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大阪大学 2005年 理系 第4問 解説

数学C/式と曲線数学2/三角関数数学2/図形と式テーマ/媒介変数テーマ/最大・最小
大阪大学 2005年 理系 第4問 解説

方針・初手

本問は媒介変数表示で表された曲線の通過領域およびその境界に関する問題である。

(1) は、$\theta$ が固定されているため、$x, y$ が時刻 $t$ だけの関数となる。$y=0$ および $x \geqq 0$ となる条件から $t$ を定めればよい。

(2) は、$t$ が全実数を動くときの点 $P(x, y)$ の集合 $C$ を考え、さらに $\theta$ を動かしたときの $C$ の通過領域を求める。「媒介変数を消去して、その変数の実数解の存在条件を考える」という定石を用いる。$\cos \theta, \sin \theta$ が含まれるため、移項して平方の和をとることで $\theta$ を消去し、$t^2$ についての方程式の解の配置問題に帰着させる。

(3) は、点 $Q$ が $C$ と $x$ 軸の交点であることに着目する。(2) で求めた通過領域を用いることで、$Q$ の $x$ 座標の最大値を図形的に直ちに求めることができる。または、$y=0$ の条件から $t$ と $\theta$ の関係式を導き、$x$ を $t$ の関数として直接最大値を求める方法も有効である。

解法1

(1)

$\theta = \frac{\pi}{4}$ のとき、点 $P$ の座標は $t$ を用いて次のように表される。

$$ \begin{cases} x = \frac{1}{\sqrt{2}} t \\ y = 1 - t^2 + \frac{1}{\sqrt{2}} t \end{cases} $$

点 $Q$ は曲線 $C$ と $x$ 軸 ($y=0$) の $x \geqq 0$ の部分における交点である。

$x \geqq 0$ であるから、$\frac{1}{\sqrt{2}} t \geqq 0$ より $t \geqq 0$ である。

また、$y=0$ であるから、

$$ 1 - t^2 + \frac{1}{\sqrt{2}} t = 0 $$

両辺を $-\sqrt{2}$ 倍して整理すると、

$$ \sqrt{2} t^2 - t - \sqrt{2} = 0 $$

これを解の公式で解くと、

$$ t = \frac{1 \pm \sqrt{1 - 4 \cdot \sqrt{2} \cdot (-\sqrt{2})}}{2\sqrt{2}} = \frac{1 \pm 3}{2\sqrt{2}} $$

$t \geqq 0$ を満たす解は、

$$ t = \frac{4}{2\sqrt{2}} = \sqrt{2} $$

このとき、$x$ 座標は $x = \frac{1}{\sqrt{2}} \cdot \sqrt{2} = 1$ となる。

よって、点 $Q$ の $x$ 座標は $1$ である。

(2)

点 $P$ の座標の式を変形すると、

$$ \begin{cases} t \cos \theta = x \\ t \sin \theta = y - 1 + t^2 \end{cases} $$

$\sin^2 \theta + \cos^2 \theta = 1$ であるから、両辺をそれぞれ2乗して足し合わせることで $\theta$ を消去する。

$$ t^2 = x^2 + (y - 1 + t^2)^2 $$

展開して整理すると、

$$ t^2 = x^2 + (y - 1)^2 + 2(y - 1)t^2 + t^4 $$

$$ t^4 + (2y - 3)t^2 + x^2 + (y - 1)^2 = 0 $$

ここで、$X = t^2$ とおくと、$X \geqq 0$ である。与えられた $(x, y)$ に対して、方程式

$$ X^2 + (2y - 3)X + x^2 + (y - 1)^2 = 0 $$

が $X \geqq 0$ の範囲に少なくとも1つの実数解を持つような $(x, y)$ の条件を求める。

$f(X) = X^2 + (2y - 3)X + x^2 + (y - 1)^2$ とおく。

$f(0) = x^2 + (y - 1)^2 \geqq 0$ である。

(i)

$x=0$ かつ $y=1$ のとき

$f(0) = 0$ となり、$X=0$ を解にもつ。したがって条件を満たす。

(ii)

$x \neq 0$ または $y \neq 1$ のとき

$f(0) > 0$ であるため、方程式 $f(X) = 0$ が $X \geqq 0$ に少なくとも1つの実数解をもつための条件は、放物線 $Y = f(X)$ の軸の位置と頂点の $Y$ 座標(判別式)から、次のように求まる。

$$ \begin{cases} \text{軸} : -\frac{2y - 3}{2} > 0 \\ \text{判別式} : D = (2y - 3)^2 - 4\{x^2 + (y - 1)^2\} \geqq 0 \end{cases} $$

軸の条件から、

$$ 2y - 3 < 0 \iff y < \frac{3}{2} $$

判別式の条件から、

$$ 4y^2 - 12y + 9 - 4x^2 - 4y^2 + 8y - 4 \geqq 0 $$

$$ -4x^2 - 4y + 5 \geqq 0 \iff y \leqq -x^2 + \frac{5}{4} $$

ここで、$y \leqq -x^2 + \frac{5}{4}$ が成り立つとき、$-x^2 \leqq 0$ より $y \leqq \frac{5}{4}$ となる。したがって、軸の条件 $y < \frac{3}{2}$ は常に満たされる。

よって、条件は $y \leqq -x^2 + \frac{5}{4}$ である。(i) の点 $(0, 1)$ もこの不等式を満たす。

(※ 逆に、$X \geqq 0$ なる $X$ に対して $t = \pm\sqrt{X}$ が存在し、$t \neq 0$ のときは $\cos \theta = \frac{x}{t}, \sin \theta = \frac{y - 1 + X}{t}$ を満たす $\theta$ ($0 \leqq \theta < 2\pi$) が一意に存在する。$t = 0$ のときは $x=0, y=1$ であり、任意の $\theta$ で成り立つ。よって論理は同値である。)

以上より、$C$ が通過する範囲は、不等式 $y \leqq -x^2 + \frac{5}{4}$ が表す領域である。図示すると、頂点が $(0, \frac{5}{4})$ で上に凸な放物線 $y = -x^2 + \frac{5}{4}$ およびその下側の領域(境界線を含む)となる。

(3)

点 $Q$ は、曲線 $C$ の通過領域のうち、$y = 0$ かつ $x \geqq 0$ を満たす部分に存在する。

(2) で求めた領域の不等式に $y = 0$ を代入すると、

$$ 0 \leqq -x^2 + \frac{5}{4} \iff x^2 \leqq \frac{5}{4} $$

$x \geqq 0$ であるから、

$$ 0 \leqq x \leqq \frac{\sqrt{5}}{2} $$

したがって、$Q$ の $x$ 座標が最大となるのは $x = \frac{\sqrt{5}}{2}$ のときである。

このとき、$y=0$ および $x = \frac{\sqrt{5}}{2}$ は境界線 $y = -x^2 + \frac{5}{4}$ 上の点であるから、(2) の方程式 $f(X) = 0$ は重解をもつ。

$$ X = -\frac{2y - 3}{2} = -\frac{-3}{2} = \frac{3}{2} $$

すなわち $t^2 = \frac{3}{2}$ であり、$t = \pm\sqrt{\frac{3}{2}} = \pm\frac{\sqrt{6}}{2}$ となる。

もとの方程式から $\sin \theta$ を求めると、$y = 0$ より $0 = 1 - t^2 + t \sin \theta$ であるから、

$$ \sin \theta = \frac{t^2 - 1}{t} $$

また、$x = t \cos \theta$ より、

$$ \cos \theta = \frac{x}{t} = \frac{\sqrt{5}}{2t} $$

よって、求める $\tan \theta$ の値は、

$$ \tan \theta = \frac{\sin \theta}{\cos \theta} = \frac{t^2 - 1}{t} \cdot \frac{2t}{\sqrt{5}} = \frac{2(t^2 - 1)}{\sqrt{5}} $$

$t^2 = \frac{3}{2}$ を代入すると、

$$ \tan \theta = \frac{2(\frac{3}{2} - 1)}{\sqrt{5}} = \frac{2 \cdot \frac{1}{2}}{\sqrt{5}} = \frac{1}{\sqrt{5}} $$

解法2

(3) の別解

点 $Q$ において $y = 0$ であるから、

$$ 1 - t^2 + t \sin \theta = 0 $$

$x = 0$ となるのは $t = 0$ まはた $\cos \theta = 0$ のときであり、最大値の候補とはならないため $t \neq 0$ としてよい。

$$ \sin \theta = \frac{t^2 - 1}{t} = t - \frac{1}{t} $$

これより $\cos^2 \theta$ を $t$ で表すと、

$$ \cos^2 \theta = 1 - \sin^2 \theta = 1 - \left( t - \frac{1}{t} \right)^2 = 1 - \left( t^2 - 2 + \frac{1}{t^2} \right) = 3 - t^2 - \frac{1}{t^2} $$

$Q$ の $x$ 座標の2乗は、

$$ x^2 = t^2 \cos^2 \theta = t^2 \left( 3 - t^2 - \frac{1}{t^2} \right) = -t^4 + 3t^2 - 1 $$

$X = t^2 \ (> 0)$ とおくと、

$$ x^2 = -X^2 + 3X - 1 = -\left( X - \frac{3}{2} \right)^2 + \frac{9}{4} - 1 = -\left( X - \frac{3}{2} \right)^2 + \frac{5}{4} $$

$x \geqq 0$ のもとで $x$ が最大となるのは $x^2$ が最大となるときであり、それは $X = \frac{3}{2}$ のときである。

このとき、$t^2 = \frac{3}{2}$ であり、$t = \pm\sqrt{\frac{3}{2}} = \pm\frac{\sqrt{6}}{2}$ となる。

以降の $\tan \theta$ の計算は解法1と同様であり、

$$ \tan \theta = \frac{1}{\sqrt{5}} $$

となる。

解説

媒介変数表示された曲線の通過領域を求める標準的な問題である。(2) のように $\sin \theta, \cos \theta$ を含む場合は、独立変数 $\theta$ を消去して $X=t^2$ などの別変数に関する方程式の解の存在条件に持ち込む手法が非常に有効である。(3) では、(2) で求めた通過領域をうまく活用することで、計算量を大きく減らすことができる。前の設問の結果を次の設問に活かすという入試問題における鉄則が試されている。

答え

(1)

$1$

(2)

不等式 $y \leqq -x^2 + \frac{5}{4}$ が表す領域。境界線を含む。

(3)

$\tan \theta = \frac{1}{\sqrt{5}}$

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