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名古屋大学 2005年 文系 第2問 解説

数学A/確率数学A/場合の数数学2/指数対数数学A/整数問題
名古屋大学 2005年 文系 第2問 解説

方針・初手

(1) については、与えられた対数関数の等式 $f(x,y)=0$ を変形し、整数の組 $(x,y)$ を求める方程式(いわゆる不定方程式)に帰着させます。対数の性質を用いて真数の等式を導き、$xy + ax + by + c = 0$ の形から因数分解の形 $(x-\alpha)(y-\beta) = k$ を作ることが定石です。

(2) については、(1) で求めた条件を満たす $(x,y)$ の組に対して、実際にカードを取り出す確率を計算します。同じ数字のカードが4枚ずつあること、そして「戻さずに続けて2枚とりだし」という条件(非復元抽出)に注意して、すべて区別して順列で考えるか、または確率の乗法定理を用います。

解法1

(1)

$f(x, y) = 0$ より、以下の等式が成り立つ。

$$ \log_3(x + y) - \log_3 x - \log_3 y + 1 = 0 $$

これを変形すると、

$$ \log_3(x + y) + 1 = \log_3 x + \log_3 y $$

$$ \log_3(x + y) + \log_3 3 = \log_3(xy) $$

$$ \log_3 \{3(x + y)\} = \log_3(xy) $$

ここで、カードに書かれた数 $x, y$ は $1$ から $13$ までの自然数であるため、$x > 0, y > 0, x+y > 0$ を満たし、真数条件は常に成立する。 したがって、真数どうしを比較して、

$$ 3(x + y) = xy $$

$$ xy - 3x - 3y = 0 $$

両辺に $9$ を加えて因数分解可能な形に変形すると、

$$ xy - 3x - 3y + 9 = 9 $$

$$ (x - 3)(y - 3) = 9 $$

$x, y$ は $1 \leqq x \leqq 13, 1 \leqq y \leqq 13$ を満たす整数であるから、$x - 3, y - 3$ は $-2 \leqq x-3 \leqq 10, -2 \leqq y-3 \leqq 10$ を満たす整数である。 積が $9$ となるような $(x-3, y-3)$ の組は、この範囲において、

$$ (x - 3, y - 3) = (1, 9), (3, 3), (9, 1) $$

のみである($(-1,-9), (-3,-3), (-9,-1)$ はいずれも範囲を満たさない)。

よって、求める $(x,y)$ の組は、各辺に $3$ を加えて、

$$ (x, y) = (4, 12), (6, 6), (12, 4) $$

(2)

52枚のカードはすべて区別して考える。52枚のカードから戻さずに続けて2枚取り出すとき、すべての取り出し方は ${}_{52}\mathrm{P}_2$ 通りあり、これらは同様に確からしい。

(1) の結果より、$f(x, y) = 0$ となる事象は、順に取り出したカードの数 $(x,y)$ が $(4, 12), (6, 6), (12, 4)$ のいずれかになる事象である。 各数についてカードは4枚ずつ存在する。

(i) $(x, y) = (4, 12)$ となる場合 1枚目に「4」のカード(4枚)から1枚、2枚目に「12」のカード(4枚)から1枚を取り出すので、その場合の数は、

$$ 4 \times 4 = 16 \text{ (通り)} $$

(ii) $(x, y) = (6, 6)$ となる場合 1枚目、2枚目ともに「6」のカード(4枚)から取り出す。非復元抽出であるから、その場合の数は、

$$ {}_4\mathrm{P}_2 = 4 \times 3 = 12 \text{ (通り)} $$

(iii) $(x, y) = (12, 4)$ となる場合 (i) と同様に、

$$ 4 \times 4 = 16 \text{ (通り)} $$

(i), (ii), (iii) は互いに排反であるから、$f(x,y)=0$ となるようなカードの取り出し方の総数は、

$$ 16 + 12 + 16 = 44 \text{ (通り)} $$

したがって、求める確率は、

$$ \frac{44}{{}_{52}\mathrm{P}_2} = \frac{44}{52 \times 51} = \frac{11}{13 \times 51} = \frac{11}{663} $$

解説

(1) は対数関数の計算規則と整数問題(不定方程式)を組み合わせた典型的な問題です。$xy + ax + by + c = 0$ の形から $(x-\alpha)(y-\beta) = k$ を作る式変形は頻出の処理であり、確実にマスターしておく必要があります。

(2) は非復元抽出の確率問題です。トランプと同じ構成のカード設定ですが、同じ数字が書かれた複数枚のカードを「すべて異なるものとして区別して扱う」ことが確率計算の基本です。特に、$(6, 6)$ のように同じ数を2回続けて引く場合の場合の数が $4 \times 4$ ではなく $4 \times 3$ になる点に注意が必要です。

答え

(1) $(x, y) = (4, 12), (6, 6), (12, 4)$

(2) $\frac{11}{663}$

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