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大阪大学 1976年 理系 第2問 解説

数学1/立体図形数学1/図形計量数学2/微分法テーマ/空間図形テーマ/面積・体積
大阪大学 1976年 理系 第2問 解説

方針・初手

立方体に座標系を導入して、2つの球の中心座標と半径を変数で表す。 球が互いに接する条件(中心間距離が半径の和に等しい)から、半径の和が一定であることを導く。 体積の和を半径の対称式で表し、和が一定という条件のもとで最小値を求める。

解法1

頂点 $A$ を原点 $(0,0,0)$ にとり、立方体の各辺が $x$ 軸、$y$ 軸、$z$ 軸の正の方向と重なるように座標空間を設定する。 頂点 $A$ から最も遠い頂点 $B$ の座標は $(1,1,1)$ となる。 球 $S_1$ の半径を $r_1$、球 $S_2$ の半径を $r_2$ とおく。

球 $S_1$ は頂点 $A$ を通る3つの面($x=0, y=0, z=0$)に接するため、その中心 $C_1$ の座標は $(r_1, r_1, r_1)$ と表せる。 また、球 $S_1$ が1辺の長さ1の立方体の内部に含まれるためには、直方体の向かい合う面($x=1, y=1, z=1$)からはみ出さないことが必要であるから、直径が1以下、すなわち $0 < r_1 \le \frac{1}{2}$ を満たさなければならない。

同様に、球 $S_2$ は頂点 $B$ を通る3つの面($x=1, y=1, z=1$)に接するため、その中心 $C_2$ の座標は $(1-r_2, 1-r_2, 1-r_2)$ と表せる。 球 $S_2$ が立方体の内部に含まれるための条件も $0 < r_2 \le \frac{1}{2}$ である。

球 $S_1$ と $S_2$ は互いに接するので、中心間距離 $C_1C_2$ は半径の和 $r_1+r_2$ に等しい。 ここで、$0 < r_1 \le \frac{1}{2}$ かつ $0 < r_2 \le \frac{1}{2}$ より $r_1+r_2 \le 1$ であることに注意すると、

$$ C_1C_2 = \sqrt{(1-r_2-r_1)^2 + (1-r_2-r_1)^2 + (1-r_2-r_1)^2} = \sqrt{3(1 - r_1 - r_2)^2} = \sqrt{3}(1 - r_1 - r_2) $$

となる。 ゆえに、

$$ \sqrt{3}(1 - r_1 - r_2) = r_1 + r_2 $$

$$ \sqrt{3} - \sqrt{3}(r_1 + r_2) = r_1 + r_2 $$

$$ (\sqrt{3} + 1)(r_1 + r_2) = \sqrt{3} $$

$$ r_1 + r_2 = \frac{\sqrt{3}}{\sqrt{3} + 1} = \frac{\sqrt{3}(\sqrt{3} - 1)}{(\sqrt{3} + 1)(\sqrt{3} - 1)} = \frac{3 - \sqrt{3}}{2} $$

ここで、$r_1 + r_2 = k$ ($k = \frac{3 - \sqrt{3}}{2}$)とおく。

$S_1$ と $S_2$ の体積の和 $V$ は、

$$ V = \frac{4}{3}\pi r_1^3 + \frac{4}{3}\pi r_2^3 = \frac{4}{3}\pi (r_1^3 + r_2^3) $$

と表される。 $V$ が最小になるのは $r_1^3 + r_2^3$ が最小になるときである。

$$ r_1^3 + r_2^3 = (r_1 + r_2)^3 - 3r_1r_2(r_1 + r_2) = k^3 - 3kr_1r_2 $$

$k$ は正の定数であるから、$r_1^3 + r_2^3$ が最小となるのは積 $r_1r_2$ が最大となるときである。 相加平均と相乗平均の大小関係により、

$$ r_1r_2 \le \left( \frac{r_1 + r_2}{2} \right)^2 = \frac{k^2}{4} $$

等号が成立するのは $r_1 = r_2$ のときであり、このとき積 $r_1r_2$ は最大となる。 $r_1 = r_2$ のとき、

$$ r_1 = r_2 = \frac{k}{2} = \frac{3 - \sqrt{3}}{4} $$

である。 この値が条件 $0 < r_i \le \frac{1}{2}$ を満たすか確認する。 $\sqrt{3} > 1$ より $\frac{3 - \sqrt{3}}{4} > 0$ は明らか。 また、$\sqrt{3} > 1$ より $3 - \sqrt{3} < 2$ であるから、$\frac{3 - \sqrt{3}}{4} < \frac{2}{4} = \frac{1}{2}$ も成り立つ。 よって、すべての条件を満たす。

以上より、体積の和が最小になるのは $r_1 = r_2 = \frac{3 - \sqrt{3}}{4}$ のときである。

解説

空間図形における球の接する条件を座標空間で処理する典型問題である。 各球の中心の座標を半径を用いて表現することで、中心間距離を容易に立式できる。このとき、球が立方体の内部にあるための条件 $r \le \frac{1}{2}$ を確認することで、中心間距離の絶対値を安全に外すことができる。 体積の和の最小化では、和が一定という条件のもとで対称式の値を考えることになる。相加相乗平均の関係や2次関数の最大最小を用いて、積 $r_1r_2$ の最大値を求めるのが見通しが良い。

答え

$$ S_1, S_2 \text{ の半径がともに } \frac{3 - \sqrt{3}}{4} \text{ のとき} $$

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