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京都大学 1972年 文系 第5問 解説

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京都大学 1972年 文系 第5問 解説

方針・初手

与えられた媒介変数表示の式について、和と差をとることで指数関数の形が導けることに着目する。

(i) では「座標軸を回転して考えよ」という誘導に従い、和と差を新しい座標系の変数として捉え直すことでグラフの概形を把握する。

(ii) では、与えられた点 $(p, q)$ を通るための条件を連立方程式として立て、$t$ と $c$ を $p, q$ を用いて表せるかを確認する。

解法1

(i)

与えられた方程式は、$c=1$ のとき

$$ \begin{cases} x = a^t + t \\ y = a^t - t \end{cases} $$

である。この2式の和と差をとると、

$$ \begin{cases} x + y = 2a^t \\ x - y = 2t \end{cases} $$

となる。ここで、座標平面上の原点を中心に、座標軸を時計回りに $\frac{\pi}{4}$ 回転させた新しい直交座標系 $(X, Y)$ を考える。新旧座標の変換公式により、点 $(x, y)$ の新座標 $(X, Y)$ は次のように表される。

$$ \begin{pmatrix} X \\ Y \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} \cos\left(-\frac{\pi}{4}\right) & \sin\left(-\frac{\pi}{4}\right) \\ -\sin\left(-\frac{\pi}{4}\right) & \cos\left(-\frac{\pi}{4}\right) \end{pmatrix} \begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix} = \frac{1}{\sqrt{2}} \begin{pmatrix} x - y \\ x + y \end{pmatrix} $$

すなわち、

$$ \begin{cases} X = \frac{x - y}{\sqrt{2}} \\ Y = \frac{x + y}{\sqrt{2}} \end{cases} $$

である。これに先ほど求めた和と差の式を代入すると、

$$ \begin{cases} X = \frac{2t}{\sqrt{2}} = \sqrt{2}t \\ Y = \frac{2a^t}{\sqrt{2}} = \sqrt{2}a^t \end{cases} $$

となる。第1式より $t = \frac{X}{\sqrt{2}}$ であり、これを第2式に代入すると、

$$ Y = \sqrt{2} a^{\frac{X}{\sqrt{2}}} $$

となる。$a > 1$ であるから、これは $X$ の単調増加な指数関数である。

元の $xy$ 平面において、新しい $X$ 軸($Y=0$)は直線 $x+y=0 \iff y=-x$ を表し、新しい $Y$ 軸($X=0$)は直線 $x-y=0 \iff y=x$ を表す。

したがって、曲線の概形は、直線 $y=-x$ を横軸、直線 $y=x$ を縦軸と見なしたときの、単調増加で下に凸な指数関数のグラフとなる。漸近線は $X \to -\infty$ のとき $Y \to 0$ となることから、直線 $y=-x$ である。また、$t=0$ のとき $x=1, y=1$ であるから、曲線は点 $(1, 1)$ を通る。

(ii)

曲線が平面上の点 $(p, q)$ を通るための条件は、

$$ \begin{cases} p = ca^t + t \\ q = ca^t - t \end{cases} $$

を満たす実数 $t$ と定数 $c$ が存在することである。

この2式の辺々を引くと、

$$ p - q = 2t $$

となり、ただ1つの実数 $t$ の値

$$ t = \frac{p - q}{2} $$

が定まる。

次に、2式の辺々を足すと、

$$ p + q = 2ca^t $$

となる。ここに先ほど求めた $t$ を代入すると、

$$ p + q = 2c a^{\frac{p - q}{2}} $$

となる。$a > 1$ より $a^{\frac{p - q}{2}} > 0$ であるから、両辺をこれで割って $c$ について解くことができる。

$$ c = \frac{p + q}{2} a^{-\frac{p - q}{2}} $$

このように、任意の点 $(p, q)$ に対して、実数 $t$ と定数 $c$ の組がただ1つ定まる。

よって、どのような点 $(p, q)$ を与えても、$c$ を上記のように選べば、曲線はその点 $(p, q)$ を通ることが示された。

解説

媒介変数表示された曲線の概形を掴む際、和や差をとって変数を消去する手法は頻出だ。本問では $(x+y)$ と $(x-y)$ の式に整理することで、指数関数の形が浮かび上がる。

「座標軸を回転して考えよ」という誘導の意味は、$X = \frac{x-y}{\sqrt{2}}, Y = \frac{x+y}{\sqrt{2}}$ のように直交変換を行い、見慣れた $Y = f(X)$ の形に帰着させることにある。

後半の証明問題は、連立方程式として捉え、「未知数 $c, t$ についての連立方程式が、任意の $p, q$ に対して解を持つこと」を示せばよい。和と差をとる操作がここでも有効に働く。

答え

(i)

直線 $y=-x$ を新しい横軸、直線 $y=x$ を新しい縦軸とみなしたとき、$Y = \sqrt{2} a^{\frac{X}{\sqrt{2}}}$ のグラフとなる。 (漸近線は直線 $y=-x$、単調に増加し下側に凸、点 $(1, 1)$ を通る指数関数の概形である)

(ii)

任意の $(p, q)$ に対して、$c = \frac{p + q}{2} a^{-\frac{p - q}{2}}$ と選べば、$t = \frac{p - q}{2}$ のときに曲線は点 $(p, q)$ を通る。(証明終)

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