京都大学 2007年 理系 第4問(甲) 解説

方針・初手
3直線 $AA', BB', CC'$ はそれぞれ $\triangle ABC$ の内角の二等分線であるため、三角形の内心の定義から、これらが1点で交わることはすぐにわかります。
その交点 $H$ が $\triangle A'B'C'$ の垂心であることを示すには、各直線が $\triangle A'B'C'$ の対辺と垂直に交わること、例えば $AA' \perp B'C'$ であることを円周角の定理を用いて証明します。
解法1
$\triangle ABC$ の内角をそれぞれ $\angle A, \angle B, \angle C$ と表す。
直線 $AA', BB', CC'$ はそれぞれ $\angle A, \angle B, \angle C$ の二等分線であるから、三角形の内心の性質より、この3直線は1点($\triangle ABC$ の内心)で交わる。この交点を $H$ とする。
次に、この $H$ が $\triangle A'B'C'$ の垂心であることを示す。
すなわち、直線 $AA', BB', CC'$ がそれぞれ線分 $B'C', C'A', A'B'$ と垂直に交わることを示せばよい。
直線 $AA'$ と線分 $B'C'$ の交点を $P$ とする。$\triangle A'B'P$ において、内角の和から $\angle A'PB'$ の大きさを調べる。
まず、$\angle PA'B' = \angle AA'B'$ は弧 $AB'$ に対する円周角である。$BB'$ は $\angle B$ の二等分線であるから、
$$ \angle AA'B' = \angle ABB' = \frac{1}{2}\angle B $$
次に、$\angle PB'A' = \angle C'B'A'$ は弧 $C'A'$ に対する円周角である。弧 $C'A'$ は点 $B$ を含むため、弧 $C'B$ と弧 $BA'$ に分割して考えると、
- 弧 $C'B$ に対する円周角は $\angle C'CB = \dfrac{1}{2}\angle C$
- 弧 $BA'$ に対する円周角は $\angle BAA' = \dfrac{1}{2}\angle A$
よって、
$$ \angle PB'A' = \angle C'B'A' = \frac{1}{2}\angle C + \frac{1}{2}\angle A $$
$\triangle A'B'P$ の内角の和は $180^\circ$ であるから、
$$\begin{aligned} \angle A'PB' &= 180^\circ - (\angle PA'B' + \angle PB'A') \\ &= 180^\circ - \left( \frac{1}{2}\angle B + \frac{1}{2}\angle C + \frac{1}{2}\angle A \right) \\ &= 180^\circ - \frac{1}{2}(\angle A + \angle B + \angle C) \\ &= 180^\circ - \frac{1}{2} \times 180^\circ = 90^\circ \end{aligned}$$
すなわち、$AA' \perp B'C'$ が示された。
全く同様の議論により、$BB' \perp C'A'$ および $CC' \perp A'B'$ も成り立つ。
したがって、3直線 $AA', BB', CC'$ は $\triangle A'B'C'$ の各頂点から対辺に下ろした垂線であり、それらが1点 $H$ で交わることから、点 $H$ は $\triangle A'B'C'$ の垂心と一致する。(証明終)
解説
前半の「1点で交わること」は、内角の二等分線の定義から明らか(内心の存在定理)です。
後半の「垂心であること」の証明では、円周角の定理をフル活用します。ある角度を求める際に、その角が「どの弧に対する円周角か」を見極め、弧を足し合わせたり分割したりして既知の角(今回は $\angle A, \angle B, \angle C$ の半分)に置き換えていくのが、円に内接する図形の問題の王道アプローチです。
答え
略(解法1の証明を参照)
自分の記録
誤りを報告
解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。











