時に満たす実数 $x$ が存在するための条件は、以下の不等式が成り立つことである。
$$ \sqrt{29}|y| \leqq 5y+2 $$
左辺は $0$ 以上であるから、右辺も $0$ 以上でなければならない。よって、
$$ 5y+2 \geqq 0 \iff y \geqq -\frac{2}{5} $$
この条件のもとで、$\sqrt{29}|y| \leqq 5y+2$ の両辺を $2$ 乗しても同値関係は崩れない。
$$ 29y^2 \leqq (5y+2)^2 $$
展開して整理する。
$$ 29y^2 \leqq 25y^2 + 20y + 4 $$
$$ 4y^2 - 20y - 4 \leqq 0 $$
$$ y^2 - 5y - 1 \leqq 0 $$
この2次不等式を解くと、方程式 $y^2-5y-1=0$ の解が $y = \frac{5 \pm \sqrt{29}}{2}$ であることから、
$$ \frac{5-\sqrt{29}}{2} \leqq y \leqq \frac{5+\sqrt{29}}{2} $$
となる。ここで、$5 < \sqrt{29} < 6$ より、$\frac{5-\sqrt{29}}{2} > \frac{5-6}{2} = -0.5$ であるが、正確に条件を満たすことを次のように確認する。
$$ \frac{5-\sqrt{29}}{2} - \left(-\frac{2}{5}\right) = \frac{25-5\sqrt{29}+4}{10} = \frac{29-5\sqrt{29}}{10} = \frac{\sqrt{841}-\sqrt{725}}{10} > 0 $$
よって $\frac{5-\sqrt{29}}{2} > -\frac{2}{5}$ は成立しており、$y \geqq -\frac{2}{5}$ の条件を満たしている。 したがって、求める $y$ の範囲は $\frac{5-\sqrt{29}}{2} \leqq y \leqq \frac{5+\sqrt{29}}{2}$ である。
(2)
条件 $A$ および $5y-x+2=0$ を同時に満たす。 等式より $x = 5y+2$ である。これを条件 $A$ の不等式に代入する。
$$ 5y+2 \geqq 0 \iff y \geqq -\frac{2}{5} $$
$$ (5y+2)^2 - 29y^2 \geqq 0 $$
(1) の計算と同様に整理すると、
$$ y^2 - 5y - 1 \leqq 0 $$
これを解いて、
$$ \frac{5-\sqrt{29}}{2} \leqq y \leqq \frac{5+\sqrt{29}}{2} $$
$y$ は整数であるから、この範囲に含まれる整数 $y$ を求める。 $5 < \sqrt{29} < 6$ であるから、
$$ -1 < 5-\sqrt{29} < 0 \implies -0.5 < \frac{5-\sqrt{29}}{2} < 0 $$
$$ 11 < 5+\sqrt{29} < 12 \implies 5.5 < \frac{5+\sqrt{29}}{2} < 6 $$
これらより、上の不等式を満たす整数 $y$ は以下のようになる。
$$ y = 0, 1, 2, 3, 4, 5 $$
$x = 5y+2$ であるから、それぞれの $y$ に対して $x$ も整数として一意に定まり、$x \geqq 0$ (すなわち $y \geqq -\frac{2}{5}$)を満たす。
(i) $y = 0$ のとき $x = 2$
(ii) $y = 1$ のとき $x = 7$
(iii) $y = 2$ のとき $x = 12$
(iv) $y = 3$ のとき $x = 17$
(v) $y = 4$ のとき $x = 22$
(vi) $y = 5$ のとき $x = 27$
以上より、条件を満たす整数の組 $(x, y)$ がすべて求まる。
解説
- 連立不等式における変数の消去の問題である。「$x$ が存在するような $y$ の範囲」を求めるため、$x$ についての不等式から $y$ についての不等式を導出する。
- 不等式の両辺を2乗する際、両辺がともに $0$ 以上であることの確認($5y+2 \geqq 0$)を忘れないようにすることが重要である。
- (2) では (1) の計算結果がほぼそのまま利用できる。平方根の近似値を正しく評価し、条件を満たす整数を漏れなく拾い上げるという典型的な処理である。
答え
(1)
$$ \frac{5-\sqrt{29}}{2} \leqq y \leqq \frac{5+\sqrt{29}}{2} $$
(2)
$$ (x, y) = (2, 0), (7, 1), (12, 2), (17, 3), (22, 4), (27, 5) $$
自分の記録
誤りを報告
解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。











