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東北大学 1982年 理系 第6問 解説

数学A/確率数学A/場合の数テーマ/場合分け
東北大学 1982年 理系 第6問 解説

方針・初手

取り出した球の番号の最大値を $X$ とする。

偶数が出た時点で操作は終了するので、実際に現れる列は

という形か、あるいは $n$ 回とも奇数で終わる形である。

したがって、$X$ の取りうる値は $1,2,3,4$ のみであり、それぞれについて起こる列を場合分けして数えればよい。

解法1

各回の取り出しは復元抽出であるから、毎回

$$ P(1)=P(2)=P(3)=P(4)=\frac14 $$

であり、互いに独立である。

$P(X=1)$

最大値が $1$ になるのは、$n$ 回とも $1$ を引いたときに限る。

$$ P(X=1)=\left(\frac14\right)^n $$

$P(X=2)$

最大値が $2$ になるのは、途中で初めて出る偶数が $2$ であり、それ以前はすべて $1$ である場合である。

すなわち、ある $k\ (1\le k\le n)$ について

$$ 1,1,\dots,1,2 $$

という列になればよい。

この確率は

$$ \sum_{k=1}^{n}\left(\frac14\right)^{k} $$

であるから、

$$ P(X=2) =\sum_{k=1}^{n}\left(\frac14\right)^k =\frac{\frac14\left(1-\left(\frac14\right)^n\right)}{1-\frac14} =\frac{1-\left(\frac14\right)^n}{3} $$

$P(X=4)$

最大値が $4$ になるのは、途中で初めて出る偶数が $4$ の場合である。

その前には奇数 $1,3$ しか出ていないので、ある $k\ (1\le k\le n)$ について、最初の $k-1$ 回が奇数、$k$ 回目が $4$ であればよい。

最初の $k-1$ 回が奇数である確率は $\left(\frac12\right)^{k-1}$ であるから、

$$ P(X=4)=\sum_{k=1}^{n}\left(\frac12\right)^{k-1}\frac14 $$

よって、

$$ P(X=4) =\frac14\sum_{k=0}^{n-1}\left(\frac12\right)^k =\frac14\cdot \frac{1-\left(\frac12\right)^n}{1-\frac12} =\frac12\left(1-\left(\frac12\right)^n\right) $$

$P(X=3)$

最大値が $3$ になるのは、$4$ は一度も出ず、少なくとも一度は $3$ が出る場合である。

これは次の二通りに分かれる。

(i) ある $k\ (1\le k\le n)$ 回目に $2$ が出て終了し、それまでに $3$ が少なくとも1回出ている場合

(ii)

$n$ 回とも奇数で終わり、その中に $3$ が少なくとも1回出ている場合

まず (i) について、最初の $k-1$ 回が奇数で、その中に少なくとも1回 $3$ が出る確率は

$$ \left(\frac12\right)^{k-1}-\left(\frac14\right)^{k-1} $$

である。前者は「全部奇数」、後者は「全部 $1$」である。

したがって (i) の確率は

$$ \sum_{k=1}^{n}\left{\left(\frac12\right)^{k-1}-\left(\frac14\right)^{k-1}\right}\frac14 $$

である。

次に (ii) の確率は、「$n$ 回とも奇数」から「$n$ 回とも $1$」を引けばよいから、

$$ \left(\frac12\right)^n-\left(\frac14\right)^n $$

である。

以上より、

$$ P(X=3) =\sum_{k=1}^{n}\left{\left(\frac12\right)^{k-1}-\left(\frac14\right)^{k-1}\right}\frac14 +\left(\frac12\right)^n-\left(\frac14\right)^n $$

これを整理すると、

$$ P(X=3) =\frac16+\frac{1}{2^{n+1}}-\frac{2}{3\cdot 4^n} $$

となる。

解説

この問題の要点は、「偶数が出たら止まる」という条件のために、取り出される列の形がかなり限定されることである。

特に、

というように、最大値ごとに列の特徴を言い換えると数えやすい。

単に「最大値がいくつか」で考えるのではなく、「どのような並びが起こるか」に落とすのが典型的な処理である。

答え

取り出した球の番号の最大値を $X$ とすると、その確率分布は

$$ P(X=1)=\left(\frac14\right)^n $$

$$ P(X=2)=\frac{1-\left(\frac14\right)^n}{3} $$

$$ P(X=3)=\frac16+\frac{1}{2^{n+1}}-\frac{2}{3\cdot 4^n} $$

$$ P(X=4)=\frac12\left(1-\left(\frac12\right)^n\right) $$

である。したがって、

$$ X= \begin{cases} 1 & \text{with probability } \left(\frac14\right)^n,\\ 2 & \text{with probability } \dfrac{1-\left(\frac14\right)^n}{3},\\ 3 & \text{with probability } \dfrac16+\dfrac{1}{2^{n+1}}-\dfrac{2}{3\cdot 4^n},\\ 4 & \text{with probability } \dfrac12\left(1-\left(\frac12\right)^n\right) \end{cases} $$

となる。

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