北海道大学 1962年 理系 第5問 解説

方針・初手
数列の和 $S_n$ から一般項 $a_n$ を求める基本公式 $a_1 = S_1$ および $n \ge 2$ における $a_n = S_n - S_{n-1}$ を用いる。 (2) は求められた $a_n$ を代入すると、部分分数分解を利用して和が相殺される形(望遠鏡和)になる。 (3) は偶数番目の項の和を計算し、分子が $n$ の何次式になるかを把握したうえで、極限が有限確定値となるような分母の次数 $t$ を決定する。
解法1
(1)
$S_n = (-1)^n(2n^2 + 4n + 1) - 1$ と与えられている。 $n = 1$ のとき、
$$ a_1 = S_1 = (-1)^1(2 \cdot 1^2 + 4 \cdot 1 + 1) - 1 = -7 - 1 = -8 $$
$n \ge 2$ のとき、$a_n = S_n - S_{n-1}$ より、
$$ \begin{aligned} a_n &= \left\{ (-1)^n(2n^2 + 4n + 1) - 1 \right\} - \left\{ (-1)^{n-1}(2(n-1)^2 + 4(n-1) + 1) - 1 \right\} \\ &= (-1)^n(2n^2 + 4n + 1) + (-1)^n(2n^2 - 4n + 2 + 4n - 4 + 1) \\ &= (-1)^n(2n^2 + 4n + 1 + 2n^2 - 1) \\ &= (-1)^n(4n^2 + 4n) \\ &= (-1)^n 4n(n+1) \end{aligned} $$
この式に $n = 1$ を代入すると、
$$ (-1)^1 \cdot 4 \cdot 1 \cdot 2 = -8 $$
となり、$a_1$ の値と一致する。したがって、すべての自然数 $n$ について以下が成り立つ。
$$ a_n = (-1)^n 4n(n+1) $$
(2)
(1) の結果より、
$$ \frac{(-1)^k}{a_k} = \frac{(-1)^k}{(-1)^k 4k(k+1)} = \frac{1}{4k(k+1)} $$
これを用いてシグマ計算を行うと、部分分数分解により以下のようになる。
$$ \begin{aligned} \sum_{k=1}^n \frac{(-1)^k}{a_k} &= \sum_{k=1}^n \frac{1}{4k(k+1)} \\ &= \frac{1}{4} \sum_{k=1}^n \left( \frac{1}{k} - \frac{1}{k+1} \right) \\ &= \frac{1}{4} \left\{ \left( \frac{1}{1} - \frac{1}{2} \right) + \left( \frac{1}{2} - \frac{1}{3} \right) + \cdots + \left( \frac{1}{n} - \frac{1}{n+1} \right) \right\} \\ &= \frac{1}{4} \left( 1 - \frac{1}{n+1} \right) \end{aligned} $$
したがって、求める極限は、
$$ \lim_{n \to \infty} \left( \sum_{k=1}^n \frac{(-1)^k}{a_k} \right) = \lim_{n \to \infty} \frac{1}{4} \left( 1 - \frac{1}{n+1} \right) = \frac{1}{4} $$
(3)
まず、$a_{2p}$ を求める。
$$ \begin{aligned} a_{2p} &= (-1)^{2p} 4 \cdot 2p(2p+1) \\ &= 1 \cdot 8p(2p+1) \\ &= 16p^2 + 8p \end{aligned} $$
次に、この和を計算する。
$$ \begin{aligned} \sum_{p=1}^n a_{2p} &= \sum_{p=1}^n (16p^2 + 8p) \\ &= 16 \cdot \frac{1}{6}n(n+1)(2n+1) + 8 \cdot \frac{1}{2}n(n+1) \\ &= \frac{8}{3}n(n+1)(2n+1) + 4n(n+1) \\ &= \frac{4}{3}n(n+1) \{ 2(2n+1) + 3 \} \\ &= \frac{4}{3}n(n+1)(4n+5) \end{aligned} $$
ここで、与えられた極限の式を考える。
$$ \lim_{n \to \infty} \frac{\sum_{p=1}^n a_{2p}}{n^t} = \lim_{n \to \infty} \frac{\frac{4}{3}n(n+1)(4n+5)}{n^t} $$
分子の $\frac{4}{3}n(n+1)(4n+5)$ は $n$ についての $3$ 次式であり、展開した際の最高次($n^3$)の係数は $\frac{16}{3}$ である。 極限が零でない有限な値 $l$ に収束するためには、分母の次数 $t$ が分子の次数と等しくなければならない。 したがって、
$$ t = 3 $$
このとき、極限値 $l$ は以下のようになる。
$$ \begin{aligned} l &= \lim_{n \to \infty} \frac{\frac{4}{3}n(n+1)(4n+5)}{n^3} \\ &= \lim_{n \to \infty} \frac{4}{3} \left( 1 + \frac{1}{n} \right) \left( 4 + \frac{5}{n} \right) \\ &= \frac{4}{3} \cdot 1 \cdot 4 \\ &= \frac{16}{3} \end{aligned} $$
解説
数列の和と一般項の関係 $a_n = S_n - S_{n-1} \ (n \ge 2)$ を用いる典型的な問題である。この公式を用いる際は、必ず $n=1$ の場合が $n \ge 2$ の式で得られる結果と一致するかどうかを確認する手順を忘れないようにしたい。 (2) は部分分数分解による和の計算であり、隣り合う項が次々と打ち消し合う形(望遠鏡和)に帰着する頻出パターンである。 (3) における分数式の極限では、「分子と分母の次数が等しいときにのみ零でない有限確定値をもつ」という極限の基本性質を利用して未知数 $t$ を特定する。
答え
(1) $a_n = (-1)^n 4n(n+1)$
(2) $\frac{1}{4}$
(3) $t = 3, l = \frac{16}{3}$
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