東北大学 1978年 理系 第4問 解説

方針・初手
(1) は指示どおり数学的帰納法で示す。帰納法の推論では、仮定
$$ (n+6)^2<2^{n+5} $$
から
$$ (n+7)^2<2^{n+6} $$
を導けばよい。そのために $(n+7)^2$ と $2(n+6)^2$ を比較する。
(2) は左辺が連続する奇数の和なので、まず和を公式で整理する。その後、(1) の結果を $n=k-5$ として用いると、$k\geqq 6$ の場合を一括で排除できる。
解法1
(1)
命題
$$ P(n):\ (n+6)^2<2^{n+5} $$
を考える。
まず、$n=1$ のときを確かめる。
$$ (1+6)^2=49,\qquad 2^{1+5}=2^6=64 $$
より、
$$ 49<64 $$
であるから、$P(1)$ は成り立つ。
次に、ある正の整数 $n$ について $P(n)$、すなわち
$$ (n+6)^2<2^{n+5} $$
が成り立つと仮定する。このとき $P(n+1)$ を示す。
$(n+7)^2$ と $2(n+6)^2$ の差をとると、
$$ \begin{aligned} 2(n+6)^2-(n+7)^2 &=2(n^2+12n+36)-(n^2+14n+49)\\ &=n^2+10n+23 \end{aligned} $$
となる。$n$ は正の整数であるから、
$$ n^2+10n+23>0 $$
である。したがって、
$$ (n+7)^2<2(n+6)^2 $$
が成り立つ。
ここで帰納法の仮定より $(n+6)^2<2^{n+5}$ だから、
$$ 2(n+6)^2<2^{n+6} $$
である。よって
$$ (n+7)^2<2(n+6)^2<2^{n+6} $$
となり、
$$ (n+7)^2<2^{n+6} $$
すなわち $P(n+1)$ が成り立つ。
以上より、数学的帰納法によって、任意の正の整数 $n$ に対して
$$ (n+6)^2<2^{n+5} $$
が成立する。
(2)
左辺は初項 $1$、末項 $2k+1$、項数 $k+1$ の等差数列の和であるから、
$$ 1+3+5+\cdots +(2k+1)=\frac{(k+1){1+(2k+1)}}{2}=(k+1)^2 $$
である。
したがって、与えられた条件は
$$ (k+1)^2=2^k+4 $$
となる。
ここで $k\geqq 6$ とすると、$n=k-5$ は正の整数であるから、(1) により
$$ (k+1)^2=(n+6)^2<2^{n+5}=2^k $$
となる。これは
$$ (k+1)^2=2^k+4>2^k $$
に矛盾する。よって、解があるとしても
$$ k\leqq 5 $$
でなければならない。
そこで $k=1,2,3,4,5$ を調べる。
$$ \begin{aligned} k=1&:\ (k+1)^2=4,\quad 2^k+4=6\\ k=2&:\ (k+1)^2=9,\quad 2^k+4=8\\ k=3&:\ (k+1)^2=16,\quad 2^k+4=12\\ k=4&:\ (k+1)^2=25,\quad 2^k+4=20\\ k=5&:\ (k+1)^2=36,\quad 2^k+4=36 \end{aligned} $$
よって条件を満たすのは
$$ k=5 $$
のみである。
解説
(1) の帰納法では、単に仮定を2倍するだけでなく、$(n+7)^2$ が $2(n+6)^2$ より小さいことをきちんと確認するのが要点である。帰納法の推論で「どの量と比較すればよいか」を見抜けるかが重要である。
(2) は奇数和の公式
$$ 1+3+5+\cdots +(2m-1)=m^2 $$
を使って二乗と指数の比較に直す問題である。ここで (1) を $n=k-5$ と読み替えると、$k$ が大きい場合を一気に排除でき、残りは有限個の確認だけで済む。
答え
(1)
任意の正の整数 $n$ に対して
$$ (n+6)^2<2^{n+5} $$
が成り立つ。
(2)
$$ k=5 $$
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