京都大学 1988年 文系 第4問 解説

方針・初手
この問題は、以下の2つのステップに分けて考える。
- 面積の条件:ちょうど $n$ 回で面積の合計が長方形の面積($18$)になるような、小さいタイルと大きいタイルの枚数の組合せを求める。
- 形状の条件(敷き詰め可能性):求めた枚数の組合せのうち、実際に縦 $3$、横 $6$ の長方形に過不足なく敷き詰めることができるか(はみ出したり隙間ができたりしないか)を判定する。
「ちょうど $n$ 回で敷き詰められる」ためには、面積の和がちょうど $18$ になり、かつそのタイルの組合せで敷き詰めが可能である必要がある。
解法1
敷き詰める長方形の面積は $3 \times 6 = 18$ である。 小さいタイル($1 \times 1$)の面積は $1$、大きいタイル($2 \times 2$)の面積は $4$ である。
ちょうど $n$ 回の取り出しで、小さいタイルが $x$ 枚、大きいタイルが $y$ 枚出たとすると、面積の合計が $18$ になるための条件は
$$ x + y = n \quad \cdots (1) $$
$$ x + 4y = 18 \quad \cdots (2) $$
ここで、$x, y$ は $0$ 以上の整数である。 (1), (2) より $x$ を消去すると、
$$ n - y + 4y = 18 $$
$$ 3y = 18 - n $$
$$ y = 6 - \frac{n}{3} \quad \cdots (3) $$
また、(2) より $4y \leqq 18$ であるから、$y \leqq 4.5$ となり、$y$ のとりうる値は $y = 0, 1, 2, 3, 4$ のいずれかである。 それぞれの $y$ に対して、$x = 18 - 4y$ および $n = x + y = 18 - 3y$ が決まる。
- $y = 0$ のとき:$x = 18, n = 18$
- $y = 1$ のとき:$x = 14, n = 15$
- $y = 2$ のとき:$x = 10, n = 12$
- $y = 3$ のとき:$x = 6, n = 9$
- $y = 4$ のとき:$x = 2, n = 6$
次に、これらの組合せ $(x, y)$ について、縦 $3$、横 $6$ の長方形に過不足なく敷き詰められるかを考える。 大きいタイルの縦の長さは $2$ であり、長方形の縦の長さは $3$ であるため、大きいタイルを縦方向に $2$ 枚以上並べることはできない。したがって、大きいタイルを複数枚配置する場合、それらは縦方向に重ならないよう横方向にずらして配置する必要がある。 長方形の横の長さは $6$ であり、大きいタイルの横の長さは $2$ であるから、横方向に重ならずに配置できる大きいタイルの最大枚数は $6 \div 2 = 3$ 枚である。 ゆえに、$y = 4$ のときは大きいタイルを配置するスペースがなく、敷き詰め不可能である。 一方、$y \leqq 3$ のときは、大きいタイルを長方形の辺に沿って重ならないように配置し、残りの隙間(すべて $1 \times 1$ 以上の長方形領域の和になる)を小さいタイルで埋めることで、必ず過不足なく敷き詰めることができる。
したがって、敷き詰め可能となるのは $n = 18, 15, 12, 9$ の場合のみである。 なお、各タイルの面積は $1$ 以上であるため、$n$ 枚の合計面積が $18$ であるとき、$n-1$ 枚目までの合計面積は最大でも $17$ であり、$18$ 以上になることはない。よって、「途中で面積が $18$ に達してしまう」ことは考慮しなくてよく、単に $n$ 回の反復試行で小さいタイルが $x$ 枚、大きいタイルが $y$ 枚出る確率を求めればよい。
求める確率 $P_n$ は、反復試行の確率より ${}_n \mathrm{C}_{y} p^x q^y$ で計算される。
(i) $n = 18$ ($x=18, y=0$) のとき
$$ P_{18} = {}_{18}\mathrm{C}_{0} \, p^{18} q^0 = p^{18} $$
(ii) $n = 15$ ($x=14, y=1$) のとき
$$ P_{15} = {}_{15}\mathrm{C}_{1} \, p^{14} q^1 = 15 p^{14} q $$
(iii) $n = 12$ ($x=10, y=2$) のとき
$$ P_{12} = {}_{12}\mathrm{C}_{2} \, p^{10} q^2 = 66 p^{10} q^2 $$
(iv) $n = 9$ ($x=6, y=3$) のとき
$$ P_9 = {}_{9}\mathrm{C}_{3} \, p^6 q^3 = 84 p^6 q^3 $$
上記以外の $n$ では、面積が $18$ にならないか、あるいは敷き詰め不可能であるため、確率は $0$ である。
解説
「面積」と「図形の形状」の2段階で条件を絞り込む良問である。 不定方程式 $x + 4y = 18$ を解いて $(x, y)$ の候補を出すところまでは容易であるが、面積が一致しても形状的に敷き詰められないケース($y=4$)が存在することに気づけるかが最大のポイントになる。縦幅が $3$ であることから大きいタイルは縦に積めず、横幅が $6$ であることから大きいタイルは横に $3$ つまでしか入らない、という図形的な考察をしっかり答案に盛り込もう。
答え
求める確率は $n$ の値によって以下のようになる。
- $n = 18$ のとき:$p^{18}$
- $n = 15$ のとき:$15 p^{14} q$
- $n = 12$ のとき:$66 p^{10} q^2$
- $n = 9$ のとき:$84 p^6 q^3$
- それ以外の $n$ のとき:$0$
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