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東北大学 1983年 文系 第4問 解説

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東北大学 1983年 文系 第4問 解説

方針・初手

(1) 高さ方向に切って考えると、断面の半径は高さに関する一次式になる。これを用いて円の面積を積分すればよい。

(2) 原点まわりの回転は

$$ (x,y)\mapsto (x\cos\theta-y\sin\theta,\ x\sin\theta+y\cos\theta) $$

で表される。そのあとで $y$ 座標に $1$ を加えればよい。

(3) 回転後・平行移動後の正方形の中心は $(0,1)$ である。したがって各縦切り断面は直線 $y=1$ に関して対称になる。この対称性を使うと、回転体の断面積が簡単に書ける。

解法1

(1)

直円すい台の上底から下底へ向かって、距離 $x$ の位置での半径を $r(x)$ とする。ただし $0\leqq x\leqq h$ とする。

半径は上底で $a$、下底で $b$ だから、$r(x)$ は一次式で

$$ r(x)=a+\frac{b-a}{h}x $$

である。

したがって体積 $V$ は

$$ V=\int_0^h \pi r(x)^2,dx =\pi\int_0^h \left(a+\frac{b-a}{h}x\right)^2 dx $$

となる。展開して積分すると、

$$ \begin{aligned} V &=\pi\int_0^h \left(a^2+\frac{2a(b-a)}{h}x+\frac{(b-a)^2}{h^2}x^2\right)dx \ &=\pi\left[a^2x+\frac{a(b-a)}{h}x^2+\frac{(b-a)^2}{3h^2}x^3\right]_0^h \ &=\pi\left(a^2h+a(b-a)h+\frac{(b-a)^2}{3}h\right). \end{aligned} $$

ここで

$$ a^2+a(b-a)=ab $$

なので、

$$ \begin{aligned} V &=\pi h\left(ab+\frac{(b-a)^2}{3}\right) \ &=\pi h\left(ab+\frac{a^2-2ab+b^2}{3}\right) \ &=\frac{\pi h}{3}(a^2+ab+b^2). \end{aligned} $$

よって、求める体積は

$$ \boxed{,\frac{\pi h}{3}(a^2+ab+b^2),} $$

である。

(2)

原点まわりに $\theta$ だけ回転したあとの点 $(x',y')$ は

$$ x'=x\cos\theta-y\sin\theta,\qquad y'=x\sin\theta+y\cos\theta $$

で与えられる。その後で $y$ 軸の正の方向に $1$ だけ平行移動するから、最終的な座標は

$$ (x',y'+1) $$

となる。

各点について計算する。

点 $A(1,0)$ は

$$ (1,0)\mapsto (\cos\theta,\sin\theta)\mapsto (\cos\theta,\ 1+\sin\theta) $$

だから、

$$ P(\cos\theta,\ 1+\sin\theta) $$

である。

点 $B(0,1)$ は

$$ (0,1)\mapsto (-\sin\theta,\cos\theta)\mapsto (-\sin\theta,\ 1+\cos\theta) $$

だから、

$$ Q(-\sin\theta,\ 1+\cos\theta) $$

である。

点 $C(-1,0)$ は

$$ (-1,0)\mapsto (-\cos\theta,-\sin\theta)\mapsto (-\cos\theta,\ 1-\sin\theta) $$

だから、

$$ R(-\cos\theta,\ 1-\sin\theta) $$

である。

点 $D(0,-1)$ は

$$ (0,-1)\mapsto (\sin\theta,-\cos\theta)\mapsto (\sin\theta,\ 1-\cos\theta) $$

だから、

$$ S(\sin\theta,\ 1-\cos\theta) $$

である。

(3)

正方形 $PQRS$ は、もとの正方形を回転・平行移動しただけなので、面積は変わらない。また中心は原点から $(0,1)$ に移っている。

もとの正方形 $ABCD$ は対角線の長さがともに $2$ であるから、その面積は

$$ \frac{2\cdot 2}{2}=2 $$

である。したがって

$$ \text{面積}(PQRS)=2 $$

である。

ここで、$x$ を固定したとき、直線 $x=\text{一定}$ が正方形 $PQRS$ と交わる部分は、中心 $(0,1)$ に関する対称性により

$$ y=1-f(x)\ \text{から}\ y=1+f(x) $$

までの線分になる。ただし $f(x)\geqq 0$ とする。

この線分を $x$ 軸のまわりに回転すると、断面は外半径 $1+f(x)$、内半径 $1-f(x)$ の円環になるから、その断面積は

$$ \pi{(1+f(x))^2-(1-f(x))^2}=4\pi f(x) $$

である。

したがって、求める体積 $V$ は

$$ V=\int 4\pi f(x),dx =4\pi\int f(x),dx $$

となる。

一方、正方形 $PQRS$ の面積は

$$ \int {(1+f(x))-(1-f(x))},dx =\int 2f(x),dx =2\int f(x),dx $$

であり、これが $2$ に等しいから

$$ 2\int f(x),dx=2 $$

すなわち

$$ \int f(x),dx=1 $$

である。よって

$$ V=4\pi\cdot 1=4\pi $$

となる。

したがって、求める体積は

$$ \boxed{,4\pi,} $$

である。

解説

この問題の要点はそれぞれ異なる。

(1) は、半径が高さに対して一次的に変化することをきちんと式にすることが本質である。直円すい台の体積公式を覚えていても、それを積分から導けることが重要である。

(2) は、回転の公式を正確に使えるかどうかがポイントである。回転と平行移動を同時に考えず、まず回転、そのあとで $y$ 座標に $1$ を足すと整理しやすい。

(3) は、個々の辺の方程式を求めて積分しようとすると煩雑になる。正方形の中心が $(0,1)$ にあり、各縦切り断面が $y=1$ を中心に対称であることを使うと、断面積が一気に簡単になる。結果として体積は $\theta$ によらず一定である。

答え

$$ \text{**(1)** }\frac{\pi h}{3}(a^2+ab+b^2) $$

$$ \text{**(2)** } P(\cos\theta,\ 1+\sin\theta),\ Q(-\sin\theta,\ 1+\cos\theta),\ R(-\cos\theta,\ 1-\sin\theta),\ S(\sin\theta,\ 1-\cos\theta) $$

$$ \text{**(3)** }4\pi $$

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