トップ 大阪大学 2002年 理系 第4問

大阪大学 2002年 理系 第4問 解説

数学A/確率数学A/場合の数テーマ/場合分け
大阪大学 2002年 理系 第4問 解説

方針・初手

さいころを $n$ 回投げる試行の全事象は $6^n$ 通りであり、これらは同様に確からしい。 問題で与えられた事象「同じ目が出るどの2つの試行も $k$ 以上離れている」を $A_k$ とする。事象 $A_k$ の条件は、言い換えると「間隔が $k-1$ 以下のどの2つの試行も異なる目が出る」ということである。 これは、「各試行において、直近の(最大) $k-1$ 回の試行とすべて異なる目が出る」ことと同値である。この性質を利用して、1回目から順に出る目の選び方を数え上げる。

解法1

(1) 事象 $A_2$ は「間隔が $1$ 以下のどの2つの試行も異なる目が出る」、すなわち「隣り合う試行で異なる目が出る(同じ目が続くことはない)」事象である。 $n$ 回の試行における目の出方のうち、$A_2$ を満たすものを数える。 1回目の目は $6$ 通りある。 2回目以降の $n-1$ 回の試行では、それぞれ直前の試行と異なる目が出ればよいので、各回について $5$ 通りの目の出方がある。 したがって、事象 $A_2$ を満たす目の出方は $6 \times 5^{n-1}$ 通りである。 よって、求める確率 $p_2$ は

$$ p_2 = \frac{6 \times 5^{n-1}}{6^n} = \frac{5^{n-1}}{6^{n-1}} = \left(\frac{5}{6}\right)^{n-1} $$

(2) 事象 $A_k$ は「各試行において、直近の $k-1$ 回の試行とすべて異なる目が出る」事象である。さいころの目は $6$ 種類しか存在しないため、$k$ の値によって場合分けを行う。

(i) $3 \leqq k \leqq 6$ のとき 1回目から $k$ 回目までは、すべて互いに異なる目が出なければならない。その目の出方は $_6\mathrm{P}_k$ 通りである。 $k+1$ 回目以降の試行($i$ 回目とする)では、直前の $k-1$ 回の試行で出た $k-1$ 個の目とは異なる目が出なければならない。直前の $k-1$ 個の目は互いに異なるため、残された目の選び方は常に $6 - (k-1) = 7 - k$ 通りである。これが $n-k$ 回続く。 したがって、事象 $A_k$ を満たす目の出方は $_6\mathrm{P}_k \times (7-k)^{n-k}$ 通りである。 よって、求める確率 $p_k$ は

$$ p_k = \frac{_6\mathrm{P}_k \times (7-k)^{n-k}}{6^n} $$

(ii) $k \geqq 7$ のとき $n \geqq 7$ であるから、$k \geqq 7$ のとき、少なくとも最初の $7$ 回の試行においてすべて異なる目が出る必要がある。しかし、さいころの目は $6$ 種類しかないため、このような目の出方は存在しない。 よって、事象 $A_k$ を満たす目の出方は $0$ 通りであり、

$$ p_k = 0 $$

(3) 求める事象は「同じ目が続くことはなく、しかも同じ目が出る試行の組でちょうど2だけ離れたものが少なくとも1組存在する」という事象である。 「同じ目が続くことはない」という事象は $A_2$ そのものである。 事象 $A_2$ のもとで、「同じ目が出る試行の組でちょうど2だけ離れたものが少なくとも1組存在する」という事象の余事象は、「同じ目が出る試行の組でちょうど2だけ離れたものが存在しない」ことである。 つまり、事象 $A_2$ が起こり、かつこの余事象が起こるということは、「どの同じ目も1だけ離れておらず、2だけでも離れていない」、すなわち「同じ目が出るどの2つの試行も3以上離れている」ということになり、これは事象 $A_3$ に他ならない。 明らかに $A_3 \subset A_2$ であるから、求める事象は $A_2 \setminus A_3$ と表せる。 したがって、求める確率は

$$ P(A_2 \setminus A_3) = P(A_2) - P(A_3) = p_2 - p_3 $$

(2)の結果より、$k=3$ のときの確率 $p_3$ は

$$ p_3 = \frac{_6\mathrm{P}_3 \times 4^{n-3}}{6^n} = \frac{120 \times 4^{n-3}}{6^n} $$

これを整理して $p_2 - p_3$ を計算する。

$$ \begin{aligned} p_2 - p_3 &= \frac{6 \times 5^{n-1}}{6^n} - \frac{120 \times 4^{n-3}}{6^n} \\ &= \frac{6 \times 5^{n-1} - 6 \times 20 \times 4^{n-3}}{6^n} \\ &= \frac{5^{n-1} - 5 \times 4 \times 4^{n-3}}{6^{n-1}} \\ &= \frac{5 \cdot 5^{n-2} - 5 \cdot 4^{n-2}}{6^{n-1}} \\ &= \frac{5(5^{n-2} - 4^{n-2})}{6^{n-1}} \end{aligned} $$

解説

「~以上離れている」という事象の条件を、「連続する~回の試行において全て異なる目が出る」と言い換えることができるかが最大の鍵となる問題である。 (2)において $k \geqq 7$ の場合分けを忘れやすい。問題文にわざわざ $n \geqq 7$ という条件があることからも、鳩の巣原理に基づくこの場合分けの必要性に気づきたい。 (3)は「少なくとも1組存在する」という表現から余事象を連想するのが定石である。ここで事象の包含関係 $A_3 \subset A_2$ に気づくことで、複雑な数え上げを回避し $p_2 - p_3$ という極めて簡潔な式に帰着させることができる。確率の事象を集合として捉える視点の重要性がよく分かる良問である。

答え

(1)

$$ \left(\frac{5}{6}\right)^{n-1} $$

(2)

$3 \leqq k \leqq 6$ のとき、

$$ \frac{_6\mathrm{P}_k \times (7-k)^{n-k}}{6^n} $$

$k \geqq 7$ のとき、

$$ 0 $$

(3)

$$ \frac{5(5^{n-2} - 4^{n-2})}{6^{n-1}} $$

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。