北海道大学 1968年 理系 第4問 解説

方針・初手
(1) 複数の1次式の積を展開したときの $x^2$ の係数を求めるので、各因数から $x$ の項を2つ、残りの因数から $1$ を選んで掛ける組み合わせの総和を考える。対称式の公式 $\left(\sum a_k\right)^2 = \sum a_k^2 + 2\sum_{i<j} a_i a_j$ を利用して計算を工夫する。
(2) 4桁の数を作るので「千の位は0にならない」という条件に注意する。3の倍数の条件は「各位の数字の和が3の倍数になること」、5の倍数の条件は「一の位が0または5になること」である。「3または5の倍数」は、集合の要素の個数の公式 $n(A \cup B) = n(A) + n(B) - n(A \cap B)$ を用いて計算する。
解法1
(1)
与えられた式を展開したときの $x^2$ の係数は、 $n$ 個の括弧の中から $x$ の項をちょうど2つ選び、残りの $(n-2)$ 個の括弧からは $1$ を選んで掛け合わせたものの総和である。
各括弧における $x$ の係数は $1, 3, 5, \dots, 2n-1$ であるから、求める $x^2$ の係数を $C$ とおくと、
$$ C = \sum_{1 \le i < j \le n} (2i-1)(2j-1) $$
と表せる。
ここで、恒等式
$$ \left( \sum_{k=1}^n a_k \right)^2 = \sum_{k=1}^n a_k^2 + 2 \sum_{1 \le i < j \le n} a_i a_j $$
を用いる。$a_k = 2k-1$ とすると、
$$ \sum_{k=1}^n (2k-1) = n^2 $$
$$ \begin{aligned} \sum_{k=1}^n (2k-1)^2 &= \sum_{k=1}^n (4k^2 - 4k + 1) \\ &= 4 \cdot \frac{1}{6}n(n+1)(2n+1) - 4 \cdot \frac{1}{2}n(n+1) + n \\ &= \frac{2}{3}n(n+1)(2n+1) - 2n(n+1) + n \\ &= \frac{n}{3} \{ 2(n+1)(2n+1) - 6(n+1) + 3 \} \\ &= \frac{n}{3} (4n^2 + 6n + 2 - 6n - 6 + 3) \\ &= \frac{n(4n^2-1)}{3} \end{aligned} $$
である。したがって、求める係数 $C$ は
$$ \begin{aligned} C &= \frac{1}{2} \left\{ \left( \sum_{k=1}^n (2k-1) \right)^2 - \sum_{k=1}^n (2k-1)^2 \right\} \\ &= \frac{1}{2} \left\{ (n^2)^2 - \frac{n(4n^2-1)}{3} \right\} \\ &= \frac{3n^4 - 4n^3 + n}{6} \end{aligned} $$
(2)
$0, 1, 2, 3, 4, 5$ の6個の数字の和は $0+1+2+3+4+5=15$ である。
(i) 3の倍数の個数
4桁の数が3の倍数になるのは、選んだ4つの数字の和が3の倍数になるときである。全体の和が $15$(3の倍数)なので、選ばない2つの数字の和も3の倍数になる必要がある。
6個の数字を3で割った余りで分類すると
余り0:$0, 3$ 余り1:$1, 4$ 余り2:$2, 5$
和が3の倍数になる2つの数字の選び方は、「余り0から2個選ぶ」か「余り1と余り2から1個ずつ選ぶ」かのいずれかである。
・余り0から2個選ぶ場合 除く2数は $\{0, 3\}$ であり、選ばれる4数は $\{1, 2, 4, 5\}$ となる。 これらで作れる4桁の数は
$$ {}_4\mathrm{P}_4 = 24 \text{ (個)} $$
・余り1と余り2から1個ずつ選ぶ場合 除く2数の組は $\{1, 2\}, \{1, 5\}, \{4, 2\}, \{4, 5\}$ の4通りある。 このとき、選ばれる4数には必ず $0$ が含まれる。 例えば $\{1, 2\}$ を除いた $\{0, 3, 4, 5\}$ の場合、千の位は $0$ 以外の3通り、残りの3桁は残り3数の順列なので $3 \times 3! = 18$ 通りある。 他の3組の場合も同様なので、
$$ 18 \times 4 = 72 \text{ (個)} $$
したがって、3の倍数は $24 + 72 = 96$ 個。
(ii) 5の倍数の個数
一の位が $0$ または $5$ であればよい。
・一の位が $0$ の場合 残りの3つの桁には、残り5個の数字から3個を選んで並べるので
$$ {}_5\mathrm{P}_3 = 5 \times 4 \times 3 = 60 \text{ (個)} $$
・一の位が $5$ の場合 千の位は $0$ と $5$ 以外の4通り。百と十の位は残り4個の数字から2個を選んで並べるので
$$ 4 \times {}_4\mathrm{P}_2 = 4 \times 4 \times 3 = 48 \text{ (個)} $$
したがって、5の倍数は $60 + 48 = 108$ 個。
(iii) 3または5のいずれかの倍数の個数
3の倍数かつ5の倍数(すなわち15の倍数)の個数を求める。 (i) で求めた3の倍数となる4つの数字の組において、一の位が $0$ または $5$ になる場合を考える。
・選んだ数字が $\{1, 2, 4, 5\}$ の場合 一の位は $5$ のみ。残りの桁の並べ方は
$$ 3! = 6 \text{ (個)} $$
・選んだ数字が $0$ と $5$ の両方を含む場合 該当する組は $\{0, 3, 4, 5\}$ と $\{0, 1, 3, 5\}$ の2組ある。 一の位が $0$ のとき、残りの桁の並べ方は $3! = 6$ 通り。 一の位が $5$ のとき、千の位は $0, 5$ 以外の2通り、残りの桁は ${}_2\mathrm{P}_2 = 2$ 通りなので $2 \times 2 = 4$ 通り。 1組につき $6+4=10$ 個あるので、全体で
$$ 10 \times 2 = 20 \text{ (個)} $$
・選んだ数字が $0$ を含み $5$ を含まない場合 該当する組は $\{0, 2, 3, 4\}$ と $\{0, 1, 2, 3\}$ の2組ある。 一の位は $0$ のみ。残りの桁の並べ方は $3! = 6$ 通り。 全体で
$$ 6 \times 2 = 12 \text{ (個)} $$
以上より、15の倍数は $6 + 20 + 12 = 38$ 個ある。 よって、3または5の倍数であるものは
$$ 96 + 108 - 38 = 166 \text{ (個)} $$
解説
(1) は、多項式の展開において特定の次数の係数を求める典型問題である。2つの項の積の総和を求める際に、和の平方の展開公式を逆用するテクニックは頻出であるため、確実に押さえておきたい。また、奇数の平方の和の計算も正確に行う必要がある。
(2) は、倍数の判定法と順列の組み合わせ問題である。「各位の数字の和が3の倍数」という条件を処理するとき、「選ぶ4つの数字」を直接考えるよりも「使わない2つの数字」に着目すると場合分けを減らすことができる。また、(iii) ではベン図をイメージし、共通部分(15の倍数)を漏れなく重複なく数え上げることがポイントとなる。
答え
(1) $\frac{3n^4-4n^3+n}{6}$
(2) 順に $96, 108, 166$
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