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九州大学 1999年 文系 第2問 解説

数学1/立体図形数学2/三角関数テーマ/最大・最小テーマ/空間図形
九州大学 1999年 文系 第2問 解説

注意 画像の一部が不鮮明で、特に「(3)の分数の式」の読取りに不確実性があります。以下は「$\frac{PR^2}{OQ^2}$」として解釈した場合の解答解説です。

方針・初手

解法1

(1)

直円錐の底面の半径を $r$、高さを $h$、母線の長さを $R$ とすると、$r=1$、$h=\sqrt{3}$ である。 三平方の定理より、母線の長さ $R$ は

$$R = \sqrt{1^2 + (\sqrt{3})^2} = 2$$

となる。 円錐の側面の展開図は、半径 $R=2$ の扇形となる。この扇形の弧の長さは底面の円周と等しく $2\pi \times 1 = 2\pi$ である。 したがって、展開図の扇形の中心角を $\alpha$ とすると、$2 \times \alpha = 2\pi$ より $\alpha = \pi = 180^\circ$ となり、半円になる。

底面の円において、線分 $AB$ は直径であるから、底面の円周上における弧 $AB$ の長さは $\pi$ である。 展開図において、点 $A, B$ を結ぶ弧の長さも $\pi$ となるため、展開図の扇形の中心を $C$ とすると、

$$2 \times \angle ACB = \pi \implies \angle ACB = \frac{\pi}{2} = 90^\circ$$

となる。 側面上の最短の道 $l$ は、展開図においては 2点 $A, B$ を結ぶ線分となる。 $\triangle CAB$ は $\angle ACB = 90^\circ$ の直角二等辺三角形であるから、求める長さ $l$ は

$$l = AB = \sqrt{CA^2 + CB^2} = \sqrt{2^2 + 2^2} = 2\sqrt{2}$$

(2)

展開図において、$C$ を原点とする直交座標平面を考え、$A(2, 0)$、$B(0, 2)$ とおく。 線分 $AB$(道 $l$)の方程式は $x + y = 2$ である。 底面の円において $\angle AOQ = \theta$ であるから、弧 $AQ$ の長さは $1 \times \theta = \theta$ である。 展開図においても弧 $AQ$ の長さは $\theta$ であり、半径が 2 であるから、展開図における $\angle ACQ$ を $\phi$ とすると

$$2\phi = \theta \implies \phi = \frac{\theta}{2}$$

となる。したがって、直線 $CQ$ は $x$ 軸(直線 $CA$)と $\frac{\theta}{2}$ の角をなす。 点 $P$ は線分 $AB$ 上にあるため、$\triangle CAB$ の面積について次が成り立つ。

$$\triangle CAB = \triangle CAP + \triangle CBP$$

$$\frac{1}{2} CA \cdot CB \sin 90^\circ = \frac{1}{2} CA \cdot CP \sin\frac{\theta}{2} + \frac{1}{2} CB \cdot CP \sin\left(90^\circ - \frac{\theta}{2}\right)$$

$CA=CB=2$ を代入して整理すると、

$$2 = 2 \cdot CP \sin\frac{\theta}{2} + 2 \cdot CP \cos\frac{\theta}{2}$$

$$CP \left( \sin\frac{\theta}{2} + \cos\frac{\theta}{2} \right) = 1 \implies CP = \frac{1}{\sin\frac{\theta}{2} + \cos\frac{\theta}{2}}$$

あれ、面積の式の係数が違います。正しくは以下のように計算します。

$$\frac{1}{2} \cdot 2 \cdot 2 \cdot 1 = \frac{1}{2} \cdot 2 \cdot CP \sin\frac{\theta}{2} + \frac{1}{2} \cdot 2 \cdot CP \cos\frac{\theta}{2}$$

$$2 = CP \left( \sin\frac{\theta}{2} + \cos\frac{\theta}{2} \right) \implies CP = \frac{2}{\sin\frac{\theta}{2} + \cos\frac{\theta}{2}}$$

両辺を 2乗して $CP^2$ を求める。

$$CP^2 = \frac{4}{\left( \sin\frac{\theta}{2} + \cos\frac{\theta}{2} \right)^2} = \frac{4}{1 + 2\sin\frac{\theta}{2}\cos\frac{\theta}{2}} = \frac{4}{1 + \sin\theta}$$

$0^\circ \leqq \theta \leqq 180^\circ$ において $\sin\theta \geqq 0$ であるため、分母は 0 にならない。

(3)

空間に直交座標系 $O-xyz$ を導入し、底面の中心 $O$ を原点 $(0,0,0)$、円錐の頂点 $C$ を $(0,0,\sqrt{3})$ とする。 底面は $xy$ 平面上にあり、点 $A$ を $(1,0,0)$ とおく。 点 $Q$ は底面の円周上にあり、$\angle AOQ = \theta$ であるから、$Q(\cos\theta, \sin\theta, 0)$ と表せる。 点 $P$ は線分 $CQ$ 上にあり、$CQ$ の長さは母線の長さであるから 2 である。 $P$ は $CQ$ を $CP : PQ = CP : (2-CP)$ に内分する点であるから、位置ベクトル $\vec{OP}$ は

$$\vec{OP} = \frac{(2-CP)\vec{OC} + CP\vec{OQ}}{2} = \frac{2-CP}{2}\vec{OC} + \frac{CP}{2}\vec{OQ}$$

となる。 点 $P$ から直線 $OQ$ に下ろした垂線の足を $R$ とする。 $\vec{OC}$ は $xy$ 平面に垂直であるから、直線 $OQ$ にも垂直である。したがって、点 $P$ の $xy$ 平面への正射影を $P'$ とすると、$\vec{OP'} = \frac{CP}{2}\vec{OQ}$ となり、$P'$ は直線 $OQ$ 上にある。 よって、垂線の足 $R$ は $P'$ に一致し、線分 $PR$ は $z$ 軸に平行となる。 垂線 $PR$ の長さは点 $P$ の $z$ 座標に等しく、

$$PR = \frac{2-CP}{2} |\vec{OC}| = \frac{\sqrt{3}}{2} (2-CP)$$

となる。これを 2乗すると、

$$PR^2 = \frac{3}{4} (2-CP)^2$$

(2) の結果 $CP = \frac{2}{\sqrt{1+\sin\theta}}$ を代入して整理する。

$$PR^2 = \frac{3}{4} \left( 2 - \frac{2}{\sqrt{1+\sin\theta}} \right)^2 = 3 \left( 1 - \frac{1}{\sqrt{1+\sin\theta}} \right)^2$$

$OQ$ は底面の円の半径であるから、$OQ=1$ であり $OQ^2 = 1$ となる。 したがって、求める式は

$$\frac{PR^2}{OQ^2} = 3 \left( 1 - \frac{1}{\sqrt{1+\sin\theta}} \right)^2$$

となる。 $0^\circ < \theta \leqq 90^\circ$ の範囲において、$\sin\theta$ は $0 < \sin\theta \leqq 1$ で単調に増加する。 これに伴い $\sqrt{1+\sin\theta}$ は単調に増加し、$\frac{1}{\sqrt{1+\sin\theta}}$ は単調に減少するため、$1 - \frac{1}{\sqrt{1+\sin\theta}}$ は単調に増加する。 この値は正であるから、その 2乗も単調に増加する。 よって、$\frac{PR^2}{OQ^2}$ は $\theta = 90^\circ$ のとき最大値をとる。 $\theta = 90^\circ$ のとき $\sin\theta = 1$ であるから、最大値は

$$3 \left( 1 - \frac{1}{\sqrt{1+1}} \right)^2 = 3 \left( 1 - \frac{1}{\sqrt{2}} \right)^2 = 3 \left( 1 - \sqrt{2} + \frac{1}{2} \right) = \frac{9}{2} - 3\sqrt{2}$$

解説

立体図形上の最短距離を求める典型的な問題であり、展開図を用いて図形的に処理するアプローチが有効です。 (2) では、展開図上での角度と空間における角度の対応関係(展開図の中心角は空間の中心角の定数倍になること)に注意して $Q$ の位置を決定します。 (3) では、垂線 $PR$ の意味を空間座標から正しく読み解くことがポイントです。$P$ から直線 $OQ$ への垂線の足が、$P$ から底面に下ろした垂線の足と一致することに気づけば、複雑なベクトル計算を避けて容易に $PR$ の長さを立式できます。

答え

(1) $2\sqrt{2}$

(2) $CP^2 = \frac{4}{1 + \sin\theta}$

(3) $\frac{9}{2} - 3\sqrt{2}$

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