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大阪大学 2012年 理系 第1問 解説

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大阪大学 2012年 理系 第1問 解説

方針・初手

点 $Q$ は直線 $C_2$ 上を動くため、線分 $PQ$ の長さが最小となるのは、点 $P$ を固定したとき、線分 $PQ$ が直線 $C_2$ と垂直に交わるとき、すなわち $PQ$ の長さが点 $P$ と直線 $C_2$ との距離になるときである。 したがって、点 $P$ が楕円 $C_1$ 上を動くときの、点 $P$ と直線 $C_2$ の距離の最小値を求めればよい。 点 $P$ の座標をパラメータで表して点と直線の距離の公式を用いるか、直線 $C_2$ と平行な $C_1$ の接線を考えるのが定石である。

解法1

(1)

曲線 $C_1$ は楕円 $x^2 + \frac{y^2}{a^2} = 1$ であるから、$C_1$ 上の点 $P$ の座標は、実数 $\theta$ を用いて $P(\cos\theta, a\sin\theta)$ と表せる。

直線 $C_2$ の方程式は $2ax - y - 3a = 0$ である。 点 $P$ と直線 $C_2$ の距離を $d$ とすると、点と直線の距離の公式より

$$ d = \frac{|2a\cos\theta - a\sin\theta - 3a|}{\sqrt{(2a)^2 + (-1)^2}} = \frac{a|2\cos\theta - \sin\theta - 3|}{\sqrt{4a^2 + 1}} $$

となる。ここで、三角関数の合成を用いると

$$ 2\cos\theta - \sin\theta = \sqrt{5} \left( \frac{2}{\sqrt{5}}\cos\theta - \frac{1}{\sqrt{5}}\sin\theta \right) = \sqrt{5}\cos(\theta + \alpha) $$

となる。ただし、$\alpha$ は $\cos\alpha = \frac{2}{\sqrt{5}}, \sin\alpha = \frac{1}{\sqrt{5}}$ を満たす角である。 $-1 \leqq \cos(\theta + \alpha) \leqq 1$ であるから、

$$ -\sqrt{5} \leqq 2\cos\theta - \sin\theta \leqq \sqrt{5} $$

が成り立つ。$3 > \sqrt{5}$ より $2\cos\theta - \sin\theta - 3 < 0$ であるから、絶対値を外すと

$$ |2\cos\theta - \sin\theta - 3| = 3 - (2\cos\theta - \sin\theta) $$

となる。したがって、$d$ が最小となるのは $2\cos\theta - \sin\theta$ が最大値 $\sqrt{5}$ をとるときである。 よって、線分 $PQ$ の長さの最小値 $f(a)$ は

$$ f(a) = \frac{a(3 - \sqrt{5})}{\sqrt{4a^2 + 1}} $$

(2)

(1) の結果より

$$ f(a) = \frac{3 - \sqrt{5}}{\sqrt{4 + \frac{1}{a^2}}} $$

と変形できる。$a \to \infty$ のとき $\frac{1}{a^2} \to 0$ であるから、

$$ \lim_{a \to \infty} f(a) = \frac{3 - \sqrt{5}}{\sqrt{4 + 0}} = \frac{3 - \sqrt{5}}{2} $$

となる。

解法2

(1)

直線 $C_2$ の傾きは $2a$ である。点 $P$ における楕円 $C_1$ の接線が直線 $C_2$ と平行になるとき、点 $P$ と直線 $C_2$ の距離が極値をとる。 点 $P(x_1, y_1)$ とおくと、$P$ は $C_1$ 上にあるので

$$ x_1^2 + \frac{y_1^2}{a^2} = 1 $$

が成り立つ。点 $P$ における接線の方程式は

$$ x_1 x + \frac{y_1 y}{a^2} = 1 $$

$y_1 = 0$ のときは接線が $x = \pm 1$ となり、傾きをもたないため $C_2$ と平行にはならない。 したがって $y_1 \neq 0$ であり、接線の方程式は $y = -\frac{a^2 x_1}{y_1} x + \frac{a^2}{y_1}$ となる。 これが $C_2$ に平行であるから、傾きを比較して

$$ -\frac{a^2 x_1}{y_1} = 2a $$

$a > 0$ より $y_1 = -\frac{a}{2} x_1$ を得る。これを $C_1$ の方程式に代入すると

$$ x_1^2 + \frac{\left(-\frac{a}{2} x_1\right)^2}{a^2} = 1 $$

$$ x_1^2 + \frac{1}{4} x_1^2 = 1 $$

$$ x_1^2 = \frac{4}{5} $$

よって、$x_1 = \pm \frac{2}{\sqrt{5}}$ となり、対応する $y_1$ は $y_1 = \mp \frac{a}{\sqrt{5}}$ (複号同順)となる。 したがって、接線が $C_2$ と平行になる接点は $P_1\left(\frac{2}{\sqrt{5}}, -\frac{a}{\sqrt{5}}\right)$ と $P_2\left(-\frac{2}{\sqrt{5}}, \frac{a}{\sqrt{5}}\right)$ の2点である。 それぞれの場合について、点と直線 $C_2: 2ax - y - 3a = 0$ の距離を求める。

点 $P_1$ のとき、距離 $d_1$ は

$$ d_1 = \frac{\left| 2a \cdot \frac{2}{\sqrt{5}} - \left(-\frac{a}{\sqrt{5}}\right) - 3a \right|}{\sqrt{(2a)^2 + (-1)^2}} = \frac{\left| \frac{5a}{\sqrt{5}} - 3a \right|}{\sqrt{4a^2 + 1}} = \frac{a|\sqrt{5} - 3|}{\sqrt{4a^2 + 1}} = \frac{a(3 - \sqrt{5})}{\sqrt{4a^2 + 1}} $$

点 $P_2$ のとき、距離 $d_2$ は

$$ d_2 = \frac{\left| 2a \cdot \left(-\frac{2}{\sqrt{5}}\right) - \frac{a}{\sqrt{5}} - 3a \right|}{\sqrt{(2a)^2 + (-1)^2}} = \frac{\left| -\frac{5a}{\sqrt{5}} - 3a \right|}{\sqrt{4a^2 + 1}} = \frac{a|-\sqrt{5} - 3|}{\sqrt{4a^2 + 1}} = \frac{a(3 + \sqrt{5})}{\sqrt{4a^2 + 1}} $$

$a > 0$ であり $3 - \sqrt{5} < 3 + \sqrt{5}$ だから、$d_1 < d_2$ となる。 したがって、距離の最小値 $f(a)$ は $d_1$ に等しく

$$ f(a) = \frac{a(3 - \sqrt{5})}{\sqrt{4a^2 + 1}} $$

解説

2次曲線上の点と、ある直線との距離の最大・最小を問う典型問題である。 解法1のようにパラメータ表示(媒介変数表示)を用いて1変数の関数の最大・最小に帰着させる方針と、解法2のように接線の傾きに注目する方針のどちらも基本手法として身につけておきたい。 楕円のパラメータ表示 $(x, y) = (a\cos\theta, b\sin\theta)$ は頻出であり、計算量も抑えられることが多い。 (2)の極限計算は、分母分子を $a$ で割るだけの基本的な不定形の解消である。

答え

(1)

$$ f(a) = \frac{a(3 - \sqrt{5})}{\sqrt{4a^2 + 1}} $$

(2)

$$ \lim_{a \to \infty} f(a) = \frac{3 - \sqrt{5}}{2} $$

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