九州大学 1975年 理系 第6問 解説

方針・初手
「少なくとも〜」という確率を求める問題であるため、余事象の確率を考えるのが定石である。 (1) は「1回の試行において少なくとも1個に1の目が出る」事象を考え、その確率を求めてから $n$ 乗する。 (2) は「$n$ 回の試行において少なくとも1回、条件を満たす」事象を考えるため、$n$ 回全体を通して条件を満たすことが1回も起こらない確率を求め、全体から引く。
解法1
(1)
1回の試行で、$m$ 個のさいころを同時に振ることを考える。 「少なくとも1個のさいころに1の目が出る」という事象の余事象は、「$m$ 個のさいころすべてに1以外の目が出る」ことである。
1個のさいころを振って1以外の目が出る確率は $\frac{5}{6}$ である。 したがって、$m$ 個のさいころすべてに1以外の目が出る確率は
$$\left(\frac{5}{6}\right)^m$$
である。 ゆえに、1回の試行で「少なくとも1個のさいころに1の目が出る」確率は、余事象の確率を用いて
$$1 - \left(\frac{5}{6}\right)^m$$
と求められる。 このような試行を $n$ 回繰り返すとき、毎回の試行は互いに独立である。したがって、毎回「少なくとも1個のさいころに1の目が出る」確率は、上記の確率を $n$ 乗して
$$\left\{ 1 - \left(\frac{5}{6}\right)^m \right\}^n$$
となる。
(2)
1回の試行で、「すべてのさいころに1の目が出る」確率は
$$\left(\frac{1}{6}\right)^m$$
である。 「少なくとも1回、すべてのさいころに1の目が出る」という事象の余事象は、「$n$ 回の試行において、1回も『すべてのさいころに1の目が出る』ことが起こらない」ことである。
1回の試行で「すべてのさいころに1の目が出る」ことが起こらない確率は、余事象を考えて
$$1 - \left(\frac{1}{6}\right)^m$$
である。 このような試行を $n$ 回繰り返すとき、すべての回でこれが起こらない確率は
$$\left\{ 1 - \left(\frac{1}{6}\right)^m \right\}^n$$
となる。 したがって、求める確率は全体の $1$ からこれを引いて
$$1 - \left\{ 1 - \left(\frac{1}{6}\right)^m \right\}^n$$
となる。
解説
「少なくとも」というキーワードに着目し、余事象を正しく設定できるかを問う基本的な確率の問題である。
(1) と (2) で、「余事象をとるタイミング」が異なることに注意する必要がある。 (1) では「1回の試行」の中で「少なくとも」という条件があるため、1回あたりの余事象の確率を計算した上で、それを $n$ 回分掛け合わせる。 (2) では「$n$ 回の試行の反復全体」に対して「少なくとも1回」という条件があるため、反復全体としての余事象を考え、最後に $1$ から引く構成となる。
答え
(1)
$$\left\{ 1 - \left(\frac{5}{6}\right)^m \right\}^n$$
(2)
$$1 - \left\{ 1 - \left(\frac{1}{6}\right)^m \right\}^n$$
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