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東京工業大学 1975年 理系 第5問 解説

数学A/確率数学A/場合の数テーマ/場合分け
東京工業大学 1975年 理系 第5問 解説

方針・初手

Aの箱からどの色の球を取り出すかによって、Bの箱から引くくじの本数が変わる。そのため、Aの箱から「赤球を取り出す場合」「青球を取り出す場合」「白球を取り出す場合」の3つの事象に分けて確率を計算する。

(1)は各場合において「ちょうど1本の当たりくじを引く確率」を求め、それらを足し合わせる。(2)は「少なくとも1本当たる確率」であるため、余事象である「すべてはずれくじを引く確率」を求め、全体から引く方針をとると計算が楽になる。

解法1

Aの箱には赤球1個、青球2個、白球3個の計6個の球が入っているため、それぞれの色の球を取り出す確率は以下の通りである。

$$ \begin{aligned} \text{赤球:} & \frac{1}{6} \\ \text{青球:} & \frac{2}{6} = \frac{1}{3} \\ \text{白球:} & \frac{3}{6} = \frac{1}{2} \end{aligned} $$

Bの箱には、当たりくじ3本とはずれくじ7本の計10本が入っている。

(1) ちょうど1本当たる確率

[1] 赤球を取り出し、かつ3本のくじからちょうど1本当たる確率

$$ \frac{1}{6} \times \frac{{}_{3}\mathrm{C}_{1} \times {}_{7}\mathrm{C}_{2}}{{}_{10}\mathrm{C}_{3}} = \frac{1}{6} \times \frac{3 \times 21}{120} = \frac{1}{6} \times \frac{63}{120} = \frac{7}{80} $$

[2] 青球を取り出し、かつ2本のくじからちょうど1本当たる確率

$$ \frac{1}{3} \times \frac{{}_{3}\mathrm{C}_{1} \times {}_{7}\mathrm{C}_{1}}{{}_{10}\mathrm{C}_{2}} = \frac{1}{3} \times \frac{3 \times 7}{45} = \frac{1}{3} \times \frac{21}{45} = \frac{7}{45} $$

[3] 白球を取り出し、かつ1本のくじからちょうど1本当たる確率

$$ \frac{1}{2} \times \frac{{}_{3}\mathrm{C}_{1}}{{}_{10}\mathrm{C}_{1}} = \frac{1}{2} \times \frac{3}{10} = \frac{3}{20} $$

事象 [1], [2], [3] は互いに排反であるから、求める確率はこれらの和となる。

$$ \frac{7}{80} + \frac{7}{45} + \frac{3}{20} = \frac{63}{720} + \frac{112}{720} + \frac{108}{720} = \frac{283}{720} $$

(2) 少なくとも1本当たる確率

余事象である「1本も当たらない(すべてはずれくじを引く)確率」を求める。

[1] 赤球を取り出し、かつ3本のくじがすべてはずれる確率

$$ \frac{1}{6} \times \frac{{}_{7}\mathrm{C}_{3}}{{}_{10}\mathrm{C}_{3}} = \frac{1}{6} \times \frac{35}{120} = \frac{7}{144} $$

[2] 青球を取り出し、かつ2本のくじがすべてはずれる確率

$$ \frac{1}{3} \times \frac{{}_{7}\mathrm{C}_{2}}{{}_{10}\mathrm{C}_{2}} = \frac{1}{3} \times \frac{21}{45} = \frac{7}{45} $$

[3] 白球を取り出し、かつ1本のくじがはずれる確率

$$ \frac{1}{2} \times \frac{{}_{7}\mathrm{C}_{1}}{{}_{10}\mathrm{C}_{1}} = \frac{1}{2} \times \frac{7}{10} = \frac{7}{20} $$

これらは互いに排反であるから、1本も当たらない確率はこれらの和となる。

$$ \frac{7}{144} + \frac{7}{45} + \frac{7}{20} = \frac{35}{720} + \frac{112}{720} + \frac{252}{720} = \frac{399}{720} = \frac{133}{240} $$

したがって、求める「少なくとも1本当たる確率」は、全体(1)からこの余事象の確率を引いたものである。

$$ 1 - \frac{133}{240} = \frac{107}{240} $$

解説

条件付き確率や全確率の定理の基礎となる、原因の分岐に応じた確率の計算問題である。最初の試行(Aの箱からの球の取り出し)によって次の試行(Bの箱からのくじ引き)の条件(引く本数)が変わるため、事象を適切に分割し、それぞれで乗法定理を用いる基本手順を確実にこなすことが求められる。(2)の「少なくとも〜」という表現を見た際に、迷わず余事象を利用する方針を立てられるかがポイントとなる。

答え

(1) $\frac{283}{720}$

(2) $\frac{107}{240}$

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