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京都大学 2025年 理系 第5問 解説

数学C/式と曲線数学2/三角関数数学2/図形と式テーマ/軌跡・領域テーマ/媒介変数
京都大学 2025年 理系 第5問 解説

方針・初手

点 $A$ と点 $P$ を通る直線の方程式を媒介変数(パラメータ)を用いて表し、$xy$ 平面上の点 $Q$ は $z$ 座標が $0$ であることを利用してパラメータを消去します。これにより、点 $Q$ の $x$ 座標と $y$ 座標を $\theta$ の式で表すことができます。その後、三角関数の性質 $\cos^2\theta + \sin^2\theta = 1$ を用いて $\theta$ を消去し、$x$ と $y$ の関係式(軌跡の方程式)を求めます。最後に、与えられた $\theta$ の範囲から軌跡の範囲(定義域や値域)を正確に調べます。

解法1

点 $Q$ は直線 $AP$ 上にあるので、実数 $t$ を用いて

$\overrightarrow{OQ} = (1-t)\overrightarrow{OA} + t\overrightarrow{OP}$

と表せる。成分で表すと、点 $Q$ の座標を $(x, y, z)$ として

$\begin{aligned} x &= t\cos\theta \ y &= t\sin\theta \ z &= (1-t)\frac{\sqrt{2}}{4} + t\left(\frac{1}{2}\cos\theta\right) = \frac{\sqrt{2}}{4} + t\left(\frac{1}{2}\cos\theta - \frac{\sqrt{2}}{4}\right) \end{aligned}$

点 $Q$ は $xy$ 平面上の点であるから、$z = 0$ である。

$\frac{\sqrt{2}}{4} + t\left(\frac{1}{2}\cos\theta - \frac{\sqrt{2}}{4}\right) = 0$

$t\left(\frac{\sqrt{2}}{4} - \frac{1}{2}\cos\theta\right) = \frac{\sqrt{2}}{4}$

両辺を $4$ 倍して変形すると、

$t(\sqrt{2} - 2\cos\theta) = \sqrt{2}$

ここで、$-\frac{\pi}{4} < \theta < \frac{\pi}{4}$ のとき $\frac{\sqrt{2}}{2} < \cos\theta \leqq 1$ であるから、$\sqrt{2} < 2\cos\theta \leqq 2$ となり、$\sqrt{2} - 2\cos\theta < 0$ である。 したがって $\sqrt{2} - 2\cos\theta \neq 0$ であり、両辺を割ることができる。

$t = \frac{\sqrt{2}}{\sqrt{2} - 2\cos\theta} = \frac{1}{1 - \sqrt{2}\cos\theta}$

これを $x, y$ の式に代入する。

$x = \frac{\cos\theta}{1 - \sqrt{2}\cos\theta} \quad \cdots ①$

$y = \frac{\sin\theta}{1 - \sqrt{2}\cos\theta} \quad \cdots ②$

①より、

$x(1 - \sqrt{2}\cos\theta) = \cos\theta$

$x = \cos\theta + \sqrt{2}x\cos\theta = (1 + \sqrt{2}x)\cos\theta$

ここで、$1 + \sqrt{2}x = 0$ と仮定すると $x = 0$ となり矛盾するため、$1 + \sqrt{2}x \neq 0$ である。

$\cos\theta = \frac{x}{1 + \sqrt{2}x} \quad \cdots ③$

②より、

$y(1 - \sqrt{2}\cos\theta) = \sin\theta$

これに③を代入して、

$\begin{aligned} \sin\theta &= y \left( 1 - \sqrt{2} \cdot \frac{x}{1 + \sqrt{2}x} \right) \ &= y \left( \frac{1 + \sqrt{2}x - \sqrt{2}x}{1 + \sqrt{2}x} \right) \ &= \frac{y}{1 + \sqrt{2}x} \quad \cdots ④ \end{aligned}$

$\cos^2\theta + \sin^2\theta = 1$ に③、④を代入する。

$\left( \frac{x}{1 + \sqrt{2}x} \right)^2 + \left( \frac{y}{1 + \sqrt{2}x} \right)^2 = 1$

両辺に $(1 + \sqrt{2}x)^2$ を掛ける。

$x^2 + y^2 = (1 + \sqrt{2}x)^2$

$x^2 + y^2 = 1 + 2\sqrt{2}x + 2x^2$

$x^2 + 2\sqrt{2}x - y^2 + 1 = 0$

平方完成して変形する。

$(x + \sqrt{2})^2 - 2 - y^2 + 1 = 0$

$(x + \sqrt{2})^2 - y^2 = 1$

これは中心が $(-\sqrt{2}, 0)$、漸近線が $y = \pm(x + \sqrt{2})$ の双曲線である。

次に、軌跡の範囲($x$ のとりうる値の範囲)を調べる。 ③より、$\cos\theta = \frac{x}{1 + \sqrt{2}x}$ $-\frac{\pi}{4} < \theta < \frac{\pi}{4}$ のとき、$\frac{\sqrt{2}}{2} < \cos\theta \leqq 1$ であるから、

$\frac{\sqrt{2}}{2} < \frac{x}{1 + \sqrt{2}x} \leqq 1$

$-\frac{\pi}{4} < \theta < \frac{\pi}{4}$ において、①の分母 $1 - \sqrt{2}\cos\theta < 0$ かつ $\cos\theta > 0$ より $x < 0$ である。 さらに、分母 $1 + \sqrt{2}x$ について考える。もし $1 + \sqrt{2}x > 0$ ならば $x > 0$ となり矛盾する。よって $1 + \sqrt{2}x < 0$ である。 各辺に $(1 + \sqrt{2}x)$ (負の値)を掛けると、不等号の向きが反転する。

$\frac{\sqrt{2}}{2}(1 + \sqrt{2}x) > x \geqq 1 + \sqrt{2}x$

右側の不等式 $x \geqq 1 + \sqrt{2}x$ を解く。

$(\sqrt{2} - 1)x \leqq -1$

$x \leqq -\frac{1}{\sqrt{2} - 1} = -(\sqrt{2} + 1)$

左側の不等式 $\frac{\sqrt{2}}{2} + x > x$ は $\frac{\sqrt{2}}{2} > 0$ となり常に成り立つ。 よって、$x$ の範囲は $x \leqq -\sqrt{2} - 1$ である。 (このとき、$y$ はすべての実数値をとる。)

解説

空間図形における直線と平面の交点を求める典型的な手順を踏んだ後、媒介変数 $\theta$ を消去して軌跡を求める問題です。計算自体は標準的ですが、双曲線の方程式が導かれた後、「双曲線のどの部分か(あるいは全体か)」を判定する定義域の確認が非常に重要です。$\theta$ の変域から $x$ の不等式を解く際に、分母の正負に注意して不等号の向きを正しく処理できるかがポイントになります。

答え

点 $Q$ の軌跡は、双曲線 $(x + \sqrt{2})^2 - y^2 = 1$ の $x \leqq -\sqrt{2} - 1$ の部分。

(図示:中心 $(-\sqrt{2}, 0)$、頂点 $(-\sqrt{2} \pm 1, 0)$、漸近線 $y = x + \sqrt{2}$ および $y = -x - \sqrt{2}$ を持つ双曲線のうち、左側の頂点 $(-\sqrt{2} - 1, 0)$ を含み、それより左側に伸びる枝の部分を実線で描く。)

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