大阪大学 1979年 文系 第2問 解説

方針・初手
数列 $\{a_n\}$ の項が数列 $\{b_n\}$ の項でもあるための条件を立式する。 $\{b_n\}$ の一般項が $b_n = 3n + 2 \ (n = 1, 2, 3, \cdots)$ であることから、$\{b_n\}$ の項は「$5$ 以上の整数のうち、$3$ で割ると $2$ 余る数」であると読み替えることができる。 したがって、$a_k = 2^k$ が $5$ 以上であり、かつ $3$ で割って $2$ 余るような自然数 $k$ の条件を求めることが第一歩となる。余りの周期性には合同式を用いるか、偶奇で場合分けをして二項定理を利用するのが有効である。
解法1
(1)
数列 $\{b_n\}$ の一般項は $b_n = 3n + 2 \ (n = 1, 2, 3, \cdots)$ である。 $n \geqq 1$ であるから、$b_n \geqq 5$ であり、$\{b_n\}$ の項は「$5$ 以上の整数のうち、$3$ で割ると $2$ 余る数」である。 数列 $\{a_n\}$ の項 $a_k = 2^k \ (k = 1, 2, 3, \cdots)$ が数列 $\{b_n\}$ の項となる条件は、$a_k \geqq 5$ かつ $a_k \equiv 2 \pmod 3$ を満たすことである。
まず $a_k \geqq 5$ より $2^k \geqq 5$ であるから、これを満たす自然数 $k$ は $k \geqq 3$ である。
次に、法を $3$ とした合同式を考える。$2 \equiv -1 \pmod 3$ であるから、
$$ 2^k \equiv (-1)^k \pmod 3 $$
となる。これが $2 \equiv -1 \pmod 3$ と合同になるのは、$(-1)^k \equiv -1 \pmod 3$、すなわち $k$ が奇数のときである。
以上より、$a_k$ が数列 $\{b_n\}$ の項となるのは、$k$ が $3$ 以上の奇数のときである。 これを満たす $a_k$ を小さい順に並べたものが数列 $\{c_n\} \ (n = 1, 2, 3, \cdots)$ であるから、$k = 2n + 1$ と表すことができ、$\{c_n\}$ の一般項は、
$$ c_n = a_{2n+1} = 2^{2n+1} $$
となる。 したがって、初項から第5項までは $n=1, 2, 3, 4, 5$ を順に代入して、
$$ \begin{aligned} c_1 &= 2^3 = 8 \\ c_2 &= 2^5 = 32 \\ c_3 &= 2^7 = 128 \\ c_4 &= 2^9 = 512 \\ c_5 &= 2^{11} = 2048 \end{aligned} $$
(2)
(1)より、数列 $\{c_n\}$ の一般項は $c_n = 2^{2n+1}$ である。 任意の自然数 $n$ について、$c_{n+1}$ と $c_n$ の比を計算すると、
$$ \frac{c_{n+1}}{c_n} = \frac{2^{2(n+1)+1}}{2^{2n+1}} = \frac{2^{2n+3}}{2^{2n+1}} = 2^2 = 4 $$
となる。 隣り合う項の比 $\frac{c_{n+1}}{c_n}$ が $n$ によらず一定の値 $4$ をとるため、数列 $\{c_n\}$ は公比 $4$ の等比数列であることが示された。
解法2
(1)
数列 $\{a_n\}$ の項 $a_k = 2^k \ (k = 1, 2, 3, \cdots)$ が数列 $\{b_n\}$ の項でもある条件は、ある自然数 $m \ (m \geqq 1)$ が存在して $2^k = 3m + 2$ と表せることである。 すなわち、「$2^k$ は $5$ 以上の整数であり、$3$ で割ると $2$ 余る」ということである。 $2^k$ を $3$ で割った余りを調べるために、$k$ の偶奇で場合分けをする。自然数 $l$ を用いる。
(i)
$k = 2l$ のとき
$$ 2^k = 2^{2l} = 4^l = (3 + 1)^l $$
二項定理により $(3 + 1)^l$ を展開すると、定数項の $1^l$ 以外の項はすべて $3$ を因数に持つ。したがって、$3$ で割った余りは $1$ となり、条件を満たさない。
(ii)
$k = 2l - 1$ のとき
$$ 2^k = 2^{2l-1} = 2 \cdot 4^{l-1} = 2 (3 + 1)^{l-1} $$
$l = 1$ のとき、$2^1 = 2$ である。これは $3$ で割って $2$ 余るが、$5$ 以上ではないため不適である。 $l \geqq 2$ のとき、(i) と同様の議論により $(3+1)^{l-1}$ を $3$ で割った余りは $1$ であるから、ある整数 $M$ を用いて $(3+1)^{l-1} = 3M + 1$ と表せる。 よって、
$$ 2^k = 2(3M + 1) = 3(2M) + 2 $$
となり、$3$ で割った余りは $2$ である。また $l \geqq 2$ のとき $2^k \geqq 2^3 = 8 \geqq 5$ を満たす。 したがって、条件を満たすのは $l \geqq 2$ のときであり、これは $k \geqq 3$ の奇数の場合である。
これを小さいものから順に並べたものが数列 $\{c_n\}$ であるから、$l$ と $n$ は $l = n + 1 \ (n = 1, 2, 3, \cdots)$ のように対応する。 よって、$k = 2(n+1) - 1 = 2n + 1$ と表せ、
$$ c_n = 2^{2n+1} $$
となる。初項から第5項までの計算は解法1と同様である。
(2)
(1)より、数列 $\{c_n\}$ の一般項は $c_n = 2^{2n+1}$ であるから、
$$ c_{n+1} = 2^{2(n+1)+1} = 2^{2n+3} = 2^2 \cdot 2^{2n+1} = 4c_n $$
が成り立つ。これは $\{c_n\}$ が公比 $4$ の等比数列であることを示している。
解説
等比数列と等差数列の共通項を求める典型問題である。 合同式を用いると、余りの周期性を機械的に処理できるため非常に簡潔に記述できる。合同式に慣れていない場合は、解法2のように二項定理を利用して余りを評価する手法が定石となる。
本問において多くの受験生が陥りやすい罠は、「$a_1 = 2$ を $\{b_n\}$ の項に含めてしまう」ことである。 $a_1 = 2$ は確かに $3$ で割って $2$ 余る数であるが、$b_n = 3n + 2 \ (n = 1, 2, 3, \cdots)$ の定義域が $n \geqq 1$ であるため、数列 $\{b_n\}$ の最小の項は $b_1 = 5$ である。 したがって、$2$ は数列 $\{b_n\}$ には登場しない。この定義域の確認を怠ると、$c_n = 2^{2n-1}$ と誤答してしまうため注意が必要である。
答え
(1)
$8, 32, 128, 512, 2048$
(2)
$c_n = 2^{2n+1}$ であり、$\frac{c_{n+1}}{c_n} = 4 \ (\text{一定})$ が成り立つため、$\{c_n\}$ は等比数列である。(証明終)
自分の記録
誤りを報告
解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。











