京都大学 2013年 理系 第1問 解説

方針・初手
- 点 $A$ を基準とし、$\vec{AB}$ と $\vec{AD}$ を 2 つの基本ベクトルとして各点の位置ベクトルを表す。
- 交点 $P$ の位置ベクトルを「線分 $CE$ 上」と「線分 $FG$ 上」の 2 通りで表し、係数比較で決定する。
- 直線 $AP$ の延長と辺 $BC$ の交点 $Q$ を求め、線分比を導く。
解法1(平面ベクトル)
$\vec{AB} = \vec{b}$、$\vec{AD} = \vec{d}$ とおく。平行四辺形より $\vec{AC} = \vec{b} + \vec{d}$。
各内分点の位置ベクトルを求める。
- 点 $E$($AB$ の中点):$\vec{AE} = \dfrac{1}{2}\vec{b}$
- 点 $F$($BC$ を $2:1$ に内分):$\vec{AF} = \vec{b} + \dfrac{2}{3}\vec{d}$
- 点 $G$($CD$ を $3:1$ に内分):$\vec{AG} = \dfrac{1}{4}\vec{b} + \vec{d}$
点 $P$ は線分 $CE$ 上にあるので、実数 $s$($0 \leq s \leq 1$)を用いて
$$ \vec{AP} = (1-s)\vec{AC} + s\vec{AE} = \left(1 - \frac{s}{2}\right)\vec{b} + (1-s)\vec{d} \quad \cdots \textcircled{1} $$
点 $P$ は線分 $FG$ 上にあるので、実数 $t$($0 \leq t \leq 1$)を用いて
$$ \vec{AP} = (1-t)\vec{AF} + t\vec{AG} = \left(1 - \frac{3}{4}t\right)\vec{b} + \left(\frac{2}{3} + \frac{1}{3}t\right)\vec{d} \quad \cdots \textcircled{2} $$
$\vec{b},\, \vec{d}$ は一次独立であるから $\textcircled{1} = \textcircled{2}$ の係数を比較して、
$$ 1 - \frac{s}{2} = 1 - \frac{3}{4}t \implies s = \frac{3}{2}t $$
$$ 1 - s = \frac{2}{3} + \frac{1}{3}t \implies 1 - \frac{3}{2}t = \frac{2}{3} + \frac{1}{3}t \implies t = \frac{2}{11},\quad s = \frac{3}{11} $$
$s = \dfrac{3}{11}$ を $\textcircled{1}$ に代入して、
$$ \vec{AP} = \frac{19}{22}\vec{b} + \frac{16}{22}\vec{d} $$
点 $Q$ は直線 $AP$ 上にあるから $\vec{AQ} = k\vec{AP}$(実数 $k$)と表せる。$Q$ は辺 $BC$ 上にあるので $\vec{b}$ の係数が $1$:
$$ k \cdot \frac{19}{22} = 1 \implies k = \frac{22}{19} $$
このとき $\vec{AQ} = \vec{b} + \dfrac{16}{19}\vec{d}$($0 \leq \dfrac{16}{19} \leq 1$ なので $Q$ は確かに辺 $BC$ 上にある)。
$\vec{AQ} = \dfrac{22}{19}\vec{AP}$ より、
$$ PQ = AQ - AP = \frac{3}{19}AP $$
$$ AP : PQ = 19 : 3 $$
解法2(座標)
平行四辺形の線分比はアフィン変換で保たれるため、$B(0,0)$、$C(3,0)$、$A(0,2)$、$D(3,2)$ の長方形で計算する。
$$ E(0,1),\quad F(2,0),\quad G\!\left(3,\frac{3}{2}\right) $$
- 直線 $CE$:$y = -\dfrac{1}{3}x + 1$
- 直線 $FG$:$y = \dfrac{3}{2}(x-2)$
交点 $P$:$-\dfrac{x}{3}+1 = \dfrac{3x}{2}-3$ を解くと $x = \dfrac{24}{11}$、$y = \dfrac{3}{11}$。
直線 $AP$($A=(0,2)$)と $x$ 軸の交点 $Q$ を $y$ 座標の変化量で求める。
$$ AP : PQ = \left(2 - \frac{3}{11}\right) : \frac{3}{11} = \frac{19}{11} : \frac{3}{11} = 19 : 3 $$
解説
「交点の位置ベクトル」を求める平面ベクトルの典型問題である。2 つのパラメータ $s,\, t$ を用いて 1 つのベクトルを 2 通りに表し、一次独立性を利用して連立方程式を解く処理を正確に行うことが求められる。
直線 $BC$ との交点を求める際は、「$\vec{AB}$ 方向の成分がちょうど $1$」という条件が最もシンプルである。
解法2のように扱いやすい座標系(長方形)で計算するアフィン変換の発想は、検算手段としても強力である。
答え
$$ AP : PQ = 19 : 3 $$
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