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東北大学 2019年 文系 第2問 解説

数学2/指数対数数学A/整数問題数学1/方程式不等式テーマ/場合分け
東北大学 2019年 文系 第2問 解説

方針・初手

まず対数の定義域から

$$ x-n>0,\quad 2n-x>0 $$

が必要である。したがって

$$ n<x<2n $$

である。

ここで

$$ t=x-n $$

とおくと、$t$ は整数で

$$ 1\le t\le n-1,\qquad 2n-x=n-t $$

を満たす。不等式は

$$ \log_a t>\frac12\log_a(n-t) $$

となる。両辺を $2$ 倍して

$$ \log_a t^2>\log_a(n-t) $$

と見れば、底 $a$ が $1$ より大きいか、$0<a<1$ かで単調性が変わるので場合分けすればよい。

解法1

$t=x-n$ とおくと、$1\le t\le n-1$ であり、不等式は

$$ \log_a t^2>\log_a(n-t) $$

となる。

(i) $a>1$ の場合

$\log_a x$ は増加関数であるから、

$$ t^2>n-t $$

すなわち

$$ t^2+t-n>0 $$

である。

(ii) $0<a<1$ の場合

$\log_a x$ は減少関数であるから、不等号が逆転して

$$ t^2<n-t $$

すなわち

$$ t^2+t-n<0 $$

である。


(1) $n=6$ のとき

このとき $1\le t\le 5$ である。

(i) $a>1$ の場合

$$ t^2+t-6>0 $$

より

$$ (t+3)(t-2)>0 $$

である。$1\le t\le 5$ なので

$$ t>2 $$

となり、

$$ t=3,4,5 $$

である。したがって

$$ x=t+6=9,10,11 $$

である。

(ii) $0<a<1$ の場合

$$ t^2+t-6<0 $$

より

$$ (t+3)(t-2)<0 $$

である。$1\le t\le 5$ なので

$$ -3<t<2 $$

より

$$ t=1 $$

である。したがって

$$ x=t+6=7 $$

である。


(2) この不等式を満たす整数 $x$ が存在するための $n$ の条件

(i) $a>1$ の場合

$t=n-1$ をとると、これは $1\le t\le n-1$ を満たす整数である。不等式 $t^2+t-n>0$ に代入すると

$$ (n-1)^2+(n-1)-n=n(n-2) $$

となる。

したがって $n\ge3$ なら

$$ n(n-2)>0 $$

であり、実際に条件を満たす整数 $t$、したがって整数 $x$ が存在する。

逆に $n=1$ では $1\le t\le0$ となって整数 $t$ が存在しない。$n=2$ では $t=1$ しかないが、

$$ 1^2+1-2=0 $$

となり不等式は成り立たない。よって $a>1$ の場合、存在条件は

$$ n\ge3 $$

である。

(ii) $0<a<1$ の場合

$t=1$ をとると、これは $n\ge2$ なら許される整数である。不等式 $t^2+t-n<0$ に代入すると

$$ 1^2+1-n=2-n $$

となる。

したがって $n\ge3$ なら

$$ 2-n<0 $$

であり、実際に条件を満たす整数 $t$、したがって整数 $x$ が存在する。

逆に $n=1$ では整数 $t$ が存在せず、$n=2$ では $t=1$ しかないが

$$ 1^2+1-2=0 $$

となって不等式は成り立たない。よって $0<a<1$ の場合も、存在条件は

$$ n\ge3 $$

である。

以上より、$a$ の場合によらず、整数 $x$ が存在するための必要十分条件は

$$ n\ge3 $$

である。

解説

この問題の要点は、まず定義域から $n<x<2n$ を押さえ、$t=x-n$ とおいて範囲を整理することである。すると対数の中身が $t$ と $n-t$ になり、比較すべき量が明確になる。

そのうえで、対数関数の単調性が底 $a$ によって変わることが本質である。$a>1$ なら増加、$0<a<1$ なら減少であるから、不等式の向きが逆転する。この見落としが最も起こりやすい。

一般の $n$ について存在条件を調べるときは、すべての整数を調べる必要はない。$a>1$ では大きい $t$ を、$0<a<1$ では小さい $t$ を試せば十分であり、それぞれ $t=n-1$、$t=1$ を代入すると一気に判定できる。

答え

$$ \text{(1)}; \begin{cases} a>1\ \text{のとき}\ x=9,10,11,\\ 0<a<1\ \text{のとき}\ x=7 \end{cases} $$

$$ \text{(2)}; \text{この不等式を満たす整数 }x\text{ が存在するための必要十分条件は }n\ge3\text{ である。} $$

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