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九州大学 1967年 文系 第2問 解説

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九州大学 1967年 文系 第2問 解説

方針・初手

(1)は、素数が $2$ 以上の整数であり、相異なる素数が小さい順に並んでいることから、各素数が取り得る最小の値を評価して不等式を導く。 (2)は、指数 $m_i$ が正の整数(すなわち $1$ 以上)であることを用いて $n$ を素数の積で下から評価し、(1)の考え方を応用して $k$ の式との大小比較を行う。

解法1

(1)

$p_1, p_2, \cdots, p_k$ は相異なる素数であり、$p_1 < p_2 < \cdots < p_k$ を満たす。 すべての素数は $2$ 以上の整数であるから、$p_1 \geqq 2$ である。 また、任意の整数 $i$ ($1 \leqq i \leqq k-1$) に対して、$p_{i+1}$ は $p_i$ より大きい整数であるため、

$$p_{i+1} \geqq p_i + 1$$

が成り立つ。 この関係式を繰り返し用いると、

$$p_k \geqq p_{k-1} + 1 \geqq p_{k-2} + 2 \geqq \cdots \geqq p_1 + (k - 1)$$

となる。 $p_1 \geqq 2$ であるから、

$$p_k \geqq 2 + (k - 1) = k + 1$$

したがって、

$$p_k \geqq k + 1$$

が示された。

(2)

$n = p_1^{m_1} p_2^{m_2} \cdots p_k^{m_k}$ であり、各 $m_i$ ($1 \leqq i \leqq k$) は正の整数(すなわち $m_i \geqq 1$)であるから、

$$n \geqq p_1^1 p_2^1 \cdots p_k^1 = p_1 p_2 \cdots p_k$$

が成り立つ。 (1)の証明と同様に考えると、任意の $i$ ($1 \leqq i \leqq k$) に対して $p_i \geqq i + 1$ が成り立つ。 したがって、$n$ は次のように評価できる。

$$n \geqq p_1 p_2 \cdots p_k \geqq (1 + 1)(2 + 1) \cdots (k + 1) = (k + 1)!$$

ここで、すべての正の整数 $k$ において $(k + 1)! > k^2$ であることを示す。

(i) $k = 1$ のとき $(1 + 1)! = 2! = 2$、$1^2 = 1$ より $2 > 1$ となり成り立つ。

(ii) $k = 2$ のとき $(2 + 1)! = 3! = 6$、$2^2 = 4$ より $6 > 4$ となり成り立つ。

(iii) $k \geqq 3$ のとき

$$(k + 1)! = (k + 1)k(k - 1)!$$

であり、$k \geqq 3$ より $(k - 1)! \geqq 2! = 2$ であるから、

$$(k + 1)! \geqq 2k(k + 1) = 2k^2 + 2k$$

さらに $k \geqq 3$ より $2k > 0$ であるから、

$$2k^2 + 2k > 2k^2 > k^2$$

よって、$(k + 1)! > k^2$ が成り立つ。

(i), (ii), (iii) より、すべての正の整数 $k$ に対して

$$(k + 1)! > k^2$$

が成り立つことが示された。 したがって、

$$n \geqq (k + 1)! > k^2$$

となり、$n > k^2$ が示された。

解説

素数の列の下限を評価する典型的な問題である。(1)で示唆されているように、「相異なる素数」という条件を「狭義単調増加な整数の列」と捉えることで、$p_k \geqq k + 1$、さらに一般化して $p_i \geqq i + 1$ という評価を引き出すことができる。 (2)では $m_i \geqq 1$ という条件から $n \geqq p_1 p_2 \cdots p_k$ を作り出し、(1)の評価を各素数に適用して階乗の形へ持ち込むのが鮮やかな解法である。階乗と多項式の大小比較は、具体的な小さな数で確認したのち、式変形で容易に示せる。

答え

(1) 題意の通り証明された。 (2) 題意の通り証明された。

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