大阪大学 1982年 文系 第2問 解説

方針・初手
台形の面積と、放物線および直線で囲まれた部分の面積をそれぞれ $a, b$ を用いて表し、条件から方程式を立てる。 立てた方程式を $b$ について解き、条件 $b > a$ を満たす実数 $b$ が存在するための $a$ の範囲を調べる。
解法1
放物線 $y = x^2 + 1$ 上の点 $A(a, a^2+1), B(b, b^2+1)$ と $x$ 軸、および直線 $x = a, x = b$ で囲まれた台形の面積を $S_T$ とおく。
$$ S_T = \frac{1}{2} \{ (a^2+1) + (b^2+1) \} (b-a) = \frac{1}{2}(b-a)(a^2+b^2+2) $$
また、放物線 $y = x^2 + 1$ と $x$ 軸、および直線 $x = a, x = b$ で囲まれた部分の面積を $S_C$ とおく。
$$ S_C = \int_{a}^{b} (x^2 + 1) dx = \left[ \frac{1}{3}x^3 + x \right]_{a}^{b} = \frac{1}{3}(b^3-a^3) + (b-a) $$
放物線が台形の面積を2等分するという条件は、$S_T = 2S_C$ である。
$$ \frac{1}{2}(b-a)(a^2+b^2+2) = 2 \left\{ \frac{1}{3}(b^3-a^3) + (b-a) \right\} $$
右辺の括弧内を因数分解して整理する。
$$ \frac{1}{2}(b-a)(a^2+b^2+2) = 2(b-a) \left\{ \frac{1}{3}(b^2+ab+a^2) + 1 \right\} $$
$b > a$ より $b-a > 0$ であるから、両辺を $b-a$ で割ることができる。
$$ \frac{1}{2}(a^2+b^2+2) = \frac{2}{3}(b^2+ab+a^2) + 2 $$
両辺に 6 を掛けて整理する。
$$ 3a^2 + 3b^2 + 6 = 4b^2 + 4ab + 4a^2 + 12 $$
$$ b^2 + 4ab + a^2 + 6 = 0 $$
これを $b$ についての2次方程式とみて解くと、
$$ b = -2a \pm \sqrt{(2a)^2 - (a^2+6)} = -2a \pm \sqrt{3a^2-6} $$
実数 $b$ が存在するためには、根号の中身が 0 以上でなければならない。
$$ 3a^2 - 6 \ge 0 $$
$$ a^2 \ge 2 $$
よって、$a \le -\sqrt{2}$ または $a \ge \sqrt{2}$ である。
次に、条件 $b > a$ を満たすかを調べる。 $b - a = -3a \pm \sqrt{3a^2-6}$ が正となるかを確認する。
(i)
$a \ge \sqrt{2}$ のとき
$-3a < 0$ であり、また $\sqrt{3a^2-6} < \sqrt{9a^2} = |-3a| = 3a$ である。 したがって、
$$ -3a + \sqrt{3a^2-6} < -3a + 3a = 0 $$
となり、複号が $+$ の場合でも $b - a < 0$ となって不適である。
(ii)
$a \le -\sqrt{2}$ のとき
$-3a > 0$ であり、$\sqrt{3a^2-6} \ge 0$ である。 ここで、$-3a$ と $\sqrt{3a^2-6}$ の大きさを比較する。
$$ (-3a)^2 - (\sqrt{3a^2-6})^2 = 9a^2 - (3a^2 - 6) = 6a^2 + 6 > 0 $$
これより、$-3a > \sqrt{3a^2-6}$ が成り立つため、
$$ -3a - \sqrt{3a^2-6} > 0 $$
となる。したがって、複号がいずれの場合であっても $b - a > 0$ すなわち $b > a$ を満たす。
以上より、求める $a$ の範囲は $a \le -\sqrt{2}$ であり、そのときの $b$ は $b = -2a \pm \sqrt{3a^2-6}$ である。
解法2
線分 $AB$ と放物線 $y = x^2 + 1$ で囲まれた部分の面積を利用する。 直線 $AB$ の方程式を $y = g(x)$、放物線を $y = f(x)$ とする。 台形 $AB$ の面積 $S_T$ と、放物線より下側の面積 $S_C$ の関係は $S_T = 2S_C$ である。
また、線分 $AB$ と放物線で囲まれた面積は $S_T - S_C$ である。 これに $S_T = 2S_C$ を代入すると、$S_T - S_C = S_C$ となる。 線分と放物線で囲まれた面積は、公式により以下のように計算できる。
$$ \int_{a}^{b} \{ g(x) - f(x) \} dx = \frac{1}{6}(b-a)^3 $$
したがって、$\frac{1}{6}(b-a)^3 = S_C$ が成り立つ。 $S_C$ を計算すると、
$$ S_C = \int_{a}^{b} (x^2 + 1) dx = \frac{1}{3}(b^3-a^3) + (b-a) $$
よって、次の方程式が得られる。
$$ \frac{1}{6}(b-a)^3 = \frac{1}{3}(b^3-a^3) + (b-a) $$
$$ \frac{1}{6}(b-a)^3 = \frac{1}{3}(b-a)(b^2+ab+a^2) + (b-a) $$
$b > a$ より $b-a > 0$ であるため、両辺を $b-a$ で割る。
$$ \frac{1}{6}(b-a)^2 = \frac{1}{3}(b^2+ab+a^2) + 1 $$
両辺に 6 を掛けて展開する。
$$ b^2 - 2ab + a^2 = 2b^2 + 2ab + 2a^2 + 6 $$
$$ b^2 + 4ab + a^2 + 6 = 0 $$
これ以降は解法1と同様に $b$ について解き、$b > a$ を満たす条件を調べればよい。
解説
放物線と直線の面積公式($\frac{1}{6}$ 公式)を活用すると、計算の手間を省くことができる。 立式して得られた $b$ の2次方程式から $b$ を求めた後、「$b > a$」という条件を正しく吟味できるかが最大のポイントとなる。無理数を含む不等式の評価において、両辺の正負を確認した上で2乗して比較する手順を丁寧に行う必要がある。 条件を満たす点 $B$ の $x$ 座標 $b$ が2つ存在することになるが、図形的にどちらも面積を2等分する位置として適格である。
答え
$a$ の範囲:$a \le -\sqrt{2}$
そのときの $b$:$b = -2a \pm \sqrt{3a^2-6}$
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