九州大学 1978年 文系 第1問 解説

方針・初手
(1) 分母に虚数単位 $i$ を含む分数の和を計算し、$x+yi$ の形に変形する。分母の共役複素数を分母・分子に掛けることで実数化(有理化)を行う。最後に実部と虚部を比較する。
(2) 各数が 1 より大きいか小さいかを判定する。対数は真数と底を揃えて比較、指数は共通の累乗で比較、三角比は周期性を利用して鋭角に直し、有名角のサインと比較する。
解法1
(1) 与式の左辺を変形する。各項の分母の実数化を行う。
$$\begin{aligned} \frac{1}{1+2i} + \frac{1}{3-4i} &= \frac{1-2i}{(1+2i)(1-2i)} + \frac{3+4i}{(3-4i)(3+4i)} \\ &= \frac{1-2i}{1^2 - (2i)^2} + \frac{3+4i}{3^2 - (4i)^2} \\ &= \frac{1-2i}{1 + 4} + \frac{3+4i}{9 + 16} \\ &= \frac{1-2i}{5} + \frac{3+4i}{25} \\ &= \frac{5(1-2i) + 3+4i}{25} \\ &= \frac{5 - 10i + 3 + 4i}{25} \\ &= \frac{8 - 6i}{25} \\ &= \frac{8}{25} - \frac{6}{25}i \end{aligned}$$
これが $x+yi$ に等しいので、
$$\frac{8}{25} - \frac{6}{25}i = x+yi$$
$x, y$ は実数であるから、両辺の実部と虚部を比較して、
$$x = \frac{8}{25}, \quad y = -\frac{6}{25}$$
(2) それぞれの数を 1 と比較する。
・$\frac{2}{3} \log_2 3$ について
対数の性質を用いて変形すると、
$$\frac{2}{3} \log_2 3 = \log_2 3^{\frac{2}{3}}$$
ここで、$3^{\frac{2}{3}}$ と $2^1$ の大小を比較する。両者は正の数であるので 3 乗して比較すると、
$$(3^{\frac{2}{3}})^3 = 3^2 = 9$$
$$2^3 = 8$$
$9 > 8$ より $3^{\frac{2}{3}} > 2$ である。底 2 は 1 より大きいので、不等号の向きはそのままで、
$$\log_2 3^{\frac{2}{3}} > \log_2 2 = 1$$
したがって、$\frac{2}{3} \log_2 3 > 1$ である。
・$2^{-0.3} \times 3^{0.2}$ について
指数を分数に直し、共通の累乗でまとめる。
$$\begin{aligned} 2^{-0.3} \times 3^{0.2} &= 2^{-\frac{3}{10}} \times 3^{\frac{2}{10}} \\ &= \left( 2^{-3} \right)^{\frac{1}{10}} \times \left( 3^2 \right)^{\frac{1}{10}} \\ &= \left( \frac{1}{8} \right)^{\frac{1}{10}} \times 9^{\frac{1}{10}} \\ &= \left( \frac{9}{8} \right)^{\frac{1}{10}} \end{aligned}$$
$\frac{9}{8} > 1$ であり、$\frac{1}{10} > 0$ であるから、
$$\left( \frac{9}{8} \right)^{\frac{1}{10}} > 1^{\frac{1}{10}} = 1$$
したがって、$2^{-0.3} \times 3^{0.2} > 1$ である。
・$2 \sin 1234^\circ$ について
角度を扱いやすい大きさに変形する。$1234 = 3 \times 360 + 154$ より、
$$\sin 1234^\circ = \sin (3 \times 360^\circ + 154^\circ) = \sin 154^\circ$$
さらに変形して、
$$\sin 154^\circ = \sin (180^\circ - 26^\circ) = \sin 26^\circ$$
関数 $y = \sin \theta$ は $0^\circ \leqq \theta \leqq 90^\circ$ において単調増加である。$26^\circ < 30^\circ$ であるから、
$$\sin 26^\circ < \sin 30^\circ = \frac{1}{2}$$
よって、
$$2 \sin 1234^\circ = 2 \sin 26^\circ < 2 \times \frac{1}{2} = 1$$
したがって、$2 \sin 1234^\circ < 1$ である。
以上より、1 より大きい数は $\frac{2}{3} \log_2 3$ と $2^{-0.3} \times 3^{0.2}$ であり、1 より小さい数は $2 \sin 1234^\circ$ である。
解説
(1) 複素数の相等条件「$a, b, c, d$ が実数のとき、$a+bi = c+di \iff a=c$ かつ $b=d$」を利用する基礎的な計算問題である。分母の実数化をミスなく実行することが求められる。
(2) 対数、指数、三角比の大小比較の基本問題。それぞれの定義や性質に従い、比較しやすい形に変形することがポイントである。 対数は真数を比較する、指数は累乗して底を揃えるか共通の累乗根の形にする、三角比は鋭角に直して有名角と比較する、という基本定石を確認できる。
答え
(1)
$$x = \frac{8}{25}, \quad y = -\frac{6}{25}$$
(2) 1 より大きい数:$\frac{2}{3} \log_2 3, \quad 2^{-0.3} \times 3^{0.2}$ 1 より小さい数:$2 \sin 1234^\circ$
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