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京都大学 1971年 理系 第3問 解説

数学1/二次関数テーマ/最大・最小テーマ/場合分け
京都大学 1971年 理系 第3問 解説

方針・初手

2次関数 $f(x)$ の区間 $0 \leqq x \leqq 1$ における最小値 $m$ を、軸の位置によって場合分けして $a, b$ の式で表す。 その後、不等式条件 $a + 2b \leqq 2$ を用いて $m$ の最大値を考える。得られた $m$ の式の構造に着目することで、$b$ に関する制約をうまく活用し、1変数 $a$ の関数の最大値問題へと帰着させる。

解法1

関数 $f(x)$ を平方完成すると、

$$ f(x) = \left( x + \frac{a}{2} \right)^2 - \frac{a^2}{4} + b $$

となる。放物線の軸は $x = -\frac{a}{2}$ であり、下に凸のグラフである。 区間 $0 \leqq x \leqq 1$ における最小値 $m$ を、軸の位置によって場合分けして求める。

(i) 軸が区間の左側、すなわち $-\frac{a}{2} \leqq 0$($a \geqq 0$)のとき 関数 $f(x)$ は $0 \leqq x \leqq 1$ において単調増加となるため、最小値は $x = 0$ のときにとる。

$$ m = f(0) = b $$

(ii) 軸が区間内、すなわち $0 < -\frac{a}{2} < 1$($-2 < a < 0$)のとき 関数 $f(x)$ は $x = -\frac{a}{2}$ で最小値をとる。

$$ m = f\left(-\frac{a}{2}\right) = -\frac{a^2}{4} + b $$

(iii) 軸が区間の右側、すなわち $1 \leqq -\frac{a}{2}$($a \leqq -2$)のとき 関数 $f(x)$ は $0 \leqq x \leqq 1$ において単調減少となるため、最小値は $x = 1$ のときにとる。

$$ m = f(1) = 1 + a + b $$

次に、与えられた条件 $a + 2b \leqq 2$ について考える。これを $b$ について解くと、

$$ b \leqq 1 - \frac{a}{2} $$

となる。 (i)〜(iii) のいずれの場合も、$m$ は $b$ の1次式であり、その係数は正(係数は $1$)である。 したがって、$a$ の値を固定して考えたとき、$m$ の値は $b$ が大きいほど大きくなる。 ゆえに、$m$ が最大となるのは、不等式 $b \leqq 1 - \frac{a}{2}$ において等号が成立する $b = 1 - \frac{a}{2}$ のときである。

この $b = 1 - \frac{a}{2}$ を代入し、$m$ を $a$ の関数として最大値を調べる。

(i)' $a \geqq 0$ のとき

$$ m = 1 - \frac{a}{2} $$

これは $a$ について単調減少であるから、$a \geqq 0$ の範囲において最大値は $a = 0$ のとき $m = 1$ である。

(ii)' $-2 < a < 0$ のとき

$$ m = -\frac{a^2}{4} + 1 - \frac{a}{2} = -\frac{1}{4}(a^2 + 2a) + 1 = -\frac{1}{4}(a + 1)^2 + \frac{5}{4} $$

この関数は $a = -1$ を軸とする上に凸の放物線であり、区間 $-2 < a < 0$ に軸が含まれるため、最大値は $a = -1$ のとき $m = \frac{5}{4}$ である。

(iii)' $a \leqq -2$ のとき

$$ m = 1 + a + 1 - \frac{a}{2} = \frac{a}{2} + 2 $$

これは $a$ について単調増加であるから、$a \leqq -2$ の範囲において最大値は $a = -2$ のとき $m = 1$ である。

(i)'(iii)' の結果を比較すると、全体の最大値は $\frac{5}{4}$ である。 この最大値を与えるのは $a = -1$ のときであり、このときの $b$ の値は、

$$ b = 1 - \frac{-1}{2} = \frac{3}{2} $$

となる。

解説

2次関数の軸の配置による最大・最小の場合分けという基本操作と、不等式条件の処理を組み合わせた標準的な問題である。 得られた最小値 $m$ がパラメータ $a, b$ で表されるが、「$m$ の式において $b$ の係数が常に正である」ことに着目するのが最大のポイントである。これにより、不等式 $a + 2b \leqq 2$ を等式 $a + 2b = 2$ に置き換えても最大化の議論において一般性を失わないと判断でき、1変数関数の最大値問題へとスムーズに帰着できる。

答え

$$ a = -1, \quad b = \frac{3}{2} $$

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