九州大学 2020年 理系 第4問 解説

方針・初手
4個のサイコロの目の出方は全部で $6^4 = 1296$ 通りであり、これらは同様に確からしい。 各設問において、積 $X$ が特定の倍数になる条件を、素因数 $2$ や $5$ の個数に注目して考える。 「〜の倍数になる」という条件は、「〜の倍数にならない」という余事象を考えた方が計算しやすい場合によく用いられる方針である。
解法1
4個のサイコロの目の出方は、全部で $6^4 = 1296$ 通りある。
(1)
$X$ が $25$ の倍数になるのは、$4$ 個の目の積に素因数 $5$ が $2$ 個以上含まれる場合である。 サイコロの目で素因数 $5$ を持つのは「$5$」の目のみであるから、$4$ 個のサイコロのうち「$5$」の目が $2$ 回以上出ればよい。 ここで、余事象である「$5$ の目が $1$ 回以下しか出ない」場合を考える。
(i) 「$5$」の目が $0$ 回出る場合
$4$ 回とも「$5$ 以外の目」($1, 2, 3, 4, 6$ の $5$ 通り)が出るので、その場合の数は、
$$ 5^4 = 625 \text{ (通り)} $$
(ii) 「$5$」の目がちょうど $1$ 回出る場合
$4$ 回のサイコロのうちどの $1$ 回で「$5$」が出るかの選び方が ${}_4\mathrm{C}_1$ 通りあり、残りの $3$ 回は「$5$ 以外の目」が出るので、その場合の数は、
$$ {}_4\mathrm{C}_1 \times 1 \times 5^3 = 4 \times 125 = 500 \text{ (通り)} $$
(i) と (ii) は互いに排反であるから、余事象の場合の数は、
$$ 625 + 500 = 1125 \text{ (通り)} $$
したがって、求める確率は、
$$ 1 - \frac{1125}{1296} = \frac{171}{1296} = \frac{19}{144} $$
(2)
$X$ が $4$ の倍数にならない(素因数 $2$ が $1$ 個以下しか含まれない)余事象を考える。 これは次の2つの場合に分けられる。
(i) $X$ が奇数(素因数 $2$ を含まない)になる場合
$4$ 回とも「奇数の目」($1, 3, 5$ の $3$ 通り)が出るので、その場合の数は、
$$ 3^4 = 81 \text{ (通り)} $$
(ii) $X$ が偶数だが $4$ の倍数ではない(素因数 $2$ をちょうど $1$ 個含む)場合
素因数 $2$ をちょうど $1$ 個だけ含む目は「$2, 6$」の $2$ 通りであり、素因数 $2$ を $2$ 個含む目「$4$」は出ない。 すなわち、$4$ 回のうち $1$ 回だけ「$2$ または $6$」が出て、残りの $3$ 回は「奇数の目」が出る場合である。 その場合の数は、
$$ {}_4\mathrm{C}_1 \times 2 \times 3^3 = 4 \times 2 \times 27 = 216 \text{ (通り)} $$
(i) と (ii) は互いに排反であるから、余事象の場合の数は、
$$ 81 + 216 = 297 \text{ (通り)} $$
したがって、求める確率は、
$$ 1 - \frac{297}{1296} = \frac{999}{1296} = \frac{111}{144} = \frac{37}{48} $$
(3)
$X$ が $100$ の倍数になるのは、$X$ が $25$ の倍数であり、かつ $4$ の倍数である場合である。 (1)より、$X$ が $25$ の倍数になる(「$5$」の目が $2$ 回以上出る)場合の数は $171$ 通りである。 このうち、$X$ が $4$ の倍数になるものを直接数え上げる。 「$5$」の目が出る回数で場合分けする。
(i) 「$5$」の目が $4$ 回出る場合
積 $X = 5^4$ は奇数であり、$4$ の倍数にはならない。よって、条件を満たす目の出方は $0$ 通り。
(ii) 「$5$」の目が $3$ 回出る場合
残り $1$ 回の目が「$5$ 以外の目」である。この積が $4$ の倍数になるためには、残り $1$ 回の目が「$4$」でなければならない。 「$4$」の目が出るサイコロの選び方は ${}_4\mathrm{C}_1$ 通りあるので、その場合の数は、
$$ {}_4\mathrm{C}_1 \times 1 = 4 \text{ (通り)} $$
(iii) 「$5$」の目が $2$ 回出る場合
$4$ 回のサイコロのうち「$5$」の目が出る $2$ 回の選び方は ${}_4\mathrm{C}_2 = 6$ 通り。 残り $2$ 回は「$5$ 以外の目」($1, 2, 3, 4, 6$ の $5$ 通り)が出る。 この $2$ 回の目の出方 $5^2 = 25$ 通りのうち、その積が $4$ の倍数にならない(余事象の)場合を考える。 積が $4$ の倍数にならないのは以下の2パターンである。
・$2$ 回とも奇数の目($1, 3$ の $2$ 通り)が出る場合:$2^2 = 4$ 通り ・$1$ 回は奇数の目、もう $1$ 回は「$2$ または $6$」の目が出る場合:${}_2\mathrm{C}_1 \times 2 \times 2 = 8$ 通り
よって、積が $4$ の倍数にならないのは $4 + 8 = 12$ 通り。 したがって、積が $4$ の倍数になるのは $25 - 12 = 13$ 通りである。 これより、条件を満たす場合の数は、
$$ 6 \times 13 = 78 \text{ (通り)} $$
(i), (ii), (iii) は互いに排反であるから、$X$ が $100$ の倍数になる場合の数は、
$$ 0 + 4 + 78 = 82 \text{ (通り)} $$
したがって、求める確率は、
$$ \frac{82}{1296} = \frac{41}{648} $$
解説
素因数分解の一意性を利用し、積が特定の倍数になる条件を「各素因数の個数」に言い換えるのが定石である。 「〜以上」という条件が現れる(1)や、条件が複数にまたがる(2)では、直接数えるよりも余事象を考える方が計算量が少なく、数え漏らしも防ぎやすい。 (3)では、(1)で絞り込んだ「$25$ の倍数になる」という条件をベースにして、さらに「$4$ の倍数になる」条件を付加して数え上げることで、見通しよく処理できる。
答え
(1) $\frac{19}{144}$
(2) $\frac{37}{48}$
(3) $\frac{41}{648}$
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