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大阪大学 1979年 文系 第3問 解説

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大阪大学 1979年 文系 第3問 解説

方針・初手

2つの曲線が共通の点を持ち、その点での接線が一致するという条件から、まずは接点の $x$ 座標を文字でおいて方程式を立てる。関数値が等しいことと、微分係数が等しいことの2つの条件式から、パラメータ $a, b$ の関係と接点の座標を求める。

その後、それぞれの曲線と接線が囲む面積を計算する。3次関数とその接線によって囲まれる図形の面積となるため、いわゆる $\frac{1}{12}$ 公式(積分公式)を活用することで、計算を大幅に省略して見通しよく解くことができる。

解法1

曲線①、②の式をそれぞれ $f(x), g(x)$ とおく。

$$ f(x) = ax^3 - 2x $$

$$ g(x) = bx^3 + x + 2 $$

これらを微分すると、

$$ f'(x) = 3ax^2 - 2 $$

$$ g'(x) = 3bx^2 + 1 $$

2つの曲線が接点(共有する1点)を持つとき、その $x$ 座標を $t$ とすると、点 $(t, f(t))$ において関数値が等しく、かつ微分係数も等しいため、以下の2式が成り立つ。

$$ \begin{cases} f(t) = g(t) \\ f'(t) = g'(t) \end{cases} $$

具体的に式で表すと、

$$ \begin{cases} at^3 - 2t = bt^3 + t + 2 & \cdots\cdots \text{③} \\ 3at^2 - 2 = 3bt^2 + 1 & \cdots\cdots \text{④} \end{cases} $$

④を整理すると、

$$ 3(a-b)t^2 = 3 $$

$$ (a-b)t^2 = 1 \quad \cdots\cdots \text{④}' $$

ここで、仮に $t = 0$ とすると $0 = 1$ となり矛盾するため、$t \neq 0$ である。 また、$t^2 > 0$ であることから $a-b > 0$、すなわち $a > b$ である。

次に、③を整理すると、

$$ (a-b)t^3 - 3t - 2 = 0 $$

この式に ④$'$ から得られる $(a-b)t^2 = 1$ を代入すると、

$$ t - 3t - 2 = 0 $$

$$ -2t - 2 = 0 $$

$$ t = -1 $$

これを ④$'$ に代入して、

$$ a - b = 1 \quad \cdots\cdots \text{⑤} $$

接点の座標は $t = -1$ である。このときの接線 $l$ の方程式を求める。 接点の座標は $(-1, f(-1)) = (-1, -a+2)$ であり、傾きは $f'(-1) = 3a-2$ であるから、直線 $l$ の方程式は、

$$ y - (-a+2) = (3a-2)(x - (-1)) $$

$$ y = (3a-2)x + 2a \quad \cdots\cdots \text{⑥} $$

曲線①と直線 $l$ の共有点の $x$ 座標は、$f(x)$ と⑥を連立した方程式の解である。

$$ ax^3 - 2x = (3a-2)x + 2a $$

$$ ax^3 - 3ax - 2a = 0 $$

ここで、⑤と $b>0$ より $a > 1$ であるため $a \neq 0$ である。両辺を $a$ で割ると、

$$ x^3 - 3x - 2 = 0 $$

直線 $l$ は $x = -1$ における接線であるから、この方程式は $(x+1)^2$ を因数にもつ。因数分解すると、

$$ (x+1)^2(x-2) = 0 $$

よって、接点以外の交点の $x$ 座標は $x = 2$ である。 曲線①と直線 $l$ が囲む図形の面積 $S_1$ は、公式 $\int_{\alpha}^{\beta} (x-\alpha)^2 (\beta-x) dx = \frac{1}{12}(\beta-\alpha)^4$ を利用すると、

$$ \begin{aligned} S_1 &= \int_{-1}^{2} \left| a(x+1)^2(x-2) \right| dx \\ &= \frac{|a|}{12} (2 - (-1))^4 \\ &= \frac{81}{12}a \\ &= \frac{27}{4}a \quad (\because a > 1 > 0) \end{aligned} $$

同様に、曲線②と直線 $l$ の共有点の $x$ 座標を求める。$g(x)$ と⑥を連立すると、

$$ bx^3 + x + 2 = (3a-2)x + 2a $$

$$ bx^3 - (3a-3)x + 2 - 2a = 0 $$

⑤より $a-1 = b$ を代入して整理すると、

$$ bx^3 - 3bx - 2b = 0 $$

$b>0$ より両辺を $b$ で割ると、

$$ x^3 - 3x - 2 = 0 $$

先ほどと同じ方程式となるため、交点の $x$ 座標は $x=2$ である。 曲線②と直線 $l$ が囲む図形の面積 $S_2$ は、同様に公式を利用して、

$$ \begin{aligned} S_2 &= \int_{-1}^{2} \left| b(x+1)^2(x-2) \right| dx \\ &= \frac{|b|}{12} (2 - (-1))^4 \\ &= \frac{27}{4}b \quad (\because b > 0) \end{aligned} $$

問題の条件より $S_1 = 2S_2$ であるから、

$$ \frac{27}{4}a = 2 \cdot \frac{27}{4}b $$

$$ a = 2b \quad \cdots\cdots \text{⑦} $$

⑤と⑦の連立方程式を解く。⑤に⑦を代入して、

$$ 2b - b = 1 $$

$$ b = 1 $$

これを⑦に代入して $a = 2$ を得る。これは条件 $b>0$ を満たす。

解説

2つの曲線が接するという条件を $f(t)=g(t)$ かつ $f'(t)=g'(t)$ と立式して処理する、数学IIの微分法の非常に典型的な問題である。

後半の面積計算では、3次関数とその接線に囲まれた面積を求める定積分において $\frac{1}{12}$ 公式を正しく適用できるかが鍵となる。まともに積分計算を行うと計算ミスを誘発しやすいため、因数分解された形からすぐに公式を利用できるように練習しておく。また、2つの面積計算で得られる方程式が同じ形になることを見抜けると、自信を持って解答を進められる。

答え

$a = 2, b = 1$

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