東北大学 2009年 文系 第1問 解説

方針・初手
$2^x$ は常に正であるから、$t=2^x , (>0)$ とおいて二次式の問題に直すのが自然である。
すると与えられた不等式は、$t>0$ のすべてに対して
$$ 4t^2+at+1-a>0 $$
が成り立つ条件に言い換えられる。あとは、この二次式が $t>0$ で常に正になるような $a$ の範囲を調べればよい。
解法1
$t=2^x , (>0)$ とおくと、
$$ 2^{2x+2}+2^x a+1-a =4(2^x)^2+a2^x+1-a =4t^2+at+1-a $$
となる。
したがって、求める条件は
$$ f(t)=4t^2+at+1-a>0 \qquad (t>0) $$
がすべての $t>0$ で成り立つことである。
$f(t)$ は上に開く二次関数なので、最小値を調べればよい。
(i) $a\geqq 0$ のとき
$f'(t)=8t+a$ であり、$t>0$ では
$$ 8t+a>0 $$
となるから、$f(t)$ は $t>0$ で単調増加である。
よって、$t>0$ における最小値は $t\to 0^+$ のときに近づく値であり、
$$ \lim_{t\to 0^+} f(t)=1-a $$
である。
ここで、
- $a>1$ なら $1-a<0$ なので、$t=0$ に十分近い正の $t$ で $f(t)<0$ となり不適
- $a=1$ なら $f(t)=4t^2+t>0 , (t>0)$
- $0\leqq a<1$ なら明らかに $f(t)>0$
したがって、この場合は
$$ 0\leqq a\leqq 1 $$
である。
(ii) $a<0$ のとき
このとき頂点の $t$ 座標は
$$ t=-\frac{a}{8}>0 $$
となるので、これが $t>0$ における最小値を与える。
したがって、
$$ f\left(-\frac{a}{8}\right)>0 $$
が必要十分である。
計算すると、
$$ \begin{aligned} f\left(-\frac{a}{8}\right) &=4\left(-\frac{a}{8}\right)^2+a\left(-\frac{a}{8}\right)+1-a \\ &=\frac{a^2}{16}-\frac{a^2}{8}+1-a \\ &=1-a-\frac{a^2}{16}. \end{aligned} $$
よって、
$$ 1-a-\frac{a^2}{16}>0 $$
すなわち
$$ 16-16a-a^2>0 $$
であり、
$$ a^2+16a-16<0 $$
となる。
二次方程式
$$ a^2+16a-16=0 $$
の解は
$$ a=\frac{-16\pm\sqrt{256+64}}{2} =\frac{-16\pm 8\sqrt{5}}{2} =-8\pm 4\sqrt{5} $$
だから、
$$ -8-4\sqrt{5}<a<-8+4\sqrt{5} $$
である。
いまこの場合は $a<0$ なので、結局
$$ -8-4\sqrt{5}<a<0 $$
を得る。
(iii) まとめ
(i), (ii) を合わせると、
$$ -8-4\sqrt{5}<a\leqq 1 $$
となる。
解説
$2^x$ を $t$ とおくことで、指数の問題を「$t>0$ の範囲で二次式が常に正」という典型問題に変形できる。
この問題では、二次式が「全実数」で正である必要はなく、「$t>0$ で正」であればよい点が重要である。そのため、判別式だけで処理するのではなく、頂点が $t>0$ にあるかどうかで場合分けするのが確実である。
また、$a=1$ のときは $t=0$ を代入できないにもかかわらず、$t\to 0^+$ で $0$ に近づくので注意が必要である。この場合でも実際には $t>0$ なら常に正なので許される。
答え
$$ -8-4\sqrt{5}<a\leqq 1 $$
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