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九州大学 1998年 理系 第5問 解説

数学A/場合の数数学B/数列数学A/図形の性質テーマ/数学的帰納法テーマ/空間図形
九州大学 1998年 理系 第5問 解説

注意

画像の一部((3)の「右図」)がトリミングされており確認できません。以下は、(1)と(2)の誘導および文脈から、「各段の台は上から順に(または下から順に)、辺の長さが $1, 2, \dots, n$ の正三角形を底面とする正三角柱である」と解釈した場合の解答解説です。

方針・初手

(1) は自然数 $n$ に関する等式の証明なので、数学的帰納法を用いるのが定石です。 (2) は実際に図を描いて規則性を見出します。正三角形の面積比からタイルの個数を求めるのが簡明です。 (3) は(1)と(2)の誘導に乗ります。(2)より辺の長さ $k$ の正三角形の台を作るのに必要なブロック数がわかり、その体積を $k$ を用いて表します。それを $n$ 段分足し合わせる際に、(1)の和の公式を用います。

解法1

(1)

$$1^2 + 2^2 + 3^2 + \cdots\cdots + n^2 = \frac{1}{6}n(n+1)(2n+1)$$

を数学的帰納法によって証明する。

(I) $n=1$ のとき

(左辺) $= 1^2 = 1$

(右辺) $= \frac{1}{6} \cdot 1 \cdot (1+1) \cdot (2\cdot 1+1) = \frac{1}{6} \cdot 1 \cdot 2 \cdot 3 = 1$

よって、$n=1$ のとき与式は成り立つ。

(II) $n=k$($k$ は自然数)のとき、与式が成り立つと仮定する。すなわち、

$$1^2 + 2^2 + 3^2 + \cdots\cdots + k^2 = \frac{1}{6}k(k+1)(2k+1)$$

が成り立つと仮定する。

$n=k+1$ のときの左辺を考えると、仮定より、

$$\begin{aligned} 1^2 + 2^2 + 3^2 + \cdots\cdots + k^2 + (k+1)^2 &= \frac{1}{6}k(k+1)(2k+1) + (k+1)^2 \\ &= \frac{1}{6}(k+1) \{ k(2k+1) + 6(k+1) \} \\ &= \frac{1}{6}(k+1)(2k^2 + 7k + 6) \\ &= \frac{1}{6}(k+1)(k+2)(2k+3) \\ &= \frac{1}{6}(k+1) \{(k+1)+1\} \{2(k+1)+1\} \end{aligned}$$

となり、$n=k+1$ のときも与式は成り立つ。

(I), (II) より、すべての自然数 $n$ について与えられた等式は成り立つ。

(2)

(i)

各辺を $m$ 等分し、各等分点を通る各辺に平行な直線を引くことで張りつめることができる。解答用紙には以下のように作図する。

(ii)

辺の長さ $m$ の正三角形と辺の長さ 1 の正三角形は相似であり、相似比は $m : 1$ である。

したがって、それらの面積比は $m^2 : 1^2 = m^2 : 1$ となる。

辺の長さ 1 の正三角形のタイルをすき間なく重なりなく張りつめるため、必要なタイルの個数は面積比に等しい。

ゆえに、必要なタイルの個数は $m^2$ 個である。

(3)

真横から見た図に小四角形(辺の長さ 1 の正方形)が並んでいることから、各段の台は、辺の長さが自然数となる正三角形を底面とする高さ 1 の正三角柱であることがわかる。

(1)と(2)の誘導より、台を $n$ 段積み上げたとき、各段の台の底面である正三角形の辺の長さは $1, 2, 3, \cdots, n$ となっていると解釈できる。(上から順か下から順かは体積の総和には影響しない)

ここで、辺の長さ 1 の正三角形を底面とする高さ 1 の正三角柱のブロック 1 つの体積を $V_1$ とすると、底面の正三角形の面積は $\frac{1}{2} \cdot 1 \cdot 1 \cdot \sin 60^\circ = \frac{\sqrt{3}}{4}$ であるから、

$$V_1 = \frac{\sqrt{3}}{4} \cdot 1 = \frac{\sqrt{3}}{4}$$

である。

(2)(ii) より、辺の長さ $k$ ($1 \leqq k \leqq n$) の正三角形を底面とする高さ 1 の台は、このブロックを $k^2$ 個使って構成される。

したがって、この段の台の体積を $V_k$ とすると、

$$V_k = k^2 V_1 = \frac{\sqrt{3}}{4} k^2$$

となる。

求める台全体の体積 $V$ は、これら $n$ 段の台の体積の総和であるから、(1) の結果を用いて、

$$\begin{aligned} V &= \sum_{k=1}^n V_k \\ &= \sum_{k=1}^n \frac{\sqrt{3}}{4} k^2 \\ &= \frac{\sqrt{3}}{4} \sum_{k=1}^n k^2 \\ &= \frac{\sqrt{3}}{4} \cdot \frac{1}{6}n(n+1)(2n+1) \\ &= \frac{\sqrt{3}}{24} n(n+1)(2n+1) \end{aligned}$$

解法2

(2)(ii)の別解

一番上の頂点を含む段を1段目とし、下に向かって $k$ 段目 ($1 \leqq k \leqq m$) のタイルの並びを考える。

$k$ 段目には、上向きの正三角形が $k$ 個、下向きの正三角形が $(k-1)$ 個並ぶ。

したがって、$k$ 段目にあるタイルの個数は $k + (k-1) = 2k - 1$ 個である。

これを $k=1$ から $m$ まで足し合わせたものが全体のタイルの個数となるため、

$$\begin{aligned} \sum_{k=1}^m (2k - 1) &= 2 \sum_{k=1}^m k - \sum_{k=1}^m 1 \\ &= 2 \cdot \frac{1}{2}m(m+1) - m \\ &= m^2 + m - m \\ &= m^2 \end{aligned}$$

ゆえに、必要なタイルの個数は $m^2$ 個である。

解説

数列の和の公式の証明と、それを図形問題(立体の体積)に応用する典型的な融合問題です。(1)と(2)が(3)の完全な誘導になっており、(3)で何を足し合わせるべきかを見抜く力が問われます。(2)(ii) は面積比から求めるのが圧倒的に早いですが、等差数列の和として捉える視点も重要です。

答え

(1) 略(数学的帰納法により証明済) (2)(i) 略(各辺を $m$ 等分して平行線を引く) (2)(ii) $m^2$ 個。理由は、辺の長さ $m$ の正三角形と辺の長さ 1 の正三角形の面積比が $m^2 : 1$ であるため。 (3) $\frac{\sqrt{3}}{24} n(n+1)(2n+1)$

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