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北海道大学 2017年 文系 第1問 解説

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北海道大学 2017年 文系 第1問 解説

方針・初手

(1) は与えられた等式を $a$ について解き、$n$ が自然数($n \geqq 1$)であることを利用して不等式を評価する。 (2) は (1) の結果を活用する方針と、式を変形して整数問題の定石である「積=整数の形」に持ち込む方針が考えられる。

解法1

(1) 与えられた等式 $n(n+1)+a = (n+k)^2$ を展開して整理すると、

$$ n^2 + n + a = n^2 + 2kn + k^2 $$

$$ a = (2k-1)n + k^2 $$

ここで、$k$ は自然数であるから $k \geqq 1$ であり、$2k-1 \geqq 1 > 0$ である。 また、$n$ も自然数であるから $n \geqq 1$ である。 したがって、

$$ a = (2k-1)n + k^2 \geqq (2k-1) \cdot 1 + k^2 = k^2 + 2k - 1 $$

が成り立つ。よって、示された。

(2) $n(n+1)+7$ が平方数となるとき、自然数 $m$ を用いて $n(n+1)+7 = m^2$ と表せる。 ここで、$n(n+1)+7 > n(n) = n^2$ であるため、$m > n$ となる。 したがって、$m = n+k$ ($k$ は自然数)とおくことができる。

条件より $n(n+1)+7 = (n+k)^2$ が成り立つので、(1) の結果において $a=7$ とした不等式が適用できる。

$$ 7 \geqq k^2 + 2k - 1 $$

これを整理して因数分解すると、

$$ k^2 + 2k - 8 \leqq 0 $$

$$ (k+4)(k-2) \leqq 0 $$

$k$ は自然数($k \geqq 1$)であるから、これを満たすのは $k = 1, 2$ のみである。

(i) $k=1$ のとき

$$ n(n+1)+7 = (n+1)^2 $$

$$ n^2 + n + 7 = n^2 + 2n + 1 $$

$$ n = 6 $$

これは自然数であり、適する。

(ii) $k=2$ のとき

$$ n(n+1)+7 = (n+2)^2 $$

$$ n^2 + n + 7 = n^2 + 4n + 4 $$

$$ 3n = 3 $$

$$ n = 1 $$

これも自然数であり、適する。

以上より、求める自然数 $n$ は $n=1, 6$ である。

解法2

(1) は解法1と同じ。

(2) の別解を示す。

$n(n+1)+7$ が平方数となるとき、自然数 $m$ を用いて次のように表せる。

$$ n^2 + n + 7 = m^2 $$

この式の両辺を 4 倍して平方完成を行う。

$$ 4n^2 + 4n + 28 = 4m^2 $$

$$ (2n+1)^2 + 27 = (2m)^2 $$

$$ (2m)^2 - (2n+1)^2 = 27 $$

$$ (2m + 2n + 1)(2m - 2n - 1) = 27 $$

$m, n$ は自然数であるから、$2m+2n+1$ と $2m-2n-1$ はともに整数である。 また、$m, n \geqq 1$ より、$2m+2n+1 \geqq 5 > 0$ であるため、$2m-2n-1 > 0$ も従う。 さらに、

$$ (2m+2n+1) - (2m-2n-1) = 4n > 0 $$

であるから、$2m+2n+1 > 2m-2n-1$ が成り立つ。 したがって、積が $27$ になる正の整数の組として考えられるのは以下の2通りである。

$$ \begin{cases} 2m+2n+1 = 27 \\ 2m-2n-1 = 1 \end{cases} \quad \text{または} \quad \begin{cases} 2m+2n+1 = 9 \\ 2m-2n-1 = 3 \end{cases} $$

(ア) 前者の場合

上の式から下の式を辺々引くと、

$$ 4n + 2 = 26 $$

$$ 4n = 24 $$

$$ n = 6 $$

(イ) 後者の場合

上の式から下の式を辺々引くと、

$$ 4n + 2 = 6 $$

$$ 4n = 4 $$

$$ n = 1 $$

いずれの場合も $n$ は自然数として適する。

解説

(1) は与えられた等式を $a$ について整理し、$n$ の最小値を代入することで不等式を導く基本的な証明問題である。(2) のための誘導として機能している。

(2) は (1) の誘導に乗る解法1が最も素直であるが、二次式が平方数になる条件を求める問題においては、解法2のように「平方完成して差の形を作り、因数分解を利用する」手法も非常に有力な定石である。どちらの解法も自然に記述できるようにしておきたい。

答え

(1) $a \geqq k^2+2k-1$ (2) $n = 1, 6$

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