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名古屋大学 1974年 文系 第4問 解説

数学C/複素数平面数学2/式と証明数学1/命題と集合
名古屋大学 1974年 文系 第4問 解説

方針・初手

$f(z)$ と $g(z)$ の定義に従って式を書き下す。複素数の共役や絶対値に関する基本的な性質($\overline{z_1 + z_2} = \bar{z_1} + \bar{z_2}$、$\overline{z_1 z_2} = \bar{z_1} \bar{z_2}$、$|z_1 z_2| = |z_1| |z_2|$、$|\bar{z}| = |z|$)を用いて計算を進める。(3) は結論が否定形($\neq$)であるため、等式が成り立つと仮定して矛盾を導く背理法を用いると証明しやすい。

解法1

(1)

与えられた定義 $f(z) = \bar{z}, g(z) = iz$ より、

$$ g(f(z)) = g(\bar{z}) = i\bar{z} $$

また、

$$ f(g(z)) = f(iz) = \overline{iz} = \bar{i}\bar{z} = -i\bar{z} $$

となる。よって、

$$ -f(g(z)) = -(-i\bar{z}) = i\bar{z} $$

であるから、$g(f(z)) = -f(g(z))$ が成り立つ。

(2)

左辺について、共役複素数の性質より、

$$ |f(z_1) - f(z_2)| = |\bar{z_1} - \bar{z_2}| = |\overline{z_1 - z_2}| = |z_1 - z_2| $$

右辺について、絶対値の性質より、

$$ |g(z_1) - g(z_2)| = |iz_1 - iz_2| = |i(z_1 - z_2)| = |i| |z_1 - z_2| $$

ここで $|i| = 1$ であるから、

$$ |g(z_1) - g(z_2)| = |z_1 - z_2| $$

したがって、

$$ |f(z_1) - f(z_2)| = |g(z_1) - g(z_2)| $$

が成り立つ。

(3)

背理法で証明する。 $|a| \neq 1$, $z_1 \neq z_2$ であり、かつ

$$ a f(z_1) + g(z_1) = a f(z_2) + g(z_2) $$

が成り立つと仮定する。定義に従って式を整理すると、

$$ a \bar{z_1} + iz_1 = a \bar{z_2} + iz_2 $$

$$ a(\bar{z_1} - \bar{z_2}) + i(z_1 - z_2) = 0 $$

ここで、$w = z_1 - z_2$ とおくと、$z_1 \neq z_2$ より $w \neq 0$ であり、$\bar{w} = \bar{z_1} - \bar{z_2}$ である。これを上の式に代入すると、

$$ a\bar{w} + iw = 0 $$

$$ a\bar{w} = -iw $$

両辺の絶対値をとると、

$$ |a\bar{w}| = |-iw| $$

$$ |a| |\bar{w}| = |-i| |w| $$

$|\bar{w}| = |w|, |-i| = 1$ であるから、

$$ |a| |w| = |w| $$

$w \neq 0$ より $|w| \neq 0$ であるため、両辺を $|w|$ で割ると、

$$ |a| = 1 $$

となる。しかし、これは仮定の $|a| \neq 1$ に矛盾する。 したがって、$|a| \neq 1$, $z_1 \neq z_2$ ならば

$$ a f(z_1) + g(z_1) \neq a f(z_2) + g(z_2) $$

が成り立つ。

解説

複素数の共役と絶対値の基本性質を確認する標準的な問題である。(1), (2) は定義に従って計算を進めれば容易に示せる。(3) については、結論が否定形であるため、等式を仮定して矛盾を導く背理法を選択するのが定石である。途中で絶対値の性質を用いることで、等式から実数の関係式を導き出し、未知の複素数 $a$ に関する条件にうまく繋げることができる。

答え

(1) 題意の通り証明された。

(2) 題意の通り証明された。

(3) 題意の通り証明された。

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