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北海道大学 2008年 文系 第3問 解説

数学B/数列数学2/式と証明テーマ/漸化式
北海道大学 2008年 文系 第3問 解説

方針・初手

隣接3項間漸化式 $a_{n+2} = p a_{n+1} + q a_n$ 型の解法の手順を誘導に従って進める問題である。 (1) は等差数列の漸化式に帰着する特別なケースである。 (2) は漸化式を変形する際の係数 $\alpha, \beta$ の満たすべき条件を求める。与えられた変形式を展開し、もとの漸化式と比較して条件を導出する。 (3) は (2) で得られた $\alpha, \beta$ に関する基本対称式の関係(和と積)から2次方程式を作成し、判別式を用いて条件を求める。

解法1

(1)

$k=2$ のとき、与えられた漸化式は次のようになる。

$$ a_{n+2} = 2a_{n+1} - a_n $$

これを変形すると、以下の式を得る。

$$ a_{n+2} - a_{n+1} = a_{n+1} - a_n $$

これは、数列 $\{a_{n+1} - a_n\}$ がすべての $n$ に対して一定であることを示している。この定数は $n=1$ の場合を計算することで求められる。

$$ a_2 - a_1 = 1 - 0 = 1 $$

したがって、すべての $n$ について以下が成り立つ。

$$ a_{n+1} - a_n = 1 $$

これは数列 $\{a_n\}$ が初項 $a_1 = 0$、公差 $1$ の等差数列であることを意味する。ゆえに、一般項は次のように求められる。

$$ a_n = 0 + (n - 1) \cdot 1 = n - 1 $$

(2)

与えられた式 $a_{n+2} - \beta a_{n+1} = \alpha(a_{n+1} - \beta a_n)$ を展開して整理する。

$$ a_{n+2} = (\alpha + \beta) a_{n+1} - \alpha \beta a_n $$

問題の条件より、すべての $n$ について漸化式 $a_{n+2} = k a_{n+1} - a_n$ が成り立つ。この式と上の式を辺々引くと、次式が得られる。

$$ 0 = (\alpha + \beta - k) a_{n+1} - (\alpha \beta - 1) a_n $$

この等式はすべての自然数 $n$ に対して成り立つ。特に $n=1$ のとき、代入すると以下のようになる。

$$ 0 = (\alpha + \beta - k) a_2 - (\alpha \beta - 1) a_1 $$

ここで $a_1 = 0, a_2 = 1$ を代入する。

$$ 0 = (\alpha + \beta - k) \cdot 1 - (\alpha \beta - 1) \cdot 0 $$

これより、次の関係が導かれる。

$$ \alpha + \beta = k $$

この結果を上の等式に代入すると、すべての $n$ について $(\alpha \beta - 1) a_n = 0$ が成り立たなければならないことがわかる。$a_2 = 1 \neq 0$ であるため、次が成り立つ。

$$ \alpha \beta = 1 $$

以上より、すべての $n$ について式を満たす $\alpha, \beta$ に対して、$\alpha + \beta = k$ かつ $\alpha \beta = 1$ が成り立つことが示された。

(3)

(2) の結果より、$\alpha, \beta$ は和が $k$、積が $1$ となる実数である。解と係数の関係の逆より、$\alpha, \beta$ は以下の $t$ についての2次方程式の2つの解である。

$$ t^2 - kt + 1 = 0 $$

異なる実数 $\alpha$ と $\beta$ が存在するための条件は、この2次方程式が異なる2つの実数解をもつことである。判別式を $D$ とすると、$D > 0$ であればよい。

$$ D = (-k)^2 - 4 \cdot 1 \cdot 1 = k^2 - 4 > 0 $$

この不等式を解く。

$$ (k - 2)(k + 2) > 0 $$

$$ k < -2, \quad 2 < k $$

これが求める $k$ の条件である。

このとき、$\alpha, \beta$ の値は2次方程式 $t^2 - kt + 1 = 0$ を解の公式を用いて解くことで得られる。

$$ t = \frac{k \pm \sqrt{k^2 - 4}}{2} $$

$\alpha$ と $\beta$ はこの2つの値をとる。$\alpha, \beta$ の大小は指定されていないため、それらの値の組として表す。

$$ (\alpha, \beta) = \left( \frac{k + \sqrt{k^2 - 4}}{2}, \frac{k - \sqrt{k^2 - 4}}{2} \right), \left( \frac{k - \sqrt{k^2 - 4}}{2}, \frac{k + \sqrt{k^2 - 4}}{2} \right) $$

解説

隣接3項間漸化式の解法の背景となる特性方程式の理論を、誘導形式で確認する標準的な問題である。 (1) では特性方程式が重解 $1$ をもつケースであり、階差数列(あるいは等差数列)を利用して解く手順の確認となる。 (2) は「すべての $n$ について成り立つ」という条件の扱い方が問われる。安易に係数比較だけですませず、$n=1, 2$ の具体的な値を代入して必要条件として $\alpha+\beta=k, \alpha\beta=1$ を導き、それが十分条件にもなっているという論理構造を答案に反映できるとよい。 (3) は「和と積がわかれば2次方程式を作る」という定石通りである。

答え

(1)

$$ a_n = n - 1 $$

(2)

$\alpha+\beta=k,\quad \alpha\beta=1$

(3)

$k$ の条件: $k < -2, \quad 2 < k$

$\alpha$ と $\beta$ の値:

$$ (\alpha, \beta) = \left( \frac{k + \sqrt{k^2 - 4}}{2}, \frac{k - \sqrt{k^2 - 4}}{2} \right), \left( \frac{k - \sqrt{k^2 - 4}}{2}, \frac{k + \sqrt{k^2 - 4}}{2} \right) $$

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