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大阪大学 1982年 文系 第3問 解説

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大阪大学 1982年 文系 第3問 解説

方針・初手

まず、問題で与えられた $xy$ 平面上の $\triangle OAB$ の内接円の中心座標と半径を求める。 球の中心を $(x_0, y_0, z_0)$、半径を $R$ とおき、「$xy$ 平面による切り口の円が求めた内接円に一致する」という条件と、「球が $z$ 軸に接する」という条件から、$z_0$ と $R$ についての関係式を立てて解く。

解法1

$xy$ 平面($z=0$)上において、3点 $O(0, 0, 0)$、$A(1, \sqrt{3}, 0)$、$B(4, 0, 0)$ を頂点とする $\triangle OAB$ を考える。 辺 $OB$ を底辺とみると、その長さは $4$ であり、高さは点 $A$ の $y$ 座標の絶対値 $\sqrt{3}$ であるから、$\triangle OAB$ の面積 $S$ は

$$ S = \frac{1}{2} \cdot 4 \cdot \sqrt{3} = 2\sqrt{3} $$

である。 また、$\triangle OAB$ の3辺の長さはそれぞれ

$$ \begin{aligned} OA &= \sqrt{1^2 + (\sqrt{3})^2} = 2 \\ OB &= 4 \\ AB &= \sqrt{(4-1)^2 + (0-\sqrt{3})^2} = \sqrt{9+3} = 2\sqrt{3} \end{aligned} $$

となる。 $\triangle OAB$ の内接円の半径を $r$ とすると、面積 $S$ について $S = \frac{1}{2}r(OA+OB+AB)$ が成り立つから

$$ \begin{aligned} 2\sqrt{3} &= \frac{1}{2}r(2 + 4 + 2\sqrt{3}) \\ 2\sqrt{3} &= r(3 + \sqrt{3}) \\ r &= \frac{2\sqrt{3}}{3+\sqrt{3}} = \frac{2\sqrt{3}(3-\sqrt{3})}{(3+\sqrt{3})(3-\sqrt{3})} = \frac{6\sqrt{3}-6}{9-3} = \sqrt{3}-1 \end{aligned} $$

次に、内接円の中心(内心)の座標を求める。 $\triangle OAB$ の内接円は $x$ 軸(直線 $OB$)に接し、内心の $y$ 座標は正であるから、内心の $y$ 座標は半径 $r = \sqrt{3}-1$ に等しい。 また、内接円と各辺 $OB, AB, OA$ との接点をそれぞれ $H_1, H_2, H_3$ とし、点 $O, A, B$ から接点までの距離をそれぞれ $x, y, z$ とすると

$$ \begin{cases} x + y = OA = 2 \\ y + z = AB = 2\sqrt{3} \\ z + x = OB = 4 \end{cases} $$

が成り立つ。辺々を足し合わせて2で割ると $x + y + z = 3 + \sqrt{3}$ となるので

$$ x = (x+y+z) - (y+z) = (3+\sqrt{3}) - 2\sqrt{3} = 3 - \sqrt{3} $$

内心から $x$ 軸に下ろした垂線の足は接点 $H_1$ であり、$OH_1 = x = 3-\sqrt{3}$ であるから、内心の $x$ 座標は $3-\sqrt{3}$ となる。 したがって、内接円の中心の座標は $(3-\sqrt{3}, \sqrt{3}-1, 0)$ である。

続いて、条件を満たす球について考える。 球の中心を $P(3-\sqrt{3}, \sqrt{3}-1, c)$、半径を $R$ とおく。 球の $xy$ 平面による切り口の円の半径は $r = \sqrt{3}-1$ であり、球の中心 $P$ と $xy$ 平面との距離は $|c|$ であるから、三平方の定理より

$$ R^2 = r^2 + |c|^2 = (\sqrt{3}-1)^2 + c^2 \quad \cdots \text{①} $$

が成り立つ。 さらに、球は $z$ 軸に接するので、球の中心 $P$ と $z$ 軸との距離は半径 $R$ に等しい。 $P$ と $z$ 軸との距離の2乗は $P$ の $x$ 座標の2乗と $y$ 座標の2乗の和であるから

$$ \begin{aligned} R^2 &= (3-\sqrt{3})^2 + (\sqrt{3}-1)^2 \\ &= \{ \sqrt{3}(\sqrt{3}-1) \}^2 + (\sqrt{3}-1)^2 \\ &= 3(\sqrt{3}-1)^2 + (\sqrt{3}-1)^2 \\ &= 4(\sqrt{3}-1)^2 \end{aligned} $$

これより、$R = 2(\sqrt{3}-1)$ である。 これを①式に代入して $c$ を求める。

$$ \begin{aligned} 4(\sqrt{3}-1)^2 &= (\sqrt{3}-1)^2 + c^2 \\ c^2 &= 3(\sqrt{3}-1)^2 \\ c &= \pm \sqrt{3}(\sqrt{3}-1) = \pm (3-\sqrt{3}) \end{aligned} $$

以上より、求める球の中心と半径が得られる。

解説

空間図形と平面図形が交わる標準的な問題である。 前半の $\triangle OAB$ の内接円を求める部分では、面積を利用して半径を求めた後、三角形の頂点から内接円の接点までの距離の性質(円外の点から引いた2本の接線の長さは等しい)を用いることで、内心の座標を簡潔に求めている。この手法は内心の座標を求める際の定石である。 また、$3-\sqrt{3} = \sqrt{3}(\sqrt{3}-1)$ という関係に気付くと、後半の $R$ や $c$ を求める計算の見通しが非常に良くなり、計算ミスを防ぐことができる。 なお、球が $xy$ 平面に対して上下対称に2つ存在することは、$c$ の値が $\pm$ で2つ出てくることから自然に導かれる。

答え

中心 $(3-\sqrt{3}, \sqrt{3}-1, \pm(3-\sqrt{3}))$、 半径 $2(\sqrt{3}-1)$

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