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東北大学 1974年 文系 第4問 解説

数学C/式と曲線数学3/極限テーマ/二次曲線
東北大学 1974年 文系 第4問 解説

方針・初手

3点 $(0,b),(x,y),(-x,y)$ は $y$ 軸対称であるから,これらを通る円の中心は $y$ 軸上にある。 そこで円の中心を $(0,k)$ とおき,半径 $r$ を $k$ で表す。

また,$(x,y)$ はだ円

$$ \frac{x^2}{a^2}+\frac{y^2}{b^2}=1 $$

上にあり,$y>0$ であるから

$$ y=b\sqrt{1-\frac{x^2}{a^2}} $$

である。これを用いて $x\to0$ のときの $r$ の極限を求める。

解法1

円の中心を $(0,k)$ とする。 この円は $(0,b)$ と $(x,y)$ を通るから,

$$ r=|b-k| $$

および

$$ r^2=x^2+(y-k)^2 $$

が成り立つ。したがって

$$ (b-k)^2=x^2+(y-k)^2 $$

より,

$$ b^2-2bk+k^2=x^2+y^2-2yk+k^2 $$

すなわち

$$ 2k(y-b)=x^2+y^2-b^2 $$

である。

ここで $d=b-y$ とおくと,$y=b-d$ なので

$$ 2k(-d)=x^2+(b-d)^2-b^2=x^2-2bd+d^2 $$

となる。よって

$$ 2kd=2bd-x^2-d^2 $$

すなわち

$$ k=b-\frac{x^2+d^2}{2d}. $$

したがって半径 $r$ は

$$ r=b-k=\frac{x^2+d^2}{2d} =\frac{x^2}{2(b-y)}+\frac{b-y}{2} $$

と表される。

次に,だ円の条件から $y=b\sqrt{1-\dfrac{x^2}{a^2}}$ であるから,

$$ b-y =b\left(1-\sqrt{1-\frac{x^2}{a^2}}\right). $$

これを有理化すると,

$$ \begin{aligned} b-y &=b\left(1-\sqrt{1-\frac{x^2}{a^2}}\right) \\ &=b\cdot \frac{1-\left(1-\frac{x^2}{a^2}\right)} {1+\sqrt{1-\frac{x^2}{a^2}}} \\ &=\frac{bx^2}{a^2\left(1+\sqrt{1-\frac{x^2}{a^2}}\right)}. \end{aligned} $$

これを $r$ の式に代入すると,

$$ \frac{x^2}{2(b-y)} =\frac{x^2}{2\cdot \dfrac{bx^2}{a^2\left(1+\sqrt{1-\frac{x^2}{a^2}}\right)}} =\frac{a^2\left(1+\sqrt{1-\frac{x^2}{a^2}}\right)}{2b}. $$

よって

$$ r= \frac{a^2\left(1+\sqrt{1-\frac{x^2}{a^2}}\right)}{2b} +\frac{b-y}{2}. $$

ここで $x\to0$ とすると,

$$ \sqrt{1-\frac{x^2}{a^2}}\to1,\qquad b-y\to0 $$

であるから,

$$ \lim_{x\to0}r =\frac{a^2(1+1)}{2b}+0 =\frac{a^2}{b}. $$

解説

対称性から円の中心が $y$ 軸上にあると見抜くのが第一歩である。 そのうえで,半径を

$$ r=\frac{x^2}{2(b-y)}+\frac{b-y}{2} $$

の形に直せば,極限の本質は $b-y$ が $x^2$ と同程度の大きさであることにあると分かる。

だ円の上端 $(0,b)$ 付近では,

$$ b-y=b\left(1-\sqrt{1-\frac{x^2}{a^2}}\right) $$

を有理化するのが典型処理である。これにより $b-y$ を $x^2$ で評価でき,極限が容易に求まる。

答え

$$ \lim_{x\to0}r=\frac{a^2}{b} $$

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