九州大学 1967年 文系 第3問 解説

方針・初手
$z_1, z_2, z_3, z_4$ は原点を中心とする半径 $1$ の円に内接する正方形の頂点である。図より、これらの点は反時計回りに配置されていることがわかる。 したがって、各頂点は $z_1$ を原点の周りに $\frac{\pi}{2}, \pi, \frac{3\pi}{2}$ だけ回転させた点として表すことができる。この性質を用いて各点を極形式で表し、ド・モアブルの定理を用いて $k$ 乗を計算する。$k$ 乗した点が一致する条件は、回転角の関係から整理することができる。
解法1
(1)
正方形の頂点は、図より反時計回りに $z_1, z_2, z_3, z_4$ の順に並んでいる。 $z_1$ の絶対値は $1$、偏角は $\theta$ であるから、極形式で表すと
$$z_1 = \cos \theta + i \sin \theta$$
となる。$z_2, z_3, z_4$ は $z_1$ を原点を中心としてそれぞれ $\frac{\pi}{2}, \pi, \frac{3\pi}{2}$ だけ回転させた点であるから、
$$\begin{aligned} z_2 &= \cos \left( \theta + \frac{\pi}{2} \right) + i \sin \left( \theta + \frac{\pi}{2} \right) \\ z_3 &= \cos (\theta + \pi) + i \sin (\theta + \pi) \\ z_4 &= \cos \left( \theta + \frac{3\pi}{2} \right) + i \sin \left( \theta + \frac{3\pi}{2} \right) \end{aligned}$$
と表せる。ド・モアブルの定理を用いると、$z_1^k, z_2^k, z_3^k, z_4^k$ はそれぞれ以下のように極形式で表される。
$$\begin{aligned} z_1^k &= \cos k\theta + i \sin k\theta \\ z_2^k &= \cos \left( k\theta + \frac{k\pi}{2} \right) + i \sin \left( k\theta + \frac{k\pi}{2} \right) \\ z_3^k &= \cos (k\theta + k\pi) + i \sin (k\theta + k\pi) \\ z_4^k &= \cos \left( k\theta + \frac{3k\pi}{2} \right) + i \sin \left( k\theta + \frac{3k\pi}{2} \right) \end{aligned}$$
(2)
(1) の結果を変形すると、各点は次のように表すことができる。
$$\begin{aligned} z_2^k &= z_1^k \left( \cos \frac{k\pi}{2} + i \sin \frac{k\pi}{2} \right) = z_1^k \, i^k \\ z_3^k &= z_1^k (\cos k\pi + i \sin k\pi) = z_1^k \, i^{2k} \\ z_4^k &= z_1^k \left( \cos \frac{3k\pi}{2} + i \sin \frac{3k\pi}{2} \right) = z_1^k \, i^{3k} \end{aligned}$$
$z_1^k \neq 0$ であるから、4つの点 $z_1^k, z_2^k, z_3^k, z_4^k$ のうち相異なるものの個数は、集合 $\{ 1, i^k, i^{2k}, i^{3k} \}$ の要素の個数に等しい。 ここで、$i^k$ の値は正の整数 $k$ を $4$ で割った余りによって分類できる。
(i) $k$ が $4$ の倍数のとき $i^k = 1$ であるから、集合は $\{ 1, 1, 1, 1 \}$ となり、相異なるものは $1$ 個である。
(ii) $k$ を $4$ で割って $1$ 余るとき $i^k = i$ であるから、集合は $\{ 1, i, -1, -i \}$ となり、相異なるものは $4$ 個である。
(iii) $k$ を $4$ で割って $2$ 余るとき $i^k = -1$ であるから、集合は $\{ 1, -1, 1, -1 \}$ となり、相異なるものは $2$ 個である。
(iv) $k$ を $4$ で割って $3$ 余るとき $i^k = -i$ であるから、集合は $\{ 1, -i, -1, i \}$ となり、相異なるものは $4$ 個である。
以上より、与えられた $k$ について個数を調べると以下のようになる。
- $k=2$ は $4$ で割って $2$ 余るため、相異なるものは $2$ 個。
- $k=3$ は $4$ で割って $3$ 余るため、相異なるものは $4$ 個。
- $k=4$ は $4$ の倍数であるため、相異なるものは $1$ 個。
- $k=5$ は $4$ で割って $1$ 余るため、相異なるものは $4$ 個。
- $k=100$ は $4$ の倍数であるため、相異なるものは $1$ 個。
解説
複素数平面における正多角形の頂点は、原点を中心とする回転移動によって互いに移り合う性質を持つ。本問では正方形であることから、回転角が $\frac{\pi}{2}$ の倍数となる。 $k$ 乗した点の個数を調べる際には、偏角をそのまま比較してもよいが、$w = \cos \frac{\pi}{2} + i \sin \frac{\pi}{2} = i$ とおき、$z_m = z_1 w^{m-1}$ と表して $k$ 乗の値を代数的に処理する方が記述が簡潔になり、見通しが良くなる。
答え
(1)
$$\begin{aligned} z_1^k &= \cos k\theta + i \sin k\theta \\ z_2^k &= \cos \left( k\theta + \frac{k\pi}{2} \right) + i \sin \left( k\theta + \frac{k\pi}{2} \right) \\ z_3^k &= \cos (k\theta + k\pi) + i \sin (k\theta + k\pi) \\ z_4^k &= \cos \left( k\theta + \frac{3k\pi}{2} \right) + i \sin \left( k\theta + \frac{3k\pi}{2} \right) \end{aligned}$$
(2)
- $k=2$ のとき、$2$ 個
- $k=3$ のとき、$4$ 個
- $k=4$ のとき、$1$ 個
- $k=5$ のとき、$4$ 個
- $k=100$ のとき、$1$ 個
(理由は解法1に記載の通り、$k$ を $4$ で割った余りによって $i^k$ の値が分類され、集合 $\{ 1, i^k, i^{2k}, i^{3k} \}$ の要素数が決まるため。)
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