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東北大学 2009年 理系 第2問 解説

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東北大学 2009年 理系 第2問 解説

方針・初手

長方形 $A,B$ はどちらも、もとの紙を $L$ 枚貼り合わせてできる長方形である。したがって、まず「重なっている部分が何回あり、その分だけ長さがどれだけ減るか」を考えて、それぞれの縦横を求めればよい。

そのうえで、$S_1-1<S_2$ を式に直して整理する。

解法1

(1)

$S_1,\ S_2$ を求める。

長方形 $A$ では、縦は常に $1\mathrm{cm}$ である。

横は、$L$ 枚の紙をそのまま並べると $(L+1)L$ cm であるが、隣り合う紙どうしが横 $1\mathrm{cm}$ ずつ重なる。重なりは全部で $L-1$ か所あるから、横の長さは

$$ L(L+1)-(L-1)=L^2+1 $$

となる。

よって、

$$ S_1=1\cdot (L^2+1)=L^2+1 $$

である。

次に長方形 $B$ を考える。

横は常に $(L+1)\mathrm{cm}$ である。

縦は、$L$ 枚の紙をそのまま縦に並べると $L\mathrm{cm}$ であるが、隣り合う紙どうしが縦に $a\mathrm{cm}$ ずつ重なる。重なりは全部で $L-1$ か所あるから、縦の長さは

$$ L-(L-1)a $$

となる。

したがって、

$$ S_2=(L+1){L-(L-1)a} $$

である。


(2)

$L=2$ のとき、$S_1-1<S_2$ となる $a$ の範囲を求める。

$L=2$ を (1) の結果に代入すると、

$$ S_1=2^2+1=5,\qquad S_2=(2+1){2-(2-1)a}=3(2-a)=6-3a $$

である。

条件 $S_1-1<S_2$ は

$$ 5-1<6-3a $$

すなわち

$$ 4<6-3a $$

であるから、

$$ -2<-3a $$

$$ a<\frac23 $$

を得る。

もともと $0<a<1$ であるから、求める範囲は

$$ 0<a<\frac23 $$

である。


(3)

$S_1-1<S_2$ となる $2$ 以上の自然数 $L$ があるような $a$ の範囲を求める。

(1) の結果を用いると、

$$ S_1-1=(L^2+1)-1=L^2 $$

であるから、条件 $S_1-1<S_2$ は

$$ L^2<(L+1){L-(L-1)a} $$

である。

右辺を展開すると

$$ (L+1){L-(L-1)a}=L(L+1)-(L+1)(L-1)a =L(L+1)-(L^2-1)a $$

だから、

$$ L^2<L(L+1)-(L^2-1)a $$

$$ 0<L-(L^2-1)a $$

$$ (L^2-1)a<L $$

$$ a<\frac{L}{L^2-1} $$

となる。

したがって、「$2$ 以上の自然数 $L$ があって $S_1-1<S_2$ となる」ことは、

$$ a<\frac{L}{L^2-1} $$

を満たす $L\ge 2$ が存在することと同値である。

ここで、$L\ge 2$ のとき

$$ \frac{L}{L^2-1}\le \frac23 $$

が成り立つことを示す。

実際、

$$ \frac{L}{L^2-1}\le \frac23 \iff 3L\le 2(L^2-1) \iff 2L^2-3L-2\ge 0 \iff (2L+1)(L-2)\ge 0 $$

であり、$L\ge 2$ では確かに成り立つ。

よって、$\dfrac{L}{L^2-1}$ の最大値は $L=2$ のときの $\dfrac23$ である。

したがって、

ゆえに求める範囲は

$$ 0<a<\frac23 $$

である。

解説

この問題の本質は、貼り合わせたときに「重なった分だけ長さが減る」という処理である。

長方形 $A$ では横方向に $1\mathrm{cm}$ ずつ $L-1$ 回重なり、長方形 $B$ では縦方向に $a\mathrm{cm}$ ずつ $L-1$ 回重なる。したがって、面積はどちらも「もとの合計から重なり分を引く」だけで求められる。

(3) では、条件を

$$ a<\frac{L}{L^2-1} $$

の形に直すことが重要である。あとはこの右辺が $L=2$ のとき最大であることを示せば、「ある $L$ が存在する条件」がただちに決まる。

答え

$$ S_1=L^2+1,\qquad S_2=(L+1){L-(L-1)a} $$

$$ **(2)** \quad 0<a<\frac23 $$

$$ **(3)** \quad 0<a<\frac23 $$

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