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名古屋大学 1983年 理系 第1問 解説

数学B/数列数学2/指数対数数学3/極限テーマ/漸化式
名古屋大学 1983年 理系 第1問 解説

方針・初手

与えられた漸化式は積の形をしており、各項が正であることから、両辺の対数をとることで和の形の一般的な隣接2項間漸化式に帰着できる。底は何でもよいが、文字 $a$ が $a=1$ である可能性も考慮して、自然対数(または任意の正の定数を底とする対数)をとるのが安全である。

解法1

(1)

$a > 0$ であり、また $a_1 = 1 > 0$ と漸化式 ${a_n}^p {a_{n-1}}^q = a$ より帰納的にすべての自然数 $n$ について $a_n > 0$ である。 したがって、与えられた漸化式の両辺の自然対数をとることができる。

$$ p \log a_n + q \log a_{n-1} = \log a \quad (n \geqq 2) $$

$b_n = \log a_n$ とおくと、数列 $\{b_n\}$ は次を満たす。

$$ p b_n + q b_{n-1} = \log a \quad (n \geqq 2) $$

$p$ は正の整数であるから $p \neq 0$ であり、両辺を $p$ で割ると次のように変形できる。

$$ b_n = -\frac{q}{p} b_{n-1} + \frac{\log a}{p} $$

この漸化式の特性方程式 $x = -\frac{q}{p} x + \frac{\log a}{p}$ を解くと、$(1 + \frac{q}{p}) x = \frac{\log a}{p}$ より $x = \frac{\log a}{p+q}$ となる。 したがって、漸化式は次のように変形できる。

$$ b_n - \frac{\log a}{p+q} = -\frac{q}{p} \left( b_{n-1} - \frac{\log a}{p+q} \right) $$

ゆえに、数列 $\left\{ b_n - \frac{\log a}{p+q} \right\}$ は、初項が $b_1 - \frac{\log a}{p+q}$、公比が $-\frac{q}{p}$ の等比数列である。 ここで、$b_1 = \log a_1 = \log 1 = 0$ であるから、初項は

$$ 0 - \frac{\log a}{p+q} = -\frac{\log a}{p+q} $$

となる。したがって、一般項は次のようになる。

$$ b_n - \frac{\log a}{p+q} = -\frac{\log a}{p+q} \left( -\frac{q}{p} \right)^{n-1} $$

これを $b_n$ について解くと、

$$ b_n = \frac{\log a}{p+q} \left\{ 1 - \left( -\frac{q}{p} \right)^{n-1} \right\} $$

$b_n = \log a_n$ より、

$$ \log a_n = \log a^{\frac{1}{p+q} \left\{ 1 - \left( -\frac{q}{p} \right)^{n-1} \right\}} $$

よって、$a_n$ は次のように求められる。

$$ a_n = a^{\frac{1}{p+q} \left\{ 1 - \left( -\frac{q}{p} \right)^{n-1} \right\}} $$

(2)

$p, q$ はともに正の整数であり、$p > q$ であるから、

$$ 0 < \frac{q}{p} < 1 $$

が成り立つ。よって、$-1 < -\frac{q}{p} < 0$ であるから、

$$ \lim_{n \to \infty} \left( -\frac{q}{p} \right)^{n-1} = 0 $$

となる。したがって、(1)で求めた $b_n$ の極限は次のようになる。

$$ \lim_{n \to \infty} b_n = \frac{\log a}{p+q} (1 - 0) = \frac{\log a}{p+q} $$

$a_n = e^{b_n}$ であり、指数関数は連続であるから、

$$ \lim_{n \to \infty} a_n = e^{\frac{\log a}{p+q}} = \left( e^{\log a} \right)^{\frac{1}{p+q}} = a^{\frac{1}{p+q}} $$

解説

積・商および累乗の形で構成される漸化式では、両辺の対数をとることで線形な漸化式に帰着させるのが定石である。対数をとる際は、真数条件を満たすこと(本問ではすべての項が正であること)を確認する手順を省かないようにしたい。 また、対数の底を $a$ とすると計算が見た目上簡潔になるが、$a=1$ の場合は底の条件を満たさないため場合分けが必要になってしまう。これを避けるため、自然対数(あるいは $a$ 以外の具体的な定数を底とする対数)をとるのが無難かつ確実な処理である。

答え

(1)

$$ a_n = a^{\frac{1}{p+q} \left\{ 1 - \left( -\frac{q}{p} \right)^{n-1} \right\}} $$

(2)

$$ \lim_{n \to \infty} a_n = a^{\frac{1}{p+q}} $$

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