九州大学 1977年 理系 第3問 解説

方針・初手
取り出した3枚のカードに書かれた数字を $a, b, c$ とする。 これらを3辺の長さの比とする三角形がつくれるための必要十分条件は、最大の長さをもつ辺を $c$ としたとき、$a+b>c$ が成り立つことである(三角不等式)。 本問ではカードの数字が1と2のみであるため、取り出す3枚の数字の組合せについて、それぞれ三角形が成立するかどうかをあらかじめ分類しておくことが初手となる。
解法1
取り出す3枚のカードに書かれた数字の組合せは、$\{1, 1, 1\}, \{1, 1, 2\}, \{1, 2, 2\}, \{2, 2, 2\}$ の4パターンが考えられる。 それぞれの組合せにおいて、三角形が作れるかどうかを調べる。
- $\{1, 1, 1\}$ のとき、$1+1>1$ より三角形がつくれる(正三角形)。
- $\{1, 1, 2\}$ のとき、$1+1=2$ より三角形はつくれない。
- $\{1, 2, 2\}$ のとき、$1+2>2$ より三角形がつくれる(二等辺三角形)。
- $\{2, 2, 2\}$ のとき、$2+2>2$ より三角形がつくれる(正三角形)。
したがって、取り出した3枚で三角形が「つくれない」のは、数字の組合せが $\{1, 1, 2\}$ のときのみである。
(1)
12枚のカードから同時に3枚を取り出す場合の数は
$$_{12}\mathrm{C}_{3} = \frac{12 \cdot 11 \cdot 10}{3 \cdot 2 \cdot 1} = 220 \text{ 通り}$$
である。
このうち、三角形がつくれない、すなわち $\{1, 1, 2\}$ を取り出す場合の数は、1のカード5枚から2枚、2のカード7枚から1枚を取り出すので
$$_{5}\mathrm{C}_{2} \times _{7}\mathrm{C}_{1} = 10 \times 7 = 70 \text{ 通り}$$
となる。
よって、三角形がつくれない確率は
$$\frac{70}{220} = \frac{7}{22}$$
求めるのは三角形がつくれる確率であるから、余事象の確率より
$$1 - \frac{7}{22} = \frac{15}{22}$$
(2)
「初めに取り出したときはつくれないが、次に取り出したときは3角形がつくれる」という事象は、「1回目に $\{1, 1, 2\}$ を取り出し、2回目に $\{1, 1, 2\}$ 以外の組合せを取り出す」ことである。
1回目に $\{1, 1, 2\}$ を取り出す事象を $A$、2回目に $\{1, 1, 2\}$ を取り出す事象を $B$ とすると、求める確率は $P(A \cap \overline{B})$ である。
事象 $A$ が起こる確率は、(1)より
$$P(A) = \frac{7}{22}$$
である。
事象 $A$ が起こった後、箱に残っているカードは、1が3枚、2が6枚の合計9枚である。 この9枚から3枚を取り出す場合の数は
$$_{9}\mathrm{C}_{3} = \frac{9 \cdot 8 \cdot 7}{3 \cdot 2 \cdot 1} = 84 \text{ 通り}$$
このうち、三角形が「つくれない」、すなわち再び $\{1, 1, 2\}$ を取り出す場合の数は、残っている1のカード3枚から2枚、2のカード6枚から1枚を取り出すので
$$_{3}\mathrm{C}_{2} \times _{6}\mathrm{C}_{1} = 3 \times 6 = 18 \text{ 通り}$$
よって、事象 $A$ が起こった条件の下で、事象 $B$ が起こる条件付き確率は
$$P_{A}(B) = \frac{18}{84} = \frac{3}{14}$$
したがって、事象 $A$ が起こった条件の下で、2回目に三角形がつくれる(事象 $\overline{B}$ が起こる)確率は
$$P_{A}(\overline{B}) = 1 - P_{A}(B) = 1 - \frac{3}{14} = \frac{11}{14}$$
乗法定理により、求める確率は
$$P(A \cap \overline{B}) = P(A) \times P_{A}(\overline{B}) = \frac{7}{22} \times \frac{11}{14} = \frac{1}{4}$$
解説
取り出すカードの組み合わせと、三角形の成立条件を正しく結びつけることがポイントである。 3辺の長さを $a, b, c$ とし、最大辺を $c$ としたとき、$a+b>c$ が成立するかどうかを確認すればよい。
「三角形がつくれる」条件を直接数え上げることも可能だが、「三角形がつくれない」条件が $\{1, 1, 2\}$ の1パターンしかないことに気づけば、余事象を活用して計算量を大幅に減らし、計算ミスを防ぐことができる。
(2) は、1回目の試行によって箱の中のカードの構成が変化することに注意し、条件付き確率(または乗法定理)を用いて処理する、確率における典型的な手順を問う問題である。
答え
(1)
$$\frac{15}{22}$$
(2)
$$\frac{1}{4}$$
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