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九州大学 1996年 理系 第4問 解説

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九州大学 1996年 理系 第4問 解説

方針・初手

各グループから「最も小さい数の書かれたカード」が取り出されるというルールに注目する。ある特定の数 $k$ が取り出されるための条件は、そのグループが「$k$」と「$k$ より大きい数2枚」で構成されることである。

確率を求めるにあたり、以下の2つのアプローチが考えられる。

  1. 9枚のカードを3枚ずつ3グループに分ける全事象の数を分母とし、条件を満たす分け方の数を分子とする。(解法1)
  2. カードが入る9つの「枠」を想定し、特定のカードが条件を満たす枠に配置される確率を乗法定理を用いて順に掛け合わせる。(解法2)

本問においては、どちらの方法でも簡潔に答えを導くことができる。

解法1

9枚のカードを3枚ずつの3つのグループに分ける方法の総数を $N$ とすると、

$$N = \frac{{}_9C_3 \times {}_6C_3}{3!} = \frac{84 \times 20}{6} = 280 \text{ (通り)}$$

であり、これらは同様に確からしい。

(1)

取り出された3枚のカードの中に4が含まれるのは、ある1つのグループが「4」と「5から9までの5枚のカードのうち2枚」で構成されるときである。 このようなグループの作り方は

$${}_5C_2 = 10 \text{ (通り)}$$

ある。

残りの6枚のカードを3枚ずつの2つのグループに分ける方法は

$$\frac{{}_6C_3}{2!} = \frac{20}{2} = 10 \text{ (通り)}$$

ある。

したがって、取り出された3枚の中に4が含まれるようなグループ分けの方法は

$$10 \times 10 = 100 \text{ (通り)}$$

よって、求める確率は

$$\frac{100}{280} = \frac{5}{14}$$

(2)

取り出された3枚のカードの数字の中で4が最大であるためには、次の2つの条件を同時に満たす必要がある。 ・4が取り出される((1) の条件)。 ・他の2つのグループから取り出されるカード(最小のカード)が、どちらも4より小さい。

4より小さいカードは 1, 2, 3 の3枚である。 (1) の条件を満たす100通りの分け方において、残りの2つのグループは「1, 2, 3の3枚」と「5から9までのうち使われなかった3枚」の合計6枚から作られる。

もし、この6枚を分ける際に「1, 2, 3」の3枚がすべて同じグループになった場合、そのグループから取り出される数は1となるが、もう一方のグループは「5以上の3枚」のみで構成されるため、取り出される数は5以上となってしまう。このとき、取り出される3枚のカードの最大の数は5以上となり、条件を満たさない。

逆に、「1, 2, 3」が2つのグループに分かれて配置される場合、各グループには必ず「1, 2, 3」のいずれかが含まれるため、それぞれのグループから取り出される数は4未満となる。このとき、取り出される3枚の中で4が最大となる。

したがって、(1) の100通りのうち、「1, 2, 3」が同じグループになる場合を除けばよい。 「4が取り出される」かつ「1, 2, 3が同じグループになる」分け方は、 ・「4」と「5以上の5枚から2枚」のグループを作る:${}_5C_2 = 10$ 通り ・残りの6枚は、「1, 2, 3のグループ」と「5以上の残り3枚のグループ」に分かれる:1通り より、

$$10 \times 1 = 10 \text{ (通り)}$$

ある。

条件を満たす分け方は

$$100 - 10 = 90 \text{ (通り)}$$

よって、求める確率は

$$\frac{90}{280} = \frac{9}{28}$$

解法2

9枚のカードが収まる、3枠ずつ3つのグループ(合計9枠)を考える。

(1)

4がどこか特定の1枠に入ったとする。 4がそのグループで最小の数として取り出されるためには、同じグループの残り2つの枠に、5以上の数(5, 6, 7, 8, 9のいずれか)が入ればよい。

残りの空き枠は8つであり、そのうち4と同じグループの枠は2つである。 5以上のカードは5枚あるので、この2つの枠の両方に5以上のカードが入る確率は

$$\frac{5}{8} \times \frac{4}{7} = \frac{5}{14}$$

これが求める確率である。

(2)

(1) の条件が満たされたとする。このとき、4を含むグループは完成しており、残りの空き枠は6つ(3枠のグループが2つ)である。 この6つの枠に、残っているカード(1, 2, 3の3枚と、5以上のカード3枚)を配置する。

取り出された3枚の中で4が最大になるためには、残りの2つのグループから取り出される最小のカードがどちらも4未満、すなわち1, 2, 3のいずれかであればよい。 これは、1, 2, 3の3枚が同じグループ(同じ3つの枠)に固まって入らないことと同値である。

1が残りの6枠のどこかに入ったとする。残りの空き枠は5つであり、そのうち1と同じグループの枠は2つである。 2と3が、1と同じグループの2枠に両方とも入ってしまう確率は

$$\frac{2}{5} \times \frac{1}{4} = \frac{1}{10}$$

したがって、1, 2, 3が同じグループに入らない(分かれて配置される)確率は、余事象を考えて

$$1 - \frac{1}{10} = \frac{9}{10}$$

求める確率は、(1) の事象が起こり、さらにこの条件が満たされる確率であるから、

$$\frac{5}{14} \times \frac{9}{10} = \frac{9}{28}$$

解説

グループ分けと確率の典型的な問題である。グループを区別せずに全事象の組合せの数を数え上げる「解法1」が最も標準的であるが、特定のカードの行方に注目して確率を直接掛け合わせる「解法2」を習得しておくと、計算量が大幅に減り、ミスを防ぎやすくなる。

(2) において、「4が最大になる」という条件を「他の2グループの最小値がどちらも4未満になる」と言い換え、さらにそれを「1, 2, 3が同じグループに固まらない」という配置の条件に翻訳できるかが最大の山場である。このように、扱いづらい条件を「余事象」や「要素の配置」に帰着させる思考プロセスは、確率分野で非常に重要である。

答え

(1)

$$\frac{5}{14}$$

(2)

$$\frac{9}{28}$$

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