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京都大学 1964年 理系 第2問 解説

数学2/式と証明数学A/整数問題テーマ/整式の証明
京都大学 1964年 理系 第2問 解説

方針・初手

与えられた最小公倍数を因数分解し、各3次式がどのような因数から構成されるかを特定する。最大公約数が $x+3$ であることと、各多項式の次数が3であることから、各3次式を $(x+3) \times (\text{2次式})$ の形に表し、残りの2次式部分が満たすべき条件を絞り込む。

解法1

条件(iii)より、3つの3次式の最小公倍数である5次式を $L(x)$ とおく。

$$ L(x) = x^5+x^4-41x^3-33x^2+180x-108 $$

$L(1) = 1+1-41-33+180-108 = 0$ となるため、因数定理により $L(x)$ は $x-1$ を因数にもつ。組立除法などを用いて因数分解を進める。

$$ L(x) = (x-1)(x^4+2x^3-39x^2-72x+108) $$

さらに $x=1$ を代入すると再び $0$ になるため、もう一度 $x-1$ で割れる。

$$ L(x) = (x-1)^2(x^3+3x^2-36x-108) $$

ここで $x^3+3x^2-36x-108 = x^2(x+3) - 36(x+3) = (x+3)(x^2-36)$ と変形できるので、最終的に次のように因数分解される。

$$ L(x) = (x-1)^2(x+3)(x-6)(x+6) $$

求める3つの3次式を $P(x), Q(x), R(x)$ とする。条件(i)よりこれらの最高次係数は1であり、条件(ii)より最大公約数が $x+3$ であるから、

$$ \begin{cases} P(x) = (x+3)P_1(x) \\ Q(x) = (x+3)Q_1(x) \\ R(x) = (x+3)R_1(x) \end{cases} $$

とおける。ここで、$P_1(x), Q_1(x), R_1(x)$ は最高次係数が1の2次式であり、これら3つの多項式は共通の因数を持たない(最大公約数が1である)。

条件(iii)より、$P, Q, R$ の最小公倍数は $L(x)$ であるから、$P_1, Q_1, R_1$ の最小公倍数は $(x-1)^2(x-6)(x+6)$ となる。したがって、$P_1, Q_1, R_1$ は因数 $(x-1), (x-6), (x+6)$ を組み合わせてできる2次式でなければならない。また、因数の次数が最小公倍数を超えることはない。

このような2次式の候補は、以下の4つのみである。

$$ \begin{cases} A(x) = (x-1)^2 \\ B(x) = (x-1)(x-6) \\ C(x) = (x-1)(x+6) \\ D(x) = (x-6)(x+6) \end{cases} $$

$P, Q, R$ は互いに異なるため、$P_1, Q_1, R_1$ も互いに異なる。よって、上記4つの候補から3つを選ぶ組合せを考え、条件を満たすか確認する。

(ア)

$A(x), B(x), C(x)$ を選ぶ場合

これら3つの2次式はすべて因数 $(x-1)$ をもつ。したがって共通因数をもつことになり、最大公約数が1であるという条件に反するため不適。

(イ)

$A(x), B(x), D(x)$ を選ぶ場合

これら3式に共通の因数はない。また、3式の最小公倍数は $(x-1)^2(x-6)(x+6)$ となり条件を満たす。 これらを $x+3$ に掛けたものが求める3次式の組となる。

$$ \begin{aligned} (x+3)A(x) &= (x+3)(x^2-2x+1) = x^3+x^2-5x+3 \\ (x+3)B(x) &= (x+3)(x^2-7x+6) = x^3-4x^2-15x+18 \\ (x+3)D(x) &= (x+3)(x^2-36) = x^3+3x^2-36x-108 \end{aligned} $$

(ウ)

$A(x), C(x), D(x)$ を選ぶ場合

これら3式に共通の因数はない。また、3式の最小公倍数は $(x-1)^2(x-6)(x+6)$ となり条件を満たす。

$$ \begin{aligned} (x+3)A(x) &= x^3+x^2-5x+3 \\ (x+3)C(x) &= (x+3)(x^2+5x-6) = x^3+8x^2+9x-18 \\ (x+3)D(x) &= x^3+3x^2-36x-108 \end{aligned} $$

(エ)

$B(x), C(x), D(x)$ を選ぶ場合

これら3式の最小公倍数は $(x-1)(x-6)(x+6)$ となり、$(x-1)^2$ が含まれないため最小公倍数の条件に反し、不適。

以上より、条件を満たす組は (イ) と (ウ) の2通りである。

解説

多項式における最大公約数・最小公倍数の性質を利用する問題である。多項式を1次式の積に因数分解し、各因数がどの多項式に何次まで含まれるかを整理して場合分けする。

答え

求める3次式の組は、以下の2組である。

$$ \{ x^3+x^2-5x+3, \ x^3-4x^2-15x+18, \ x^3+3x^2-36x-108 \} $$

$$ \{ x^3+x^2-5x+3, \ x^3+8x^2+9x-18, \ x^3+3x^2-36x-108 \} $$

(※因数分解された形 $\{(x+3)(x-1)^2, (x+3)(x-1)(x-6), (x+3)(x-6)(x+6)\}$ および $\{(x+3)(x-1)^2, (x+3)(x-1)(x+6), (x+3)(x-6)(x+6)\}$ でも正解となる)

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