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九州大学 1999年 文系 第1問 解説

数学1/二次関数数学1/方程式不等式テーマ/最大・最小
九州大学 1999年 文系 第1問 解説

方針・初手

(1) は2次方程式の解の配置問題です。関数 $y = f(x)$ のグラフ(下に凸な放物線)を考え、実数解 $\alpha, \beta$ が $\alpha \leqq 1 \leqq \beta$ を満たすための条件を、端点 $x=1$ における関数の値 $f(1)$ の符号から決定します。 (2) は、まず $f(x)$ を平方完成して $x$ についての最小値を $k$ の関数として表します。次に、その関数が (1) で求めた $k$ の定義域においてとりうる値の範囲を、再度平方完成を用いて求めます。

解法1

(1)

$f(x) = x^2 - 2kx + \frac{1}{5}(2k-1)(4k-3)$ とおく。 関数 $y = f(x)$ のグラフは下に凸な放物線である。 方程式 $f(x) = 0$ が $\alpha \leqq 1 \leqq \beta$ をみたす実数解をもつための条件は、放物線が $x=1$ において $x$ 軸と交わる、または接する、または $x$ 軸より下にあることである。すなわち、

$$f(1) \leqq 0$$

を満たすことである。(このとき、判別式 $D \geqq 0$ は自動的に満たされる。)

$$f(1) = 1^2 - 2k \cdot 1 + \frac{1}{5}(8k^2 - 10k + 3)$$

$$f(1) = 1 - 2k + \frac{8}{5}k^2 - 2k + \frac{3}{5}$$

$$f(1) = \frac{8}{5}k^2 - 4k + \frac{8}{5}$$

これが $0$ 以下となるので、

$$\frac{8}{5}k^2 - 4k + \frac{8}{5} \leqq 0$$

両辺に $\frac{5}{4}$ を掛けて整理する。

$$2k^2 - 5k + 2 \leqq 0$$

左辺を因数分解する。

$$(2k - 1)(k - 2) \leqq 0$$

これを解いて、$k$ の値の範囲は

$$\frac{1}{2} \leqq k \leqq 2$$

(2)

$f(x)$ を平方完成して最小値を求める。

$$\begin{aligned} f(x) &= x^2 - 2kx + \frac{1}{5}(8k^2 - 10k + 3) \\ &= (x - k)^2 - k^2 + \frac{8}{5}k^2 - 2k + \frac{3}{5} \\ &= (x - k)^2 + \frac{3}{5}k^2 - 2k + \frac{3}{5} \end{aligned}$$

よって、$f(x)$ の最小値は $x = k$ のときであり、この最小値を $m(k)$ とおくと、

$$m(k) = \frac{3}{5}k^2 - 2k + \frac{3}{5}$$

(1) より、$k$ のとりうる値の範囲は $\frac{1}{2} \leqq k \leqq 2$ である。この範囲における $m(k)$ のとりうる値の範囲を求めるため、$m(k)$ を平方完成する。

$$\begin{aligned} m(k) &= \frac{3}{5} \left( k^2 - \frac{10}{3}k \right) + \frac{3}{5} \\ &= \frac{3}{5} \left( k - \frac{5}{3} \right)^2 - \frac{3}{5} \cdot \left( \frac{5}{3} \right)^2 + \frac{3}{5} \\ &= \frac{3}{5} \left( k - \frac{5}{3} \right)^2 - \frac{5}{3} + \frac{3}{5} \\ &= \frac{3}{5} \left( k - \frac{5}{3} \right)^2 - \frac{16}{15} \end{aligned}$$

関数 $y = m(k)$ のグラフは、軸が直線 $k = \frac{5}{3}$ の下に凸な放物線である。 定義域 $\frac{1}{2} \leqq k \leqq 2$ の中に軸 $k = \frac{5}{3}$ が含まれるため、最小値は頂点における値をとる。

最小値:$k = \frac{5}{3}$ のとき、$-\frac{16}{15}$

最大値は、軸 $k = \frac{5}{3}$ から遠い方の定義域の端点でとる。 $\left| \frac{1}{2} - \frac{5}{3} \right| = \frac{7}{6}$、$\left| 2 - \frac{5}{3} \right| = \frac{1}{3} = \frac{2}{6}$ より、軸から遠いのは $k = \frac{1}{2}$ のときである。

最大値:$k = \frac{1}{2}$ のとき、

$$\begin{aligned} m \left( \frac{1}{2} \right) &= \frac{3}{5} \cdot \left( \frac{1}{2} \right)^2 - 2 \cdot \frac{1}{2} + \frac{3}{5} \\ &= \frac{3}{20} - 1 + \frac{12}{20} \\ &= \frac{15}{20} - 1 \\ &= \frac{3}{4} - 1 \\ &= -\frac{1}{4} \end{aligned}$$

したがって、$f(x)$ の最小値がとりうる値の範囲は、$-\frac{16}{15} \leqq m(k) \leqq -\frac{1}{4}$ となる。

解説

(1) は「2次方程式の解の配置問題」と呼ばれる典型問題です。$\alpha \leqq 1 \leqq \beta$ という条件は、関数 $y=f(x)$ のグラフが $x=1$ の位置で $x$ 軸以下にあること、すなわち $f(1) \leqq 0$ と同値であることを利用します。下に凸な放物線において、ある1点で負または0の値をとれば、必然的に $x$ 軸と交点(または接点)をもつため、判別式 $D \geqq 0$ の確認は不要となります。

(2) は「関数の最小値の最大・最小」を求める問題です。変数が $x$ と $k$ の2つあるように見えますが、$x$ を動かして最小値 $m(k)$ を求めた後、次に $k$ を動かして $m(k)$ の範囲を求めるという2段階の処理を行います。軸の位置が定義域内に含まれるかどうかの確認と、定義域の両端のどちらが軸から遠いかの判定を正確に行うことがポイントです。

答え

(1) $\frac{1}{2} \leqq k \leqq 2$

(2) $-\frac{16}{15} \leqq f(x) \text{の最小値} \leqq -\frac{1}{4}$

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