北海道大学 1961年 文系 第7問 解説

方針・初手
(1) は、数列の和 $S_n$ が最大になる条件を考える。二次関数として平方完成する方針もあるが、等差数列の各項 $a_n$ の符号が正から負へ切り替わるタイミングに着目し、不等式を立てて整数条件から公差を絞り込むのが簡明である。
(2) は、(1) で求めた公差を用いて $S_k$ を $k$ の式で表し、その和 $\sum_{k=1}^n S_k$ を計算したのち、分母の最高次である $n^3$ で割って極限をとる。
解法1
(1)
この等差数列の第 $n$ 項を $a_n$、公差を $d$($d$ は整数)とする。
初項が $a_1 = 50$ であるから、一般項は次のように表される。
$$ a_n = 50 + (n-1)d $$
数列の和 $S_n$ が $n=17$ で最大となるための条件は、$n \le 17$ までは各項が $0$ 以上であり、$n \ge 18$ では各項が $0$ 以下になることである。すなわち、
$$ a_{17} \ge 0 \quad \text{かつ} \quad a_{18} \le 0 $$
それぞれに $a_n$ の式を代入して $d$ について解く。
$$ 50 + 16d \ge 0 \iff 16d \ge -50 \iff d \ge -\frac{25}{8} = -3.125 $$
$$ 50 + 17d \le 0 \iff 17d \le -50 \iff d \le -\frac{50}{17} = -2.94\dots $$
これらを同時に満たす整数 $d$ は $d = -3$ のみである。
このとき $a_{17} = 2 > 0$、$a_{18} = -1 < 0$ となり、$S_{17}$ は単独で最大の項となるため条件を満たす。よって、公差は $-3$ である。
(2)
(1) より、等差数列の初項は $50$、公差は $-3$ であるから、初めから $n$ 項の和 $S_n$ は次のように計算できる。
$$ S_n = \frac{n}{2} \{ 2 \cdot 50 + (n-1) \cdot (-3) \} = \frac{n}{2} (103 - 3n) = -\frac{3}{2}n^2 + \frac{103}{2}n $$
求める極限の対象となる和 $\sum_{k=1}^n S_k$ を計算する。
$$ \begin{aligned} \sum_{k=1}^n S_k &= \sum_{k=1}^n \left( -\frac{3}{2}k^2 + \frac{103}{2}k \right) \\ &= -\frac{3}{2} \cdot \frac{1}{6}n(n+1)(2n+1) + \frac{103}{2} \cdot \frac{1}{2}n(n+1) \\ &= -\frac{1}{4}n(n+1)(2n+1) + \frac{103}{4}n(n+1) \\ &= \frac{1}{4}n(n+1) \{ -(2n+1) + 103 \} \\ &= \frac{1}{4}n(n+1)(102 - 2n) \\ &= \frac{1}{2}n(n+1)(51 - n) \end{aligned} $$
したがって、求める極限は次のように計算される。
$$ \begin{aligned} \lim_{n \to \infty} \frac{1}{n^3} \sum_{k=1}^n S_k &= \lim_{n \to \infty} \frac{n(n+1)(51-n)}{2n^3} \\ &= \lim_{n \to \infty} \frac{1}{2} \cdot \frac{n}{n} \cdot \frac{n+1}{n} \cdot \frac{51-n}{n} \\ &= \lim_{n \to \infty} \frac{1}{2} \cdot 1 \cdot \left( 1 + \frac{1}{n} \right) \left( \frac{51}{n} - 1 \right) \\ &= \frac{1}{2} \cdot 1 \cdot (1 + 0) \cdot (0 - 1) \\ &= -\frac{1}{2} \end{aligned} $$
解説
- (1) では、$S_n$ の最大値を二次関数の頂点から求める手法も可能だが、「項が正から負に切り替わる瞬間」を捉える方が不等式で簡潔に処理でき、公差が整数であるという条件も活用しやすい。
- (2) では、和の和という一見複雑な計算になるが、$S_k$ を $k$ の多項式として表すことで公式を適用できる。また、極限を求める際は分母の最高次の項 $n^3$ で割るため、和の展開をすべて行う必要はなく、因数分解された形から直接 $1/n$ の形を作り出すと計算ミスを防ぎやすい。
答え
(1) $-3$
(2) $-\frac{1}{2}$
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