名古屋大学 2019年 理系 第3問 解説

方針・初手
$\sqrt{n}$ の整数部分を $k$ ($k$ は正の整数)とおき、与えられた条件を $k$ と $\sqrt{n}$ を用いた不等式で表す。
各辺を $2$ 乗することで、$n$ と $k$ の満たすべき不等式を導き、$n = k^2 + m$ ($m$ は正の整数)とおいて $m$ のとりうる値を調べる。
解法1
正の整数 $n$ の正の平方根 $\sqrt{n}$ は整数ではないため、その整数部分を $k$ ($k$ は正の整数)とすると、
$$ k < \sqrt{n} < k+1 $$
と表せる。
$\sqrt{n}$ を $10$ 進法で表したとき、小数第 $1$ 位が $0$ であるから、
$$ k < \sqrt{n} < k + 0.1 $$
である。
さらに、小数第 $2$ 位が $0$ 以外の数であるから、小数部分は $0.01$ 以上である。よって、
$$ k + 0.01 \le \sqrt{n} < k + 0.1 $$
が成り立つ。
各辺は正であるから、各辺を $2$ 乗しても大小関係は変わらない。
$$ (k + 0.01)^2 \le n < (k + 0.1)^2 $$
展開して整理すると、
$$ k^2 + 0.02k + 0.0001 \le n < k^2 + 0.2k + 0.01 $$
ここで、$n$ は $k^2$ より大きい整数であるから、$n - k^2 = m$ ($m$ は正の整数)とおくと、
$$ 0.02k + 0.0001 \le m < 0.2k + 0.01 $$
となる。
この不等式を満たす正の整数 $m$ が存在するための条件を $k$ について調べる。
(1)
最小の $n$ を求めるには、$k$ を小さい正の整数から順に調べて、不等式を満たす正の整数 $m$ が存在するか確認すればよい。
$k=1$ のとき、$0.0201 \le m < 0.21$ となり、これを満たす正の整数 $m$ は存在しない。
$k=2$ のとき、$0.0401 \le m < 0.41$ となり、存在しない。
$k=3$ のとき、$0.0601 \le m < 0.61$ となり、存在しない。
$k=4$ のとき、$0.0801 \le m < 0.81$ となり、存在しない。
$k=5$ のとき、$0.1001 \le m < 1.01$ となり、$m=1$ がこれを満たす。
このとき、$n = k^2 + m = 5^2 + 1 = 26$ である。
これが条件を満たす最小の $n$ である。
(2)
条件を満たす $n$ を調べるため、引き続き $k \ge 5$ について調べる。
$m=1$ を満たす $k$ の範囲を調べる。
$$ 0.02k + 0.0001 \le 1 < 0.2k + 0.01 $$
$1 < 0.2k + 0.01$ より $0.99 < 0.2k$ となり $k > 4.95$ である。
$0.02k + 0.0001 \le 1$ より $0.02k \le 0.9999$ となり $k \le 49.995$ である。
よって、$5 \le k \le 49$ のとき、$m=1$ は条件を満たす。
$m=2$ を満たす $k$ の範囲を調べる。
$$ 0.02k + 0.0001 \le 2 < 0.2k + 0.01 $$
$2 < 0.2k + 0.01$ より $1.99 < 0.2k$ となり $k > 9.95$ である。
$0.02k + 0.0001 \le 2$ より $0.02k \le 1.9999$ となり $k \le 99.995$ である。
よって、$10 \le k \le 99$ のとき、$m=2$ は条件を満たす。
ある $k$ に対する $n$ の最大値は $k^2 + 0.2k + 0.01$ 未満であり、次の $k+1$ に対する $n$ の最小値は $(k+1)^2 = k^2 + 2k + 1$ より大きい。
$k \ge 1$ において $k^2 + 0.2k + 0.01 < k^2 + 2k + 1$ は常に成り立つため、$k$ が大きくなればなるほど $n$ は必ず大きくなる。
したがって、$k$ が小さい順、同じ $k$ の中では $m$ が小さい順に $n$ を並べれば、それがそのまま $n$ を小さい順に並べたものとなる。
$k=5, 6, 7, 8, 9$ のときは、それぞれ $m=1$ のみが条件を満たすため、各 $k$ に対して $n$ は $1$ つずつ存在する(計 $5$ 個)。
これらは小さい順に $1$ 番目から $5$ 番目の $n$ となる。
$k=10, 11, 12$ のときは、それぞれ $m=1, 2$ が条件を満たすため、各 $k$ に対して $n$ は $2$ つずつ存在する。
順番に書き出すと以下のようになる。
- $1$ 番目:$k=5, m=1$ のとき $n = 26$
- $2$ 番目:$k=6, m=1$ のとき $n = 37$
- $3$ 番目:$k=7, m=1$ のとき $n = 50$
- $4$ 番目:$k=8, m=1$ のとき $n = 65$
- $5$ 番目:$k=9, m=1$ のとき $n = 82$
- $6$ 番目:$k=10, m=1$ のとき $n = 101$
- $7$ 番目:$k=10, m=2$ のとき $n = 102$
- $8$ 番目:$k=11, m=1$ のとき $n = 122$
- $9$ 番目:$k=11, m=2$ のとき $n = 123$
- $10$ 番目:$k=12, m=1$ のとき $n = 145$
よって、小さいものから順に並べたときに $10$ 番目にくるものは $n = 145$ である。
解説
平方根の小数部分に関する問題の定石として、まずは求める数の整数部分を文字でおき、不等式を作ってから各辺を $2$ 乗して整数問題に帰着させるのが基本である。
本問では「小数第 $1$ 位が $0$、第 $2$ 位が $0$ 以外」という条件を正しく数式化できるかが鍵となる。
小数第 $2$ 位が $0$ でないことは、小数部分が $0.01$ 以上であることを意味する。ここで境界値を含むかどうかの等号に注意が必要だが、最終的に $n$ は整数であるため等号成立の有無は結果に影響しない。
また、$n$ の大小関係と $k$ の大小関係が一致することに気づけば、(2) のカウントも非常に見通しよく進められる。
答え
(1)
$n = 26$
(2)
$n = 145$
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