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九州大学 1997年 文系 第5問 解説

数学A/図形の性質数学2/三角関数テーマ/図形総合
九州大学 1997年 文系 第5問 解説

方針・初手

(1) は角の二等分線、垂直二等分線に関する基本的な軌跡の条件を確認する問題です。

(2) は(1)の事実を用いて、三角形の角の二等分線と外接円が絡む図形の性質を証明します。内心と傍心の性質に関する有名な構図(Trillium theorem)を背景としており、角の追跡によって二等辺三角形や直角三角形を見出すことがポイントになります。

解法1

(1)

① 点 $X$ が $\angle JPK$ の二等分線上にあるとき、角の二等分線の性質より、点 $X$ から角をなす 2 直線 $a, b$ に下ろした垂線の長さは等しくなります。よって、$XJ = XK$ が成り立ちます。

② 点 $X$ が線分 $CD$ の垂直二等分線上にあるとき、垂直二等分線の性質より、点 $X$ は線分 $CD$ の両端 $C, D$ から等距離にあります。よって、$XC = XD$ が成り立ちます。

(2)

$\triangle ABC$ の外接円において、同一の弧に対する円周角の定理を用います。

弧 $CD$ に対する円周角より、

$$\angle DBC = \angle DAC$$

弧 $BD$ に対する円周角より、

$$\angle DCB = \angle DAB$$

ここで、直線 $AD$ は $\angle A$ の二等分線であるから、$\angle DAB = \angle DAC$ が成り立ちます。

よって、

$$\angle DBC = \angle DCB = \angle DAB = \angle DAC$$

となります。

次に、$\triangle DBX$ において、仮定より $DB = DX$ であるから、$\triangle DBX$ は二等辺三角形であり、底角は等しくなります。

$$\angle DXB = \angle DBX$$

また、$\triangle ABX$ において、外角はそれと隣り合わない 2 つの内角の和に等しいので、

$$\angle DXB = \angle BAX + \angle ABX = \angle DAB + \angle ABX$$

一方、図より

$$\angle DBX = \angle DBC + \angle CBX$$

と表せます。

これらを $\angle DXB = \angle DBX$ に代入すると、

$$\angle DAB + \angle ABX = \angle DBC + \angle CBX$$

ここで、先ほど示した $\angle DAB = \angle DBC$ を用いると、

$$\angle ABX = \angle CBX$$

が導かれます。

これは、半直線 $BX$ が $\angle ABC$ の二等分線であることを意味します。

したがって、(1) ① の事実より、$\angle B$ の二等分線上にある点 $X$ から直線 $BC, AB$ にひいた垂線の長さは等しくなります。

点 $Y$ は直線 $AD$ の延長上にあり、直線 $BC, AB$ にひいた垂線の長さが等しい点です。

(1) ① の事実より、直線 $BC, AB$ から等距離にある点 $Y$ は、これら 2 直線のなす角の二等分線上に存在します。

点 $Y$ の位置について考えます。

点 $Y$ は線分 $AD$ の $D$ 側への延長上にあるため、直線 $BC$ に関して頂点 $A$ とは反対側にあります。

また、半直線 $AD$ は $\angle BAC$ の内部を通るため、点 $Y$ は直線 $AB$ に関しては頂点 $C$ と同じ側にあります。

したがって、点 $Y$ は、線分 $AB$ の $B$ を越える延長上の半直線と、半直線 $BC$ とがなす角(すなわち $\angle ABC$ の外角)の内部に存在します。

ゆえに、半直線 $BY$ は $\angle B$ の外角の二等分線となります。

① の結果より、半直線 $BX$ は $\angle B$ の内角の二等分線です。

内角の二等分線と外角の二等分線がなす角は $90^\circ$ であるため、

$$\angle XBY = 90^\circ$$

が成り立ち、$\triangle XBY$ は直角三角形となります。

ここで、$\triangle DBY$ の角について調べます。

$$\angle DBY = \angle XBY - \angle DBX = 90^\circ - \angle DXB$$

また、$\triangle XBY$ は直角三角形であり、$X, D, Y$ はこの順に一直線上にあるため、内角の和より、

$$\angle DYB = 180^\circ - \angle XBY - \angle DXY = 90^\circ - \angle DXB$$

したがって、

$$\angle DBY = \angle DYB$$

となり、$\triangle DBY$ は $DB = DY$ の二等辺三角形であることがわかります。

仮定より $DB = DX$ であるから、$DX = DY$ が成り立ちます。

点 $D$ は線分 $XY$ 上にあるため、$D$ は線分 $XY$ の中点となります。

解説

本問は、三角形の内心・傍心に関する有名構図(マンカールの定理の一部や、Trillium theorem(エンレイソウの定理)と呼ばれるもの)を誘導形式で証明させる問題です。

点 $X$ は $\triangle ABC$ の内心($\angle A$ と $\angle B$ の二等分線の交点となるため)であり、点 $Y$ は $\triangle ABC$ の $\angle A$ 内の傍心となります。

外接円の弧の中点 $D$ は、内心 $X$、傍心 $Y$、および頂点 $B, C$ を通る円の中心となるという美しい性質があり、本問の結果 $DB = DC = DX = DY$ はまさにその事実を示しています。

角の追跡(円周角の定理、外角の性質、二等辺三角形の底角)を丁寧に行えば、自然と結論に辿り着くことができます。

答え

(1) [あ] $XK$ [い] $XC$ [う] $XD$ ([い], [う] は順不同)

(2) ① 半直線 $BX$ が $\angle B$ の二等分線であることを示し、(1)①を用いることで示された。 ② 半直線 $BY$ が $\angle B$ の外角の二等分線となることから $\triangle XBY$ が直角三角形であることを導き、角の計算によって $DX = DB = DY$ を示すことで示された。

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