北海道大学 2008年 文系 第4問 解説

方針・初手
「〜が〜である確率」を求める際、「少なくとも〜」や「最大値・最小値」が絡む条件では、余事象を利用すると計算が楽になることが多い。 (1)は「最小値が1」の余事象である「最小値が2以上」を考える。 (2)は「最小値が1かつ最大値が6」を求めるために、「最小値が2以上」と「最大値が5以下」の事象を設定し、包除原理(ド・モルガンの法則)を利用する。
解法1
(1)
さいころを4回投げるとき、目の出方は全部で $6^4$ 通りあり、これらは同様に確からしい。
求める確率は「最小値が1である」確率である。 この余事象は「出る目の最小値が2以上である」こと、すなわち「4回とも2から6の目が出る」ことである。
4回とも2から6の目が出る確率は、
$$ \left(\frac{5}{6}\right)^4 = \frac{625}{1296} $$
である。 したがって、求める確率は余事象の確率を引いて、
$$ 1 - \frac{625}{1296} = \frac{671}{1296} $$
となる。
(2)
事象 $A$ を「出る目の最小値が2以上である」、事象 $B$ を「出る目の最大値が5以下である」とする。 求める確率は、最小値が1かつ最大値が6である確率なので、$P(\overline{A} \cap \overline{B})$ である。
ド・モルガンの法則より、$\overline{A} \cap \overline{B} = \overline{A \cup B}$ であるから、
$$ P(\overline{A} \cap \overline{B}) = 1 - P(A \cup B) $$
となる。ここで、$P(A \cup B) = P(A) + P(B) - P(A \cap B)$ である。
事象 $A$ の確率 $P(A)$ は、4回とも2から6の目が出る確率なので、
$$ P(A) = \left(\frac{5}{6}\right)^4 = \frac{625}{1296} $$
事象 $B$ の確率 $P(B)$ は、4回とも1から5の目が出る確率なので、
$$ P(B) = \left(\frac{5}{6}\right)^4 = \frac{625}{1296} $$
事象 $A \cap B$ は「最小値が2以上かつ最大値が5以下」、すなわち「4回とも2から5の目が出る」事象である。この確率は、
$$ P(A \cap B) = \left(\frac{4}{6}\right)^4 = \frac{256}{1296} $$
これらより、事象 $A \cup B$ の確率は、
$$ P(A \cup B) = \frac{625}{1296} + \frac{625}{1296} - \frac{256}{1296} = \frac{994}{1296} $$
したがって、求める確率は、
$$ 1 - P(A \cup B) = 1 - \frac{994}{1296} = \frac{302}{1296} = \frac{151}{648} $$
となる。
解法2
(2)の別解
さいころを4回投げるときのすべての目の出方 $6^4 = 1296$ 通りのうち、「1が少なくとも1回、かつ6が少なくとも1回出る」場合の数を直接数え上げる。 1と6が出る回数と、2から5の目(これを $x$ とする)が出る回数で場合分けを行う。
(i) 1と6が1回ずつ、$x$ が2回出る場合
1と6の出る位置の選び方は ${}_4\mathrm{P}_2 = 12$ 通り。 残り2回の $x$ の目の出方は $4^2 = 16$ 通り。 よって、$12 \times 16 = 192$ 通り。
(ii) 1が2回、6が1回、$x$ が1回出る場合
1が2回、6が1回、$x$ が1回出る並べ方は $\frac{4!}{2!1!1!} = 12$ 通り。 $x$ の目の出方は $4$ 通り。 よって、$12 \times 4 = 48$ 通り。
(iii) 1が1回、6が2回、$x$ が1回出る場合
(ii) と同様にして、並べ方は $12$ 通り、$x$ の目の出方は $4$ 通り。 よって、$12 \times 4 = 48$ 通り。
(iv) 1が3回、6が1回出る場合
並べ方は $\frac{4!}{3!1!} = 4$ 通り。
(v) 1が2回、6が2回出る場合
並べ方は $\frac{4!}{2!2!} = 6$ 通り。
(vi) 1が1回、6が3回出る場合
並べ方は $\frac{4!}{1!3!} = 4$ 通り。
(i) から (vi) は互いに排反であるから、条件を満たす場合の数は、
$$ 192 + 48 + 48 + 4 + 6 + 4 = 302 $$
通りとなる。 したがって、求める確率は、
$$ \frac{302}{1296} = \frac{151}{648} $$
となる。
解説
「最大値・最小値」に関する確率問題の典型的な解法を問う問題である。 (1)のように片方の条件のみであれば、単純な余事象の利用で容易に解決する。 (2)のように「最小値が $a$ で、かつ最大値が $b$」といった複合条件の場合は、ベン図をイメージし、包除原理を活用するのが定石である。解法2のように直接場合分けして数え上げることも可能だが、試行回数が増えると計算量が膨大になるため、解法1のアプローチを確実に身につけておきたい。
答え
(1) $\frac{671}{1296}$
(2) $\frac{151}{648}$
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