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九州大学 1978年 理系 第2問 解説

数学1/立体図形数学2/微分法テーマ/面積・体積テーマ/最大・最小テーマ/空間図形
九州大学 1978年 理系 第2問 解説

方針・初手

直円すいの高さを変数として設定し、底面の半径(またはその2乗)を高さの式で表すことで、直円すいの体積を1変数の関数として立式する。その後、微分法を用いて関数の増減を調べ、体積の最大値を求める。

解法1

直円すいの高さを $h$ とする。球に内接する直円すいを考えるため、高さのとりうる値の範囲は $0 < h < 2$ である。

球の中心を $\text{O}$、直円すいの頂点を $\text{A}$、底面の円の中心を $\text{H}$、底面の円周上の点を $\text{P}$ とする。 球の半径が $1$ であるから、$\text{OA} = 1$、$\text{OP} = 1$ である。 直円すいの底面の半径を $r$ とすると、$r = \text{HP}$ である。

球の中心 $\text{O}$ から底面までの距離 $\text{OH}$ は、高さ $h$ と球の半径 $1$ を用いて $\text{OH} = |h - 1|$ と表せる。 直角三角形 $\text{OPH}$ において、三平方の定理より

$$\text{HP}^2 + \text{OH}^2 = \text{OP}^2$$

すなわち、

$$r^2 + (h - 1)^2 = 1^2$$

これを $r^2$ について解くと、

$$r^2 = 1 - (h^2 - 2h + 1) = 2h - h^2$$

となる($0 < h < 2$ より $r^2 > 0$ である)。 直円すいの体積を $V$ とすると、

$$V = \frac{1}{3} \pi r^2 h = \frac{1}{3} \pi (2h - h^2) h = \frac{\pi}{3} (2h^2 - h^3)$$

関数 $f(h) = 2h^2 - h^3$ ($0 < h < 2$) の増減を調べる。

$$f'(h) = 4h - 3h^2 = -3h \left( h - \frac{4}{3} \right)$$

$0 < h < 2$ の範囲において $f'(h) = 0$ となるのは $h = \frac{4}{3}$ のときである。 $f(h)$ の増減表は以下のようになる。

$h$ $(0)$ $\cdots$ $\frac{4}{3}$ $\cdots$ $(2)$
$f'(h)$ $+$ $0$ $-$
$f(h)$ $(0)$ $\nearrow$ 極大 $\searrow$ $(0)$

増減表より、$h = \frac{4}{3}$ のとき、$f(h)$ は最大値をとる。 このとき、最大となる体積 $V$ は

$$V = \frac{\pi}{3} f\left(\frac{4}{3}\right) = \frac{\pi}{3} \left\{ 2\left(\frac{4}{3}\right)^2 - \left(\frac{4}{3}\right)^3 \right\} = \frac{\pi}{3} \left( 2 \cdot \frac{16}{9} - \frac{64}{27} \right) = \frac{\pi}{3} \cdot \frac{96 - 64}{27} = \frac{32}{81}\pi$$

したがって、体積が最大となるものの高さは $\frac{4}{3}$、体積は $\frac{32}{81}\pi$ である。

解法2

直円すいが内接する半径 $1$ の球面を、座標空間において原点 $\text{O}$ を中心とする球面 $x^2 + y^2 + z^2 = 1$ とする。 直円すいの頂点 $\text{A}$ を $(0, 0, 1)$ にとる。 直円すいの底面は、$z$ 軸に垂直な平面 $z = t$ で球面を切断した切り口の円であると設定できる。 直円すいができる条件から、$-1 < t < 1$ である。

このとき、直円すいの高さ $h$ は

$$h = 1 - t$$

となる。 また、底面の半径 $r$ は、平面 $z = t$ と球面 $x^2 + y^2 + z^2 = 1$ の交線の円の半径であるから、

$$r^2 = 1 - t^2$$

である。 直円すいの体積を $V$ とすると、

$$V = \frac{1}{3} \pi r^2 h = \frac{\pi}{3} (1 - t^2)(1 - t) = \frac{\pi}{3} (t^3 - t^2 - t + 1)$$

となる。関数 $g(t) = t^3 - t^2 - t + 1$ ($-1 < t < 1$) の増減を調べる。

$$g'(t) = 3t^2 - 2t - 1 = (3t + 1)(t - 1)$$

$-1 < t < 1$ の範囲において $g'(t) = 0$ となるのは $t = -\frac{1}{3}$ のときである。 増減表は以下のようになる。

$t$ $(-1)$ $\cdots$ $-\frac{1}{3}$ $\cdots$ $(1)$
$g'(t)$ $+$ $0$ $-$
$g(t)$ $(0)$ $\nearrow$ 極大 $\searrow$ $(0)$

増減表より、$t = -\frac{1}{3}$ のとき $V$ は最大となる。 このときの高さ $h$ は

$$h = 1 - \left(-\frac{1}{3}\right) = \frac{4}{3}$$

最大となる体積 $V$ は

$$V = \frac{\pi}{3} g\left(-\frac{1}{3}\right) = \frac{\pi}{3} \left( -\frac{1}{27} - \frac{1}{9} + \frac{1}{3} + 1 \right) = \frac{\pi}{3} \cdot \frac{-1 - 3 + 9 + 27}{27} = \frac{32}{81}\pi$$

したがって、体積が最大となるものの高さは $\frac{4}{3}$、体積は $\frac{32}{81}\pi$ である。

解説

空間図形における最大・最小を求める典型的な問題である。図形の性質から体積を1つの変数の関数として表し、微分を用いて極値を求める流れが基本となる。

解法1のように求める対象である「直円すいの高さ」を直接変数とするのが自然な発想であるが、底面の円が球の中心よりも上にあるか下にあるかによって図の様子が変わるため、中心と底面の距離を $|h - 1|$ と絶対値を用いて立式できるかがポイントとなる。

解法2のように、球の中心を原点にとり、底面の位置を座標変数で設定することで、絶対値などの符号の処理を意識することなくスムーズに立式できる。図形問題を座標平面や座標空間に落とし込んで解く手法は応用範囲が広く、計算の見通しを良くする上で有効である。

答え

高さ $\frac{4}{3}$, 体積 $\frac{32}{81}\pi$

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